褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 ストレイト・ストーリー(1999) 純粋に感動する

2010年11月09日 | 映画(さ行)
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 シュール、エロ、暴力といったテーマを映画に盛り込んでくるデヴィッド・リンチ監督。ちなみに僕が観た彼の作品ではワイルド・アット・ハートが1番好き。
 トゥルー・ロマンス、ナチュラル・ボーン・キラーズといった暴力的なロードムービーの元祖みたいな作品。
 主演のニコラス・ゲイジとローラ・ダーンの恋人の逃避行が描かれているけれど、この映画の魅力はそんな2人を追いかけようとするウイレム・デフォーやダイアン・ラッドといった悪役たちの怪演が挙げられるだろう。
 少しばかり奇怪な幻想シーンなどはデヴィッド・リンチ監督らしさが表われている。

 他にモノクロ映像で奇妙な顔、姿をした人間として生まれた人物と医者との心の交流を描いたエレファント・マン、のどかな田舎を舞台にしたとんでもないものを見つけてしまったために不思議な世界に巻き込まれるサスペンス映画のブルー・ベルベット、強烈なレズシーンと途中から意味のわからないストーリーが展開するマルホランド・ドライブなど、不可思議な世界を描くデヴィッド・リンチ監督の作品が好きな映画ファンは多い。

 ある意味そんな彼の作風を期待して観るとガッカリするかもしれない彼の異色映画が今回紹介するストレイト・ストーリー
 リンチ監督らしいキワモノ的なシーンはまるで無く、純粋に感動できる映画。この映画には美男美女は出てこないし、風貌のさえた人物は出てこない。
 内容はお年寄りが壊れかけのトラクターで350マイル(560キロ)の旅に出るロードムービー
 旅の途中で出会う人達との交流がショーン・ペン監督のイントゥ・ザ・ワイルドを思い出させる
 それではデヴィッド・リンチ監督の純粋に感動するロードムービーであるストレイト・ストーリーを紹介します

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 73歳の老人のアルヴィン(リチャード・ファーンズワース)は重度の糖尿病、その影響か一度転げると自分で立ち上がる事もできず、歩行には杖が必要だ。
 そんな彼は娘のローズ(シシー・スペイセク)との二人暮らし。


 そんなアルヴィン(ファーンズワース)のもとに兄のライル(ハリー・ディーン・スタントン)が心臓発作で倒れたとの連絡が

 アルヴィン(ファーンズワース)とライル(スタントン)は仲違いしていて長年音信不通だった。そんな連絡を聞いたアルヴィン(ファーンズワース)は兄のライル(スタントン)に会いに行く決心をする。
 しかしアルヴィン(ファーンズワース)の家のアイオワ州のローレンスから兄のライル(スタントン)の住むウィスコン州まで560キロある。
 アルヴィン(ファーンズワース)は車の免許を持っていないために車で行くことも出来ず、そして電車で行こうと思っても糖尿病の影響で自分で起き上がる事も出来ず、そして杖がないと歩行が出来ない彼には電車で行くことも無理だった。


 
 しかし、長年の兄との空白の時間を埋めたかったアルヴィン(ファーンズワース)は、周囲の心配をよそに自らの芝刈り機に乗って兄のライル(スタントン)の所に行こうとするが、出発後直ぐに芝刈り機は故障。
 それでもアルヴィン(ファーンズワース)は古いトラクターを購入して再び兄のライル(スタントン)の所に向かう。
 トラクターは時速8キロのスピードしか出ず、また途中色々なトラブルに遭遇してしまい、かなり無謀な道のりだけれど・・・星の夜空が綺麗是非映画を観てください

 観ていて兄貴の心臓発作の心配より、この主人公の老人の糖尿病によって身動き不自由な体の健康状態の方がものすごく心配だった。
 しかもスピードは出ないし、いつ壊れても不思議では無いトラクターこれでは兄貴に会いたくても、到着した頃には・・・そんな心配までしてしまう。
 そんな不安を抱えながらこの映画を観てしまうけれど内容は暗くない。ヒヤヒヤしながらも旅の途中で出会う人々との交流はユーモアあり、感動あり。
 当然旅の途中で出会う人々もこの老人に対して手助けしようとするけれど、必要最低限のことしか助けを求めない姿には本当に感動する。

 長年音信不通だった兄との再会には無謀さを感じるけれど、その無謀さは実はこの老人にとっては贖罪の旅であることを感じさせられる。

 実はこの映画は実話がベースになっている。見ず知らずの人間が野宿をしているところへ食料を与えたり、また宿泊させたりするシーンは非常にアメリカという国を感じる。
 日本でもこのような話は時々聞くことはあるけれど、この映画に登場してくる人たちを見ていると言葉は悪いかもしれないけれど施しの精神みたいなものを感じる。
 僕なんかは暗いところで野宿している人に対して、この映画に登場してくる人たちのように近づいていくことは出来ない。

 そして忘れていけないのが老人が旅をする過程においてただ助けてもらってばかりいるだけならそれほど感動しなかっただろう。実はこの老人に出会った人々が逆に癒されていく姿にこの映画の価値を高めていると思う
 純粋に感動したい映画を観たいのならお勧めの映画です。

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