褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 コーヒー&シガレッツ(2003) コーヒーを飲みたくなる

2022年02月07日 | 映画(か行)
 大して盛り上がらないオフビートな作風と独特の味わいとユーモアセンスで人気のあるジム・ジャームッシュ監督が送り出す11のエピソードからなるコーヒーと煙草にまつわるオムニバス映画が今回紹介するコーヒー&シガレッツ。ロベルト・ベニーニ、スティーヴ・ブシェミ、トム・ウェイツ、ケイト・ブランシェット、アルフレッド・モリーナ、そしてビル・マーレイ・・・等の癖の強い俳優や歌手達が自分自身の役を演じるという珍しい設定。
 全てのエピソードについて演じている人、時間、場所、ストーリー的な物などは違うが、共通点はコーヒーを飲みながら、煙草を吸いながらグダグダと会話をしていること。しかも、その内容だがハッキリ言って観ている側からしたらどうでも良いようなことばかり。『やっぱりコーヒーは美味い』『煙草の吸い過ぎは体に悪い』といったような当たり前の話が多々出てきたりする。
 全編に渡ってモノクロであり、俳優達も自然体で演じているし、会話の内容と同様に見た目の活劇的な面白さは全くない。そしてカメラの動きは殆ど無いし、場面が変わったと思ったら真上からテーブルに乗っている飲み差しのコーヒーカップや煙草の吸殻が映るだけだったりで淡々としている。ここまで読んだ人はきっとこのように思うはずだ。本当にこの映画は面白いのかよ!

 前述したように11もエピソードがあるのだが、全体の時間は97分に収まっている。しかしながら、心配してしまうのは観ている途中で寝てしまわないかどうか。でも、本作を観る時の心構えをアドバイスしておくと、いつも通りの平常心でいること。間違っても腹が立っている時や、悲しい時のような感情が大きく揺れている時に観ない方が良いだろう。
 だいたい1人でコーヒーを飲みたい時(または煙草を吸いたい時)というのはどういう時だろう。普段の喧騒を忘れて落ち着きたいと思う人が多いだろう。そういうことで本作は観る人に極上のリラックス気分を味わえさせてくれる映画なのだ。よって眠くなったら寝てもかまわないぐらいのつもりで観るのが本作に限っては正しい鑑賞方法だろう。
 特に印象的だったエピソードはケイト・ブランシェットが本人自身の役と従姉妹の二役をこなしている一編。それとアルフレッド・モリーナが人気者のスティーヴ・クーガンに『実は俺たちは、いとこ同士なんだぜ』と話しかける一編。
 今回はストーリー紹介を説明する必要もないので省くが、有名人が普通の会話をしているのに惹きつけられるし、全編が最後にオチがつくのも少しばかり笑える。そして、エンディングに流れる音楽が良い。正直なところ若者にはお勧めしにくいが、少しばかりほろ苦い経験をしてきた大人達に今回は観終えた後にコーヒーが飲みたくなることが間違いないコーヒー&シガレッツをお勧めに挙げておこう

 監督は前述したジム・ジャームッシュ。あんまり感情の起伏が無いような作風は好みが分かれるかもしれないが、個人的にはけっこう好きな映画が多い。大して盛り上がらない青春映画ストレンジャー・ザン・パラダイス、緊迫感のない脱獄映画ダウン・バイ・ロー、タクシードライバーとお客さんを描いたオムニバス映画ナイト・オン・ザ・プラネット、ビル・マーレイが演じる冴えないオジサンが元カノを訪ねていくブロークン・フロワーズあたりがお勧め。



 

 



 

 

 
 









 

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