褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 危険な関係(1988) 貴族の気分が味わえます

2017年06月04日 | 映画(か行)
 18世紀のフランスの作家であるコデルロス・ド・ラクロの同名タイトル小説を原作とする映画が今回紹介する危険な関係。フランスの貴族社会を描いているが、今まで色々な国で何度も映画化されているように、世界中の映像作家に人気のある古典的小説だ。
 貴族社会を描いているだけに、豪華な衣装は一度は着て身に着けたいと思わせるし、真面目に働かなくても贅沢ができる浮き世離れした生活ぶりは羨ましいと思わせる。そして男性にはナンパの成功方法がわかる非常に有難い映画だ。

 本作で描かれている貴族社会だが、すっかり性の風紀が乱れてしまっている。元カノから『あの生娘の処女を奪って!』と頼まれたり、社交界のプレイボーイである男の口から『俺は今はガードが堅いと評判の美人の未亡人を狙ってるんだ』なんて会話が飛び出す。
 何だかコスプレ衣装の官能小説の映像化を見せられている気分になったりするが、嫉妬、謀略、裏切りが渦巻く不純な愛欲の世界がゲーム感覚で描かれており、見ていてなかなか楽しい映画だ。

 さて、エロスを求めて心理戦が展開されるストーリーの紹介を。
 メルトゥイユ侯爵夫人(グレン・クローズ)は元カレで社交界のプレイボーイとして浮き名を流すヴァルモン男爵(ジョン・マルコヴィッチ)を呼び出し、セシルの処女を奪うように持ち掛ける。
 ヴァルモン男爵はセシルのような小娘とエロスに溺れていたんでは社交界の恥さらしになると断ったうえで、今は社交界の中で美人で貞淑の誉れが高いとして知られているトゥールベル夫人(ミッシェル・ファイファー)を口説き落としてエロいことをする計略があることを打ち明ける。
 当初は思惑の異なる二人だったが、メルトゥイユ侯爵夫人はあらゆる手段を尽くして自らの野望を達成しようとするのだが・・・

 ヴァラモン男爵のナンパの方法だが、貧しい人に手を差し伸べて良い人に見せておいて、狙った女性の前では自らを可哀相な男性を演じて、徹底的な泣き落とし戦術。俺なんかは女性の前では偉そうな人物を装っているのだが、かえって逆効果だったことに気がついた。
 しかし、本当に怖いのはメルトゥイユ侯爵夫人の女の執念。しかも、演じているのが危険な情事でマイケル・ダグラスをとことん追い詰めるグレン・クローズだから恐怖が倍増する。
 しかし、エロスに快楽を求めながらも、男女の仲に次第に恋愛感情が芽生えてくると、そりゃ~、このような結末を迎えてしまうよね~と妙に納得させられた。
 けっこう笑えたのが、エロい関係になったことを証明する手段として手紙のやり取りをしていること。今のネット社会の時代を生きる我々から見ればこのようなやり取りが、どうしても古臭く感じてしまう。原作が今まで本作を含めて何回も映画化されているのだから、ぜひ現代社会に合わせて再度リメイクして欲しいものだ。
 ヨーロッパの貴族生活にあこがれている人、男女のエロスと恋愛に関わる高度な心理戦を楽しみたい人、今でも活躍している豪華キャスト陣の演技を楽しみたい人、若きキアヌ・リーブスのヘタレな役を見たい人、まだ初々しいユマ・サーマンのオッパイを見たい人・・・等に今回は危険な関係をお勧め映画として挙げておこう

危険な関係 [DVD]
ジョン・マルコビッチ,グレン・クローズ,ミシェル・ファイファー,ユマ・サーマン,キアヌ・リーブス
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント



危険な関係 [Blu-ray]
クリストファー・ハンプトン
ワーナー・ホーム・ビデオ


 監督はイギリス人で傑作を多く残しているスティーヴン・フリアーズ。詐欺師一家の皮肉な運命を描いたグリフターズ/詐欺師たち、ダスティン・ホフマン主演のハートフルコメディのヒーロー/靴をなくした天使、ロンドンに暮らす不法移民たちを描いた堕天使のパスポートがお勧めです。 
 

  
 





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