褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 ゴッドファーザー(1972) 全てが最高のマフィア映画

2015年01月17日 | 映画(か行)
 ストーリーは勿論のことだが、監督、俳優、音楽、映像、バイオレンスなど全てがサイコ~であり、名作としての貫禄を充分に感じることができる映画といえば、これゴッドファーザー。唯一ユーモアが足りないが、本作に関しては笑いの要素は必要ないので、そんなことは減点の対象にはならない。
 だいたいマフィア映画の主人公といえば、直ぐに怒鳴り散らし、平気で目の前に居る人間を撃ってしまうような近寄りがたい雰囲気の奴が多いが、本作のマーロン・ブランド演じるイタリア系(シチリア系)マフィアのドン・コルレオーネは全く真逆のタイプのマフィア映画の主人公。大きな声を張り上げるどころかカスレ気味の声でボソボソと話し、しかも次々と人が勝手に集まってくる超人気者。しかし、集まってくる奴らはどいつもこいつも面倒くさい頼みごとばかりしてくるのだが、このマフィアのドンは嫌な顔を一つも見せずに寛大な心を持って頼みごとを聞いてやるような大変律儀な性格だ。そんな素敵な人柄が幸いしたのかどうかわからないが、裏では政治家や警察にコネを持っていて、賭博や労働組合まで仕切っている暗黒街の超大物として君臨している。
 そして、ドン・コルレオーネの信条を表わす台詞が『家族を大事にしない奴は男じゃない』。実は本作と言うよりもゴッドファーザーシリーズ全編を通してマフィア映画の体を成しながら、家族の絆及び血の結束を描いた映画だ。

 ドン・コルレオーネ(マーロン・ブランド)には3人の息子と末の娘、四人の子供たちがいる。長男のソニー(ジェームズ・カーン)は気が短く、結婚して子供も居るのだが大変な女好き。次男のフレド(ジョン・カザール)は優しすぎて気が弱い。三男のマイケル(アル・パチーノ)はマフィアの家庭に生まれたことを嫌悪しており堅気として生きていくことを決意している元軍人。末娘のコニー(タリア・シャイア)は何だかいつも泣いているだけの印象。同じ父母から生まれた兄弟のはずだが、性格はバラエティに富んでいる。
 そして、更に少年時代から路頭に迷っていた所をソニー(ジェームズ・カーン)に連れて来られ、ドン・コルレオーネ(マーロン・ブランド)に家族同然、ソニー(ジェームズ・カーン)達と兄弟同然に育てられたドイツ系アメリカ人のトム(ロバート・デュヴァル)、血は繋がっていないがコルレオーネ家にすっかり馴染んでいる様子が見てとれる。
 血の繋がっていない者も含めて非常に個性的な兄弟の面々だが、その中でもメインなのは三男のマイケル(アル・パチーノ)。前半の堅気生活と後半のマフィアの世界にどっぷり足を突っ込んでしまってから、別人のように変わってしまうマイケル(アル・パチーノ)の成長物語でもある。

 さて、男が命懸けで家族を守ろうとするマフィア映画の金字塔的作品のストーリーとはいかなるものか。
 ドン・コルレオーネ(マーロン・ブランド)の屋敷では、多くの人が集まり娘コニー(タリア・シャイア)の結婚式が盛大に行われている。その一方でドン・コルレオーネ(マーロン・ブランド)を個人的な相談事で訪れる者も居たりで、娘の結婚式に関わらずビジネスも絡んでドン・コルレオーネ(マーロン・ブランド)は何かと忙しい。
 結婚式の最中に数年振りにマイケル(アル・パチーノ)が婚約者のケイ(ダイアン・キートン)を連れて帰ってきた。豪華な結婚式に驚いているケイ(ダイアン・キートン)にマイケル(アル・パチーノ)は父親が非合法的なビジネスに関わっているマフィアであることを正直に話し、自らは一切父親のビジネスに手を出さないことを誓う。
 マイケル(アル・パチーノ)とケイ(ダイアン・キートン)は仲良くデートを楽しむが、驚くべきニュースが飛び込んで来る。父親のドン・コルレオーネ(マーロン・ブランド)が何者かに弾丸を数発ぶち込まれ、重傷を負わされたことを知る。これを機にニューヨークのマフィア五大ファミリーの戦いが勃発。マイケル(アル・パチーノ)は堅気として生きていくことを決意していたのだが父親が撃たれたことに怒りを覚え、自らがマフィアの世界に飛び込み、過酷な運命に巻き込まれてしまう・・・

 脅迫、裏切り、粛清と何かとバイオレンスの匂いが漂うが、哀切漂う音楽『愛のテーマ』が血と死を洗い流す。イタリア系マフィアなんて聞くと人殺し集団かと思わせるが、元々はシチリアからアメリカに移民してきた人々が迫害される中で、それに対抗するための自警団組織。イタリア系移民にとって実はマフィアは心の拠り所。まさに本作の冒頭でドン・コルレオーネ(マーロン・ブランド)に頼みごとをするシーンを観ていると、マフィアの役割がよく理解できる、って本当かよ!?
 そして、実は俺がこの映画に興味が惹かれるのがコルレオーネファミリーに忠誠を尽くすトム(ロバート・デュヴァル)の存在。イタリア系社会における血の結束において、ドイツ系の血を引くトム(ロバート・デュヴァル)が完全にイタリア系社会に入り込めず苦悩しているシーンは本当にこの映画を奥の深いものにしていると思う。現在のところゴッドファーザーシリーズはPARTⅢまで作られているが、そのPARTⅢにおいてロバート・デュヴァルが出演を拒否してしまったが、おかげで少々薄っぺらいドラマになってしまったように思われるのが本当に惜しいと思う。
 他にも感動的な親子愛、ラスト近くで魅せる暗殺群集劇の素晴らしい演出、凄すぎるキャスト陣、フランク・シナトラやバグジー・シーゲルのような実在の人物のモデルを効果的に使っているシーンなど語り足りないことがまだあったような気がするが、実は俺が今まで観た映画の中で1番好きな映画がゴッドファーザー。俺が1番好きという理由だけでも万人にお勧めだ

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 監督はフランシス・フォード・コッポラ。ベトナム戦争の狂気を描いた地獄の黙示録、ジーン・ハックマン主演のシニカルな味わいのあるサスペンスカンバセーション…盗聴…、ジェフ・ブリッジス主演の車好きにお勧めできるタッカー、ジョン・グリシャム原作の映画化でマット・デイモン主演のレイン・メーカー、再チャレンジのお話?であるコッポラの胡蝶の夢など他にもお勧め作品が多数ある監督です。

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