褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 袋小路(1966) 僕も人生の袋小路に迷い込んでしまった

2010年05月23日 | 映画(は行)
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 最近はロマン・ポランスキー監督の初期作品を観ることが多いけれど、彼の初期作品は面白いね
 彼の長編デビュー作である水の中のナイフは心理サスペンスと言うような映画で、名監督と呼ばれる人にはデビュー作品から傑作を撮り挙げてしまう人がたくさんいる
 他に彼の初期作品では反撥も面白かったカトリーヌ・ドヌーヴが精神に異常を来たしていくシーンは、今で言うところのサイコ・サスペンスとも言えるし、少しホラー映画みたいな感じもする
 彼の最近の評価が高い作品といえば戦場のピアニストがあるけれど、個人的にはナチスドイツの描き方が露骨過ぎて、僕には少しロマン・ポランスキーの作品としては不満
 むしろ前述した『水の中のナイフ』『反撥』の方が、ジワジワと追い詰めていく怖さの方がロマン・ポランスキー監督としての凄さを感じるし、ローズマリーの赤ちゃんチャイナタウンの方が僕の好みにあうね
 そして、今回紹介する袋小路も彼の初期作品の代表作と言えるだろう今回も登場人物が狂っていく様子はロマン・ポランスキーならでは演出力
 そして狭い空間を舞台にした作品は『水の中のナイフ』や『反撥』に通じる
 それでは袋小路を紹介します
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 2人組みのギャングが車が動かなくなってしまい、立ち往生している一人は眼鏡を架けていて、腹に銃弾を撃たれ瀕死の重傷で動けないアルバート
 もう一人はでかい体に、腕を負傷して肩から片腕を吊るしているリチャード
 リチャードは高台の方へ向かっていき助けを求めようとすると、そこには古い城のような家があり、リチャードはそこに居る人たちを見張っていた
 そこには若妻であるテレサ(フランソワーズ・ドルレアック・・・カトリーヌ・ドヌーヴの姉さん)と、妻の言うことに逆らえない夫のジョージが居た
 リチャードはこの夫婦を脅し、アルバートの乗っている車をこの城に運び込もうとするがどれだけ時間が経ったのか満潮になっており、車がもう少しで沈むところだった
 リチャードと夫婦3人で車を動かし、鶏小屋を潰してそこに車を隠す

 そしてリチャードはボスに電話をかけるがどうやらボスは大変なご立腹リチャードは電線を切ってしまう
 そしてついにアルバートは死んでしまう

 リチャードは満潮で海に囲まれてしまったことから脱出できないで居たが、ボスが迎えに来てくれることを期待していたしかし、ボスはリチャードを見放したようで迎えに現れない

 ここから奇妙な3人の生活が始まるリチャードはこの夫婦に命令を下すが、夫のジョージがリチャードの命令に逆らえない事に妻のテレサ(ドロレアック)はイライラする
 そんな時夫のジョージの友達がやって来るその友達は妻と娘夫婦とそして子供を連れてきた
 この友達が来たことによって、リチャードは今までジョージ夫婦を支配していたのが逆にテレサ(ドロレアック)からお手伝いさん扱いをされて、支配関係が逆転する
 しかし、夫のジョージは気が弱くリチャードに対して強く当たるどころか、優しさをみせてしまう
 テレサ(ドロレアック)は子供を虐げ、ジョージの友達は揃って帰ってしまい、再びリチャードがこの夫婦を支配する関係になるが・・・続きは映画を観てください


 ジョージは中年でテレサ(ドロレアック)とは再婚であるジョージはテレサ(ドロレック)を愛しているために、著名な作家であるウォルター・スコットがロブ・ロイを執筆した由緒ある城で住むことになるが妻は欲求不満であり、しかも外部からギャングがやって来たことに、ジョージが望んでいた平和な暮らしが壊されてしまう
 その事によって元々気が弱くて、テレサ(ドロレアック)には自分は軍隊に居たことをアピールしていたのが嘘だとばれてしまう
 突如訪れた悪夢に対して、精神的に追い込まれていくジョージの姿は滑稽にさえ感じる
 どうしたら良いかわからないジョージは袋小路に陥っているが、ジョージ夫妻の所に来てしまった腕を負傷しているギャングのリチャードも満潮によってまるで孤島のようになった場所から抜け出せない事によって、彼も袋小路状態

 しかし、この映画でギャングのリチャードは死ぬことによって袋小路状態から抜け出すが、気の弱い夫のジョージは死ぬことさえ出来ないような一生袋小路状態のまま生きていかなければならない姿はあまりにも皮肉的である
 今回紹介した袋小路は、賛否両論あるだろうね
 ちなみにロマン・ポランスキーの初期作品の『水の中のナイフ』『反撥』『袋小路』の3作品に優劣を付けると『反撥』→『水の中のナイフ』→『袋小路』の順番になります
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映画 ショート・カッツ(1993) 多くの人物が織り成す群集劇

2010年05月23日 | 映画(さ行)
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 群集劇というのは、多くの登場人物が出てくるだけになかなか人物関係を把握するのはわかりにくい映画は予備知識なしで観るのも良いことだけれど、群集劇の映画においてはあらかじめ予備知識を持って観た方が良いだろう
 最初から予備知識無しで観るのと、せめて群集劇ということを知っておいて観るだけでもその映画に対する理解度は違う
 今回紹介するショート・カッツは、観る前から群集劇である事を知ってうえで観ないと3時間という長時間を無駄にすることになる
 ジャン・ルノワール監督のゲームの規則という映画を予備知識無しで観た時は、全く人物関係がわからなくて最初観た時は殆ど内容が理解できなかったこの映画は1930年代の古い映画で、当時のフランス映画界を代表する俳優たちが出演していたみたいだけれど、いくら僕が映画が大好きだと言ってもそんな古い時代の、フランス映画界の俳優を知っているわけが無い
 しかし、今回紹介するショート・カッツは僕から見れば吃驚するぐらい豪華スターが多数出演しているのだが、やはり1993年の作品、つまり17年前の作品だから今や殆ど映画で見かけなくなった俳優が多いし、しかも故人になられた方も出演している
 今の若い人が観れば、殆どの演じている俳優たちを知らない人ばかりだろう
 しかも、この映画は主役が存在しないね20人ぐらいの俳優が平等に出演しているから誰がキーポイントと言う映画でもないだけに気合いを入れてみないといけない
 ちなみに監督はロバート・アルトマン彼の映画でゴスフォード・パークというサスペンス仕立ての群集劇があったまたこの映画が多数の人物が出演しているから人物関係、登場人物の顔を1回みたぐらいでは覚えられないので理解はしにくいが、しかしこの映画はゴスフォード・パークと呼ばれる屋敷内、さらに身分階級がポイントになっているので人物の顔が一致しなくても、この映画の面白さはわかると思う
 ならば今回紹介する『ショート・カッツ』の面白さはどこにあるのか今回はストーリーを述べると膨大の字数を書くことになってしまう
 今回はいつもと違う角度からこの映画を紹介します
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 冒頭において、場所はロサンゼルス真夜中において、上空をヘリコプターが通過している
 突如現れた害虫を駆除するために殺虫剤を巻き散らしているさて、ロサンゼルスに住む市民たちの生活の実態は

 バラバラと登場人物がたくさん出てくるここに登場してくる人物は、一般市民はもちろん白バイに乗った警察(ティム・ロビンス)、医者(マシュー・モディン)、ウェイトレス(リリー・トムリン)、プール掃除人(クリス・ペン)など、色々な職業を持った人物が登場し、また平凡な家庭の人物が総勢20人ぐらい出演してくる
 最初は10組ぐらいの夫婦や親子たちの別々の出来事がショートストーリーの如く描かれていくが、実はこの映画に登場してくる人物は間抜けな人間ばかり
 この間抜けな人物たちが起こす出来事によって、最初は全く縁の無い人物同士に思われた20人が次々と連鎖反応の如く繋がっていく
 しかも、この間抜けな行動によって、死者は出てくるし、事態は思いも寄らぬ方向に行ったり、登場人物たちの悲哀のある人生が見ていて可笑しくなる

 そしてラストシーンの出来事によって、約20人の登場人物が見事に繋がる
 バラバラの人物関係が間抜けな行動によって、繋がっていくストーリーは見事な展開を見せます是非1度見ることをお勧めします1度見てわかりにくかったら、しばらく期間をおいて再見してください
 ロバート・アルトマン監督らしく、ブラック・ユーモアが爆発しています
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