褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 M(1931) murder(殺人)の頭文字です

2013年02月26日 | 映画(数字、アルファベット)
 ちょっと変わったタイトル名だが、日本でもかつて、女性アイドルバンドの歌に同じタイトルの歌があった。それだけでも懐かしい気分になるが、今回紹介する映画は、昔も昔のはるか昔の1931年のドイツ映画だ。ナチス・ドイツ台頭前の時代の映画というところに、この映画の価値がある。
 幼女連続殺人事件をテーマにしたサスペンス映画。基本は気が狂った犯人を早く捕まえてしまえという内容だが、そういった部分にスリルを求めると大して楽しくない映画。決して、犯人の肩を持つわけでは無いのに、次第に犯人が追い詰められていく様子に、どことなく居心地の悪さを感じさせる映画だ。
 果たして、この居心地の悪さは何処から来るものなのか

 1930年代のベルリンが舞台。幼女が次々殺害される事件が起きるが、警察は全く手掛かりも掴めず、次第に一般庶民の間にも恐怖心が生まれる。警察の取り締まりは、ついに暗黒街の世界にも手が伸びるが、そのことによって暗黒街の人間は活動に支障を来たしてしまった。そんな中で暗黒街のボスたちも自らの手で幼女連続殺人の犯人を見つけようとするが、意外なところから犯人が浮かびあがってくるのだが・・・

 口笛、風船、Mの文字が効果的に使われており、演出的にも魅せる映画。しかし、1人の人間が複数の団体に追い詰められてしまう展開は、単なる勧善懲悪のような浅いストーリーではなく、まさにナチス・ドイツ政権下の社会主義、密告、粛清といった暗いテーマを感じさせる。
 当時のドイツ情勢の不安を感じさせる映画は、一度は観て欲しい名作です

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ピーター・ローレ
株式会社コスミック出版


 監督はドイツ映画の黄金期を支えた名匠フリッツ・ラング。ナチス台頭によって、後にドイツから逃れてハリウッドでも多くの名作を撮っています。個人的には死刑執行人もまた死すという作品がお勧め。

 犯人を演じるのがピーター・ローレ。この人もナチスから逃れてハリウッド映画に出演しています。ハンフリー・ボガード主演のマルタの鷹の悪役が印象的です

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映画 Dot the i ドット・ジ・アイ(2003) 構成が上手いです

2013年02月03日 | 映画(数字、アルファベット)
 『Dot the i 』のタイトルの意味だが、決してコンピューター用語ではなく、「細かいところにまで気を使う」という意味の慣用句。その意味の通り最初から最後まで気の抜けないサスペンス映画だ。
 時々外国の映画を観ていると、変な風習を目にすることがあるが、フランスやイギリスではヘンナイト・パーティーと呼ばれるパーティーがある。独身最後の夜を過ごす女性が女友達を呼んでパーティーをするのだが、決まり事として偶然にその場に居た最も気に入った男性を選んで独身最後のキスをする。羨ましいのかそうでも無いのか、よくわからない風習だが日本では流行りそうな気がしない。
 そんなパーティーがあると最初からわかっていたら参加してみたいと思ったりするだけでも楽しい映画だが、所々で挿入される第三者が撮っていると思わせるカメラワークが非常に不気味。観ている我々にすれば、果たしてこの第三者は一体何者なのか?その目的は?など色々な疑問を感じながら観ることになる。

 ある理由によってスペインのマドリードから逃れて、イギリスのロンドンにやって来た女性のカルメン(ナタリア・ベルベケ)は普段から優しい金持ちのボンボンのバーナビー(ジェームズ・ダーシー)からプロポーズされ結婚することになる。
 独身最後の夜にカルメン(ベルケア)は女友達をレストランに呼んでパーティーをするのだが、偶然にその場に居合わせたビデオカメラを持ったキット(ガエル・ガルシア・ベルナル)を指名してキスをする。
 かる~い気持ちのキスだったはずなのに、キット(ベルナル)の情熱的なキスの前にすっかりメロメロになってしまい、カルメン(ベルケル)の気持ちは次第にバーナビー(ダーシー)からキット(ベルナル)に傾いていくが、実はそれは罠であり・・・

 相当な美人であるカルメン(ナタリア・ベルベケ)が抱える謎やエロシーン、ストーカーっぽい存在などミステリー色が非常に濃いドラマであり、そしてアホキャラも含めて登場人物の個性が際立ったいるおかげもあり、観ている間は決して飽きることがない。
 途中からの二転三転するドラマ性は、そんなの『ありえね~!』と思ったりするが、意外に現実的に起こりえるシチュエーションか。そして構成が非常に巧みで伏線もキッチリ回収、謎もバッチリ解明、しかし結末は
 1時間半という時間も適当だし、美男美女のサスペンスは定番とはいえ展開的には斬新性があり、万人にお勧めできるDot the i ドット・ジ・アイはぜひ観てください

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マシュー・パークヒル
エスピーオー


 主演のキットを演じるのがガエル・ガルシア・ベルナル。いかにもラテン系の格好良い男でありながら、ひ弱な感じが女性から観れば放っておけないタイプ。この人が出演しているお勧めの映画は、犬好きにもお勧めできるアモーレス・ペロス。他に若きチェ・ゲバラを演じたモーター・サイクル・ダイアリーズ、哲学的パニック映画で悪役を演じたブラインドネスがお勧めです。

 アホキャラで重要な役でトム・ハーディーが出演しています。クリストファー・ノーラン監督作品のインセプションで印象を与え、そしてダークナイト ライジングでは凶悪テロリストのべインを演じるなど今後も注目したい俳優です。

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映画 TIME/タイム(2011) 寿命イコールお金の世界が笑えます

2012年12月19日 | 映画(数字、アルファベット)
 世界中の資本主義国家に襲いかかる不況の波。しかし、不況でもビクともしないどころか、さらに金を巻き上げて私腹を肥やす大富豪がいるかと思えば、今日を生きる糧を探すのに必死になっている貧乏人もいる。大方の人は後者だと思うが、ちなみに俺も当然のごとく後者の人間。常々俺はこの世の中、平等にお金が分け与えられる世界だったら良いのにと思っているのだが、なかなか人生は俺の思うようにならない

 そんな格差社会をもたらす資本主義を大いに皮肉った映画が今回紹介するTIME/タイム
 しかし、一瞬社会派の小難しい経済の内容かと思われるが、世の中のしくみが通貨イコール寿命という素っ頓狂なアイデアが笑える映画。すなわちバスを乗るのにおカネを支払うのではなく、自分の持っている寿命を支払うのだ。例えばバスを乗るのに寿命の内、30分ぐらい支払ったり、他にも例え話を挙げると、フランス料理を食うのにお金ではなくて、持っている寿命の3日分を支払ったりする。この場合、寿命を1日分しか持っていない人は当然フランス料理は食えない。
 大富豪は時間を有り余るほど持っていて、貧乏人は時間無し。まさに時は金なりの諺を地で行くストーリーが楽しめるSFアクション映画だ。

 さて、世の中お金による通貨の概念はなく、自らの寿命を売り飛ばしたり、激しく奪い合ったりする世界観とは如何なるものか
 遺伝子操作によって人間の成長が25歳で止まり、そこから等しく一日の余命を与えられる。そして、その瞬間から人々の腕には、何年何日何時間何秒と寿命時間が刻まれる。
 常に朝起きた時に余命24時間しか持っていない若者であるウィル(ジャスティン・ティンバーレイク)はスラムゾーンで住んでいる。
 毎日、彼は重労働で寿命時間を稼ぎ、そして他人と触れ合って寿命時間をもらったり、あげたりしているが、スラムゾーンの中には他人に襲い掛かって寿命時間を力づくで奪い取っている者も居た。
 そんなある日において、ウィル(ティンバーレイク)はスラムゾーンにおいて、大富豪層に属するはずの人間と出会う。心優しいウィル(ティンバーレイク)は思いやりから、大富豪の男にスラムゾーンから逃げるようにアドバイスをするのだが、大富豪の男は実は自殺願望者。ウィル(ティンバーレイク)は一晩寝ている間に大富豪から100年以上の寿命時間を譲り受けて、大富豪の男は意味深なことを呟いて死んでしまう。

 どうしてこの世の中において、直ぐに死んでしまう貧困者(時間無し)と永遠の如く生き永らえることが出来る大富豪(時間あり過ぎ)の両極端な人間が存在するのか?
 その謎を解くためにウィル(ティンバーレイク)はスラムゾーンを抜け出て、防壁で囲まれている大富豪ばかりが生活している富裕ゾーンへ向かうのだが・・・

 腕に表示される寿命時間が0になった瞬間に即死する様子、昨日までは1時間分支払ったら乗れていたバスが値上がりして2時間分払わないといけないことになってバスに乗れずに寿命時間の少なさに驚いてパニックに陥ったり、ポーカーゲームにおいて『五十年、百年、千年・・・』という感じで自分の寿命時間を賭けるシーンなど、シュールな笑いで満ち溢れている。
 そして通貨がおカネではなく時間という世の中において、警察の存在は大して意味が無く、その代わり時間監査員なんて者が登場するなど、設定がとにかく面白い。

 基本的には恐ろしいほどの美男美女、いや貧乏人と富豪のお嬢様の2人の逃亡劇。別の言い方で書けば、とにかく時間が無くて忙しい男とヒマ過ぎるほど時間が有り余っている女のカップルによる逃亡劇。
 まるで違う境遇に生まれた2人が、逃亡中に次第に理解しあっていく展開はステレオタイプ過ぎるが、寿命時間が切迫している状況が加えられたことで大いに楽しめる斬新なアクション映画になった。
 そして、ただひたすら逃げるだけでなく、格差社会の歪を正すために次々と時間を貯め込んでいる大銀行を襲撃して、貧困者(寿命時間の少ない人)にばら撒き、そしてラストシーンでは更なる銀行の総元締めを襲撃しようとする。
悲しいことに俺の経済知識では、ラストシーンの意味するところが理解不能。こんなことで経済格差は解消されるのかと個人的には思ったが、この映画を観た人はどのような感想を持つのか。
 
 すっかりデフレ状況で苦しんでいる日本人だが、この映画を観るとやっぱりインフレよりもデフレのままで良いじゃんと勘違いしそうになってしまう人もいると思うが、インフレであろうがデフレであろうが貧乏人はやっぱり辛いと言うのが当たり前の結論。しかし、大企業にとっては?
 だいたい経済学者と言われる人でも、経済を良くする方法などわかっていない人が多いので、一般の我々のような凡人には理解できないし、とっつき難い。そんな経済のことを勉強したくなるTIME/タイムは、知性的な大人の鑑賞にも堪えられる娯楽映画です

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 監督は傑作を連発するアンドリュー・ニコル。特に遺伝子操作で人間の優劣が決まる世界を描いたSF映画ガタカがお勧め。
 他にニコラス・ケイジ主演の実在した武器商人を描いたロード・オブ・ウォーは冒頭から面白い。他にもアル・パチーノ主演のシモーヌも良いです。

 主役の格好良い男ウィルを演じるのがジャスティン・ティンバーグ。本業は歌手みたいですが、最近はソーシャル・ネットワークに出演する等、映画界においても活躍が期待されます。

 大富豪の娘シルヴィアを演じるのがアマンダ・サイフリッド。この人は抜群に美人で最近は乗りに乗っている。マンマ・ミーア!親愛なる君へ,そして現在では日本でも大ヒット間違い無しのレ・ミゼラブルに出演しているなど、更なる活躍が期待できます。

 他には逃亡する2人を追跡する役でキリアン・マーフィーが出演しています。ダニー・ボイル監督の28日後...、クリストファー・ノーラン監督のバットマン ビギンズインセプションのようなヒット作品にも出演しています。個人的にはケン・ローチ監督の麦の穂をゆらす風がお勧めです。 

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映画 3時10分、決断のとき(2007) 現代人のモラルに問いかけます

2012年03月16日 | 映画(数字、アルファベット)
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 日本のテレビ番組から次々と時代劇が消えてしまったが、アメリカの映画界では西部劇がすっかり下火になってしまった。確かに日本の時代劇はマンネリ化を感じさせ、誰も観なくなってしまうのは仕方ないような気がする。しかし、チョット不器用な男たちが自らの信念に従って行動する西部劇の主人公達の姿に熱い魂を感じる僕にとっては西部劇の衰退振りは少し残念。
 確かに日本の時代劇と同様に、西部劇と聞けば『古い』の一言で片付けられてしまい勝ち。しかし今回紹介する西部劇3時10分、決断のときは現代ハリウッドを代表する二大スターであるラッセル・クロウクリスチャン・ベールが主人公として共演しているだけでなく、あらゆる諸問題をお金で解決しようとする拝金主義に堕落しきった現代人に痛烈なメッセージを叩き込み、更には必死で自らの誇りを取り戻そうとする主人公の姿に観ている我々の心が揺さぶられる

 さて、簡単にストーリーを述べると南北戦争で片足を失ってしまったクリスチャン・ベールは所有している牧場の経営はサッパリで借金が重むばかりで、ついに立ち退きを命じられる。そこへ早撃ちのガンマンであり、多くの人々を殺してきた大悪党のラッセル・クロウを刑務所行きの列車へ乗せるための護衛の募集に、クリスチャン・ベールは借金を返すために応募する。
 果たして、護衛団の一員に加わったクリスチャン・ベールは刑務所行きの列車に、無事にラッセル・クロウを乗せることが出来るのか?ラッセル・クロウを狂信的なまでにボスとして仰ぐ強盗団からの追撃、そしてクリスチャン・ベールラッセル・クロウの2人の駆け引きが、サスペンスとスリル感たっぷりに描かれる。最後にクリスチャン・ベールの真意を知った時、どうして彼がそこまで自らの命の危険を冒すのかに驚き、感動の涙を流すわけだ
 もっと簡単にまとめると、超大物大悪党でありながらも実は非常に頭が良く、人生に屈折した感情を抱いているラッセル・クロウと、借金苦で首が回らなくなってしまいヤケクソで無謀なチャレンジを試みるお父さんのクリスチャン・ベールの2人の男のドラマ。
 最近はすっかり感動する事が無くなったと言う人、あるいは毎日を生きる意味がわからないと言う人にぜひお勧めしたい3時10分、決断のときを紹介します

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 南北戦争によって、片足を失ってしまったダン(クリスチャン・ベール)は妻と息子2人と牧場を経営しながら暮らしているが、地主や町の有力者達から嫌がらせを受けていて生活は苦しくなるばかり。
 ある日、ダン(ベール)はお金の交渉に街に出かけると、悪名高き強盗団のリーダーであるベン・ウェイド(ラッセル・クロウ)が逮捕される場面に出くわす。
 
 街の保安官はベン・ウェイド(クロウ)を刑務所に送るために、3日後のユマ行きの3時10分発の列車に乗せなければならないが、列車の駅へ向かうまでの道のりはベン・ウェイド(クロウ)を救出しようとする彼の部下の強盗団が待ち受けている。そこで保安官は護衛の人間を募集するが、生活苦にあえでいたダン(ベール)は借金を返すために自ら勧んで応募する。
 ダン(ベール)の他に、賞金稼ぎのバイロン(ピーター・フォンダ)、ベン・ウェイド(クロウ)率いる強盗団の被害に遭ってきた鉄道会社の重役グレイソン(ダラス・ロバーツ)、医者などで護衛団が形成されるが道中アパッチ族の襲撃、ベン・ウェイド(クロウ)の部下であるチャーリー(ベン・フォスター)の追撃によって護衛団たちは次々に死んでいく。
 次第に孤立無援化していくダン(ベール)は、ベン・ウェイド(クロウ)を3時10分発ユマ行きの列車に乗せることが出来るのか、否か?・・・とても熱いラスト近くの銃撃戦、結末は映画を観てください



 ショボイお金に群がる人々からモラルの欠けた人間たちの姿を見せ付けられ、ラストでは男の尊厳を感じることが出来ます。西部劇を題材に現代社会の問題を描き出してしまうハリウッド映画はやっぱり凄いです。
 ちなみに監督はジェームズ・マンゴールド17歳のカルテアイデンティティーなど良作を撮り続ける注目するべき監督です。

 強烈な悪にして、教養に溢れたベン・ウェイド役を演じるのがラッセル・クロウ。オレオレキャラの韓流スターのチャン・グンソクに負けず劣らずのオレオレキャラが似合うハリウッドの大スター。L.A.コンフィデンシャルグラディエーターがお勧め。
 立派なお父さんの姿を見せつけるダン役を演じるのがクリスチャン・ベールザ・ファイターの熱演がまだ記憶に新しいですが、彼の子役時代の主演作品であるスティーヴン・スピルバーグ監督の太陽の帝国がお勧め。アクション好きにはリベリオンが面白いです。

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映画 NARC/ナーク(2002) 謎解き映画が好きな人は必見

2012年01月14日 | 映画(数字、アルファベット)
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 タイトルを見て、普通の日本人はどんな内容なのかさっぱり想像できないと思いますが、NARCの意味は麻薬捜査官、密告者で一般的には使われない俗語。刑事2人がケンカしながら協力し合って事件を解決しようとする、よく見かける刑事映画。この手の映画の多くは、2人の刑事の軽妙なトークを楽しみ、最初は仲が悪い刑事2人が次第に篤い友情で結ばれていく様子に感動するパターンが多い。そんなパターンを期待して、NARC/ナークを観てしまうと、ちょっとショックを受けるかもしれない。ちなみに今回登場する2人の刑事はひたすら真面目な顔をしてギャグを言わない。

 ヒゲ面で見た目はお世辞にも格好良いと言えない刑事2人が、麻薬組織に潜入捜査中に殺害された刑事の犯人を探し出そうとするサスペンスと言うのが表向きの内容。しかし、この映画の凄いところは後半に起こる怒涛の二転三転する展開及びその過程。途中の伏線がしっかり張られており、非常に親切設計な作りのおかげで、記憶力の悪い僕が観ていても『ああ~、あのシーンはそういうことだったんだ』とごく自然に頭の中に入ってくる。

 そしてもう一つの見所として安い給料で命の危険に晒される刑事の仕事って決してカッコ良く無いし、本当に色々と大変なんだということがよく理解できること。刑事2人の心の苦しみ、悩み、葛藤が痛いほど伝わってくる。サスペンス、謎解き、人間ドラマとしてもお勧めできるNARC/ナークを紹介します

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 麻薬捜査官のテリス(ジェイソン・パトリック)は麻薬密売人を追いかけ、市民に危害を加えた逃亡者を射殺するが、流れ弾が一般市民も巻き込んでしまう。自責の念に駆られたテリス(パトリック)は辞職を決意するが、上司から復職の条件として同じ麻薬捜査官のガルベスが惨殺された事件の捜査を指示される。
 テリス(パトリック)の優しい妻は、夫が再び命の危険にさらされる職業に復帰することに猛烈に反対していたのだが、彼は責任感からガルベスの殺害事件の捜査を引き受けてしまう。

 テリス(パトリック)と一緒に捜査する仲間に、殺害されたガルベスとは大の親友であったオーク(レイ・リオッタ)と組むことになる。オーク(リオッタ)の捜査方法はとにかく荒っぽく、そして怒鳴り声がうるさい
 テリス(パトリック)とオーク(リオッタ)は最初はお互いを上手くいかない雰囲気が漂っていたが、捜査を進めていく中で次第に友情に近いものが生まれる。しかし、やがてテリス(パトリック)はオーク(リオッタ)の行動に不審な点があることに気付き・・・二転三転する怒涛の展開、衝撃の真実は映画を観てください



 麻薬捜査官ならきっとこんな辛い事があるかもと思います。この映画の結末は衝撃的というよりも、観ている側に深く切ない感情を抱かせます。

 ちなみに監督は最近は特攻野郎Aチーム THE MOVIEを撮ったジョー・カーナハン。相当記憶力の良い人にはスモーキン・エース/暗殺者がいっぱいが楽しめるか?と思います。

 市民を射殺したことに自責の念に駆られ、奥さんに危ない刑事の仕事に戻らないでとアドバイスされるテリスを演じたのがジェイソン・パトリック。今回はヒゲ面で格好良く見えませんが、ヒゲを剃ったら実はオトコマエみたいです。スピード2の主演、告発のときにも出演していました。

 そして親友のガルベスの弔いのために鬼のような形相と大きな怒鳴り声で犯人を見つけることに異常な執念を見せるのがレイ・リオッタ。あまりにも太っていたのが驚きでした。彼の代表作となるとグッドフェローズ、そしてシューレス・ジョーを演じたフィールド・オブ・ドリームスということになりますが、不法侵入の悪徳警官が印象的。そしてレクター博士シリーズのハンニバルのとても可哀相な姿は映画史上最も酷い役だったと思います。なかなか個性的な俳優さんだということがここに挙げた作品だけでもわかります。

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映画 JUNO/ジュノ(2007) 16歳で妊娠しちゃいました

2011年06月28日 | 映画(数字、アルファベット)
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 女性から面と向かって『私、妊娠しちゃいました』と言われることほど恐ろしいことはない。ましてやその女性がまだ高校生だったとしたら・・・こんな恐ろしいことは想像もしたくない
 しかしこんな恐ろしい出来事は現実問題として存在しているし、実際に僕の同級生の女の子も高校生の時に妊娠していたなあと思い出したりする。

 このようなリアリティ抜群の社会派作品の映画となると大変重たい内容を想像してしまうが、今回紹介するJUNO/ジュノは女子高生の妊娠というテーマを深刻ぶらずに、明るいノリで描いたコメディ。実際に気の利いた台詞も相まってかなり笑えた。

 女性にとって妊娠、出産というのは人生の大きな岐路。まさにこのことがこの映画の大きなテーマ。まだ精神的に子供の女子高生が全くの想定外だった妊娠をとおしての心境の変化、成長が描かれる。また女性にとって子供を持つことの意義を大いに考えさせられ、また男性がいきなりパパになってしまう事の戸惑いは実生活において経験がある人には思い当たる事のある人が居るだろう。

 大きなテーマは前述した女子高生の妊娠だが、主人公の妊娠の相手、家族、そして子供の居ない夫婦たちなど脇に登場する人物にも優しい眼差しが向けられ、全体的に家族の愛を感じさせるおおらかなドラマ。普通女子高生の妊娠と聞けば大事件のようだが、意外に冷静な?登場人物たちの行動が笑える。

 ちなみに監督はジェイソン・ライトマン健康に悪いとされる煙草の宣伝マンの奮闘振りを描いたサンキュー・スモーキング、失業率の高いアメリカ社会において、クビ宣告人としてアメリカ中を飛び回る男を描いたマイレージ、マイライフなど社会派コメディの分野において遺憾なく腕を発揮する監督。
 そしてジェイソン・ライトマン監督が超一流である事を証明したJUNO/ジュノを紹介します

JUNO/ジュノ <特別編> [DVD]
エレン・ペイジ,マイケル・セラ,ジェニファー・ガーナー,ジェイソン・ベイトマン
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 ある秋、16歳の女子高生であるジュノ(エレン・ペイジ)は同級生で陸上部のポーリー(マイケル・セラ)と興味本位でセックスしてしまったのだが、想定外の妊娠をしてしまったことに気付く。大した見映えでもなく、どこか鈍感でもあり、好きでもないポーリー(セラ)とのあの行為で妊娠してしまった。
 まだ高校生でもあるジュノ(ペイジ)は両親に妊娠したことを言い出せず、そして子供の世話をするだけの生活力があるはずも無い。彼女は親友のリア(オリヴィア・サールビー)にとりあえず相談してみる。ジュノ(ペイジ)は中絶するために病院に向かうが・・・結局、中絶を断念する。

 ジュノ(ペイジ)とリア(サールビー)は新聞で里親になってくれる夫婦を探していた。彼女たちは高級住宅街に住んでいるマーク(ジェイソン・ベイトマン)とヴァネッサ(ジェニファー・ガーナー)という仲の良い夫婦が子供を欲しがっていることを知る。

 ジュノ(ペイジ)は勇気を出して、父のマック(J・K・シモンズ)と後妻である母のブレンダ(アリソン・ジャニー)に妊娠したことを告げる。
 予想外の事を告げられたマック(シモンズ)とブレンダ(ジャニー)がショックを受け、相手がポーリー(セラ)と言うことを聞いてさらにショックを受ける。
 マック(シモンズ)はジュノ(ペイジ)から産まれた子供はマーク(ベイトマン)とヴァネッサ(ガーナー)の夫婦の元に里親として出すことを言われ複雑な心境に陥るが、彼はジュノ(ペイジ)のために協力することを約束する。
 ジュノ(ペイジ)とマック(シモンズ)はマーク(ベイトマン)とヴァネッサ(ガーナー)の夫婦の元に養子契約のために初めて顔を合わせにいった。
 お互いに話がかみ合わなかったが、契約は無事に終了する。

 冬になるとすっかりジュノ(ペイジ)のお腹が大きくなり、小さな命が宿っている事を実感した彼女は・・・これまで気付かなかった多くの大切な事とは何か?映画を観て確認してください



 女性が子供を産むとその瞬間に男よりも大人だと感じさせる。極めて女性の方が現実的に物事を考えることが出来るし、男性の方がいつまで経っても夢を見続け、現実に対して直視することを恐れる。この映画を観ると女性は偉大だと感じます。
 そういえばベルギー人のダルデンヌ兄弟監督のある子供を思い出した。この映画は20歳の夫と18歳の妻のあいだに赤ん坊ができるが、生活力の無いこの夫婦において男性と女性の子供に対する想いがある行動を通して決定的に違うことを感じさせる。テーマはJUNO/ジュノと重なるところがあるけれど、こちらはひたすら重苦しい。

 ちなみに妊娠した女子高生を演じたエレン・ペイジはクリストファー・ノーラン監督のインセプションにも出演していた売れっ子女優です。JUNO/ジュノが公開された時は既に20歳でしたが、見た目は16歳よりも若く見えたので後で実年齢を知って驚きました。
 心優しいお父さん役のJ・K・シモンズはあのスパイダーマンシリーズにおいて、とことんスパイダーマンを悪に見せようとする新聞編集局長を演じていた人です。
 友情、愛情、人生、家族なと大切な事を気付かせてくれて、大いに笑わせてくれるお勧めの映画です

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映画 L.A.コンフィデンシャル(1997) 欲望、権力、裏切り、傑作サスペンス

2011年03月31日 | 映画(数字、アルファベット)
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 アメリカという国は正義であるはずの警察と悪の代表であるマフィアがタッグを組んで一般市民の利益をむさぼっているのはもはや誰でも知っていることだが、そのような映画を挙げたらたくさんある。アル・パチーノ主演のセルピコは実在した刑事セルピコが警察内にはびこる腐敗に立ち向かう作品、他にもゴッド・ファーザーにもそのような場面は見られる。
 そんな警察とマフィアのつながりを暴き出し、それぞれの人間の欲望が絡み合った人間ドラマの傑作がL.A.コンフィデンシャルです。登場人物がワンサカ出てくるし、ちょっとしか出てこない人物も実は相当な重要人物であったりと最初から気合いを入れて観ないと、途中からストーリー展開に乗り遅れてしまう事になる。
 しかし、登場人物たちが個性的、格好良い、美女と揃っていて、見せ場もたっぷりだから少々理解出来なくても最後まで楽しめるのは確実だ

 ハリウッド映画というのは1940年代から1950年代の雰囲気を出すのが上手いから、非常にノスタルジックな気分に浸れる。この映画でも1950年代の街並み、刑事、風景が上手く描かれているしスタッフの努力がよくわかる。そして複雑なストーリーに、誰が誰だか理解しにくくなりそうだが目立ちたがりの俳優達の頑張りによって一級品の娯楽作品の評価を得ているのは、特に当時は無名に近かったラッセル・クロウガイ・ピアースの2人の頑張りに拠るところが大きい。

 マフィアの抗争から始まり、次第に警察内部の権力争い、マフィアと警察の黒いつながり、男女の欲望、利権争い、マスコミの卑しさ、友情と裏切り、そして謎解きと面白さが溢れているL.A.コンフィデンシャルを紹介します

L.A.コンフィデンシャル [DVD]
ジェリー・ゴールドスミス,ラッセル・クロウ,アーノン・ミルチャン,ケヴィン・スペイシー,キム・ベイシンガー
日本ヘラルド映画(PCH)



 1950年代のロサンゼルス、大物のマファイアである親分格であったミッキー・コーエンが逮捕されたことにより、マフィア幹部達が殺害される事件が発生する。マフィア内部での抗争の始まりだ。事件の捜査を始めるロス市警は背後に娼婦館の存在をかぎつける。

 そんなときにレストランで従業員やお客も殺害される事件が発生。被害者の中にはバド(ラッセル・クロウ)の親友の刑事も居た。

 ロス市警ではエド(ガイ・ピアース)を中心に捜査本部を立ち上げる。エド(ピアース)は出世に対する野心を持ち、出世のためには仲間の不正も告発する。そして今回の事件においても自らの手柄を立てようとしていた。
 そんな権力志向の強いエド(ピアース)と刑事こそ正義を唱えるバド(クロウ)は真っ向から対立する。

 バド(クロウ)は親友の殺された仇として独自に捜査を始めるが、その過程で知った娼婦のリン(キム・ベイジンガー)と知り合い恋に落ちる。またエド(ピアース)は捜査パートナーにジャック(ケヴィン・スペイシー)に協力を求める。しかし、ジャック(スペイシー)は裏金をもらってゴシップ記事専門の記者シド(ダニー・デヴィード)に情報をリークし、しかも俳優たちの演技のアドバイザーも兼ねているように正義よりも金の人間だ。

 そんな中でエド(ピアース)は犯人らしき黒人3人組を射殺、逮捕することに成功。そしてエド(ピアース)は見事に上司のダドリー(ジェームズ・クロムウェル)からも認められ昇進するが、事件の背後は更に複雑で・・・登場人物たちの欲望がぶつかり合って、意外な展開に導かれる内容はぜひ映画を観てください



 個性的な登場人物たちが一癖も二癖も感じさせる。ラッセル・クロウ演じるバドは母が父に殺されるという苦い思い出を抱えており女性に暴行を加える男を許せない。しかもメチャクチャ気が短く、直ぐに手が出てしまう。
そしてガイ・ピアース演じるエドは優秀な刑事だった父親が殉職しており、常に父を目標としており出世欲から一匹狼的存在になってしまう。父親を殺した犯人は未だにわからず、その事件を勝手に彼は・・・と名付けていたのだが、このことが事件解決につながる脚本の巧みさを感じます。
 ほかにも裏で記者と繋がってかなりうさんくさい刑事のジャックを演じるのがケヴィン・スペイシー。彼は本当に演技が上手いです。彼が最初に事件の真相を知ることになりますが、最初に知ってしまったために・・・その時の演技は素晴らしいです。
 そしてゴシップネタ記者としてジャックを利用して、そして裏社会に精通しているシドを演じるダニー・デヴィートは『ツインズ』や『バットマン・リターンズ』のペンギンのような人間離れした役には元々定評がありましたが、今回のきわめて人間的な役は、かなりまともに演技をしていました。
 そして男たちを惑わす娼婦役のキム・ベイジンガーは奇跡的と言って良いぐらい綺麗です。
 警察の偉いさん役のジェームズ・クロムウェルは背が高い。この人も色々な映画で観られる貴重な脇役さんでかなり風貌で得をしていますね。


 しかしロサンゼルスを舞台に欲望、不正、権力、利権まみれ、かなりグレー色に染まっている登場人物たちの行き着いた先は謎解き、サスペンス映画としても楽しめますが、重厚な人間ドラマも味わえる名作です。

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映画 Dr.パルナサスの鏡(2009) テリー・ギリアムのイマジネーションの凄さ

2010年09月10日 | 映画(数字、アルファベット)
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 最近は20世紀の映画ばかり記事にしています。このあたりで21世紀の映画も紹介しないと僕自身が現在の映画事情から遅れをとってしまいそうだ。

 映画監督に映像の魔術師と表現される人は何故かたくさん居るような気がするが・・・
 しかし、テリー・ギリアム監督は確かに映像の魔術師と呼ばれるに相応しい監督だと思う。
 今や名作と評価される未来世紀ブラジルのあのイマジネーションあふれる映像、そして観ている側を混乱させるようなストーリー展開とエンディング
 そんな彼の映画の特徴は他の作品にも見る事が出来る。
 未だ記憶に新しいところではブラザーズ・グリム
 タイトルから想像できるようにグリム童謡で有名なグリム兄弟を主人公にしたストーリーだが、グリム童謡の物語を色々と映像化した作品だが、映像表現の凄さはテリー・ギリアム監督らしさが存分に感じられるし、グリム童謡のファンにも面白い作品ではないだろうか

 他にもギリアム監督らしいラストシーンが印象的な12モンキーズ。聖杯伝説をテーマにした感動作のフィッシャー・キング。そして歴史上の人物で”ホラ吹き男爵”と呼ばれたミュンヒハウゼン男爵をモデルにしたまさにテリー・ギリアムワールド全開の映像が楽しめるバロンなどその作品群はコアな映画ファンからも評価が高く、僕も彼の映画は大好き
 
 そして今回紹介するDr.パルナサスの鏡がまさにファンタジー色豊かな映像、そして観客をあざ笑うかの様なストーリー展開はテリー・ギリアム監督健在を印象付ける。

 この映画はダークナイトでジョーカー役を演じたヒース・レジャー(ブラザーズ・グリムにも出ています)の急死により、製作中止の危機にさらされたが、そんなことをあざ笑うかのように、彼の代わりの役をジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの3人が代わりを演じるという奥の手を繰り出すことによって、ピンチを逆にイマジネーション豊かな作品に仕上げてしまったテリー・ギリアム監督のアイデアの凄さを感じる
 
 既に20世紀から活躍している監督であるが、もうすぐ70歳に手が届こうとしているテリー・ギリアム監督のファンタジー・・・Dr.パルサナスの鏡を紹介しよう

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 ロンドンにおいて、パルナサス博士(クリストファー・プラマー)率いる一座が見世物をにやって来た。 しかし、その見世物とは・・・?パルナサス博士(プラマー)の持つ鏡その鏡の中に入る事によって、自らの願望を叶える不思議な鏡であった
 パルナサス博士(プラマー)は、小人のバーシー(ヴァーン・J・トロイヤー)、そして3日後に16歳の誕生日を迎える娘のヴァレンティナ(リリー・コール)、そして密かにヴァレンティ(コール)に恋をよせるアントン(アンドリュー・ガーフィールド)の3人を連れて旅回りをしていたが、パルナサス博士(プラマー)には大きな悩みがあった
 それは娘のヴァレンティア(コール)が16歳になると悪魔であるMr.ニック(トム・ウェイツ)に引き渡す約束をしていることだった。

 すでにパルナサス博士(プラマー)は何世紀も生きており既に1,000歳を超えているのだが彼は悪魔のMr.ニック(ウェイツ)との賭けに勝ち、その報償に永遠の命を与えられた
 しかし、それはMr.ニック(ウェイツ)の企みであり永遠の命を与えられても、死なない人生の苦痛をパルナサス博士(プラマー)を感じていた


 
 その苦痛から逃れるためにヴァレンティア(コール)をMr.ニック(ウェイツ)に渡す日が3日後に迫っていることに大いに悩んでいたのだが・・・そこへMr.ニック(ウェイツ)が再び現れてきた
 再び賭けを要求してきたMr.ニック(ウェイツ)今度の賭けの勝負はヴァレンティナ(コール)が16歳になる3日後までに、鏡の中に入るお客さんを5人を呼ぶことだった

 果たして5人のお客さんを鏡の中に呼び入れることが出来るのか?タロットカードで占いをしていると逆さまに宙吊りされている人を表したカードが出てきた。これは何か不吉な予感がしていたパルナサス博士(プラマー)だったが、橋に首を吊られていた男を見つけて助ける
 その男は記憶が吹っ飛んでいたが、新聞で彼は恵まれない子供たちのための財団を経営していて社会に貢献しているトニー(ヒース・レジャー)であることを知るがその正体は・・・



 パルナサス博士(プラマー)はアントン(ガーフィールド)がヴァレンティナ(コール)を好いており、そしてヴァレンティナ(コール)がトニー(レジャー)を好んでいることを利用して2人にお客さんを集める競争をさせ、お客さんを呼び込んだ方に娘のヴァレンティナ(コール)と付きあわそうとするが、トニー(レジャー)には人を集める才能があった
 その才能を活かしてお客さんを鏡の中に連れ込むが、トニー(レジャー)も鏡の中に入ると彼の顔は鏡の中に入るたびに違う顔になっている

 あと1人鏡の中にお客さんを呼び込めば良いところまで来るが・・・テリー・ギリアム監督らしいストーリー展開は映画を観てください

 鏡の中のシーンにおける映像が凄い。これだけでも観る価値があるけれど、ストーリー展開は少しややこしい
 実はかなり西欧的な考えがこの映画には含まれており、悪魔との契約がこの映画のテーマになっている。
 善人に思えたトニー(ヒース・レジャー)だが、次第に化けの顔が剥がれていく見せ方はテリー・ギリアム監督らしいストーリー展開だ
 しかし、この観客を小馬鹿にしたエンディングが毎度のことだけれどもギリアム監督にやられた~と思わせるね
 個人的な印象ではティム・バートン監督のチャーリーとチョコレート工場と似ているが、テリー・ギリアムとティム・バートン監督の2人の作風は似ているね。

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映画 es[エス](2001) 実話を基にした実験

2010年06月21日 | 映画(数字、アルファベット)
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 世の中、恐ろしい実話の話はたくさんある映画というのは闇の実話の部分を知ると言ううえでは非常に役に立つ媒体の役割を果たしている
 最近観た父の祈りをと言う映画では実際にあった冤罪事件を扱っているが、冤罪なのに15年間刑務所で過ごしてしまう人生とは
 他にもセルピコと言う映画は実在の刑事を取上げた映画もあるが、汚職まみれのニューヨーク市警において正義感の強い刑事が、1人で警察内の汚職に立ち向かうストーリーだったがアメリカの警察の汚職を描いた映画はセルピコ以外にもたくさん見受けられる
 そして今回紹介するes[エス]は恐るべき人間を実験台にした映画この映画はドイツの映画だけれど、実際のモデルはアメリカのスタンフォード大学で行われた心理学的なスタンフォード監獄実験を基にしている
 果たしてどのような実験がスタンフォード大学で行われたのかは後で述べるとして、ちょっと僕もある実験を試したいと思う
 江戸時代、江戸城の大奥が舞台ちなみに僕が将軍の役をするとして、大奥にいる女性を世界中から100人ぐらい僕の好みの女性を選ぶ
 果たしてどのような事が起きるのか・・・
 ここから何の実験結果が得られるのかそして、このような舞台設定での実験に何の意味があるのか自分でもよくわからないけれど・・・
 それでは人間の隠れた本質を暴き出したes[エス]を紹介しよう
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 タクシーの運転手兼新聞記者のタレク(モーリッツ・ブライブトロイ)は新聞の広告を目にする
 それは被実験者を求める記事であり、拘束2週間、場所は大学の模擬刑務所、4,000マルク(?)という高額な報酬だった
 早速この記事を目にしたタレク(ブライブトロイ)は裏に何かがあることを感じ新聞記者における上司と相談してこの実験に参加する
 実験の場所に行くと、高額な報酬を目当てに参加している人間が多数いたが、最終的に20人が被実験者として残るもちろんその中にはタレク(ブライブトロイ)も居た
 そして、その20人は10人の看守役と10人の囚人役に分けられるタレク(フライブトロイ)は囚人役に選ばれた

 最初はみんなが気楽に話し合っていた仲だったのが、やがて看守役と囚人役で演技をするだけだと思われたのが、やがて看守役はそのまま役になりきり、反抗的な囚人役に対して暴力行為を起こすようになる
 この様子を見ていた教授たちは、このままでは取り返しの付かないことになりそうだったので、実験を中止しようとするが1番の責任者の教授はそのまま実験を続行する
 やがて看守役と囚人役で想像を絶する状態になり・・・この悲惨な実験の行方は、映画を観てください

 普通の一般人が役を与えられることにより、その役になりきってしまうこのような実験が実際に行われ、また人間の本質を暴きだした問題作と言えるだろう
 しかし、刑務所の看守役と囚人役に分けるという設定が悪すぎる看守役は徹底的に管理主義に考えが凝り固まってしまい、自分の任務をはたそうとするためには暴力も辞さない
 また囚人役は最初こそは看守役に対して反抗しつつも、次第に看守役の言いなりなっていく
 しかし、ラストはサスペンスタッチで描かれているのは映画として面白さを見せるためだと思うけれど、少し後味の悪さは残る最後の展開は少しやり過ぎだと思うのは僕だけかな
 ちなみに監督はヒトラー~最後の12日間~で世間的に賛否両論はあったと思うが、人類史上最大の殺戮者アドルフ・ヒットラーをあくまでも人間的な部分にまで突っ込んで描いたオリヴァー・ヒルシュビーゲル
 しかし、この映画を見ると人間の性格というのは本質的な物ではなく、経験から来る方が大きいように感じる

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映画 8 1/2(1963) フェリーニ監督自身の苦悩の映画

2010年02月28日 | 映画(数字、アルファベット)
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 僕の今まで観た映画の中で、フェデリコ・フェリーニ監督の存在は非常に大きな存在
 僕が彼の映画を初めて観たのがと言う映画
 この映画は名作だけれど、もしかしたらバンクーバーオリンピックでフィギュアスケート銅メダルを取った高橋大輔選手が、フリー演技でこの映画の音楽を使用したことから、更に有名になったと思う
 僕にはフェリーニの映画では、他に好きな映画はたくさんある
 例えば、青春群像ガビリアの夜は、最初に観た時から好きな映画
 これらの作品はフェリーニの初期の傑作作品だけれど、彼の後年の映画ではインテルビスタ、そして船が行くとか観たけれど、やっぱりヒューマン映画として、初期作品の傑作は僕の中では強烈過ぎて後期の映画はどうも好きになれない(彼の映画を全部観たわけではないけれどね
 まさに僕の好きなイタリア映画ネオレアリズモを代表する監督と言っていいし、ネオレアリズモを代表する映画が僕は大好きしかし、同じイタリアの映画監督、ネオレアリズモの代表的監督であるルキノ・ヴィスコンティが、いち早く夏の嵐のような華麗なる映画によって、いち早くネオレアリズモから脱却したような映画を発表しまたそのことに成功したが、そんなフェリーニ監督も脱ネオレアリズモを目指した映画が甘い生活であり、その脱却の苦しみを描いた映画が、今回紹介する8 1/2であるだろう。
 しかし、この映画のタイトルは変な題名だね実はこの映画はフェリーニ作品において、長編8作目、そして短編1作(1/2作)ということから付けられた題名です
 実はこの映画を観るのは2回目。それもはるか昔20年ぐらい前に観たこの映画名作という評判から観たのだが、実はあまりにも理解出来ない映画だったこの映画を観る前に既に『道』『青春群像』という2本のフェリーニ映画を観ていて楽しみにしてみていた映画だったのだが、あまりにも作風の違いに驚き、僕の苦手な過去や現在、現実と幻想が入り混じった映画で大混乱
 本当にこの映画の何処が名作がわからなかったけれど、今回は改めてDVDを買ってまで観たけれど・・・それではストーリーを軽く紹介しよう
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 映画監督のグイド(マルチェロ・マストラヤンニ)は、何かに怯えている
 恐ろしい幻想が彼の頭には浮かんでくるそんな彼は温泉に行くのだが、彼の頭の中は現在の愛人カーラ(サンドラ・ミーロ)の事、または理想の愛人像であるクラウディア(クラウディア・カルディナーレ)、そして妻のルイーズ(アヌーク・エーメ)の事が頭に浮かんでは消えていく
 しかし、映画プロデューサーの圧力が更にグイド(マストラヤンニ)を苦しめる次作の映画の脚本、そして出演者が決まっていないのだ
 彼はアイデアを求めて教会に出向き神父に会いに行くが、そこでも彼は幼少の頃太った乞食の叔母さんと踊って神父から怒られた苦い経験を思い出すだけだった
 やがて、脚本、出演者は決まっていないが豪華セットは勝手に出来上がっていく更にまだ完成するしていない新作映画の記者会見が行われようとしている・・・
 はっきり言って新作など全く出来上がっていないのに記者会見とは
 恐れをなして、記者会見から逃げ出そうとするグイド(マストラヤンニ)だったが・・・映画史上最も感動的なラストシーンは映画を観てください

 初めて観たときは、さっぱり意味のわからない映画だったけれど今回見直すと意外に面白い映画白黒映画だけれど、フェリーニ監督のイマジネーション溢れる展開、それと今観ても、大胆なカメラワークなど映画として魅せるシーンがたくさんある
 監督がスランプに陥り、そのスランプを紛らわすのに女性に活路を見出沿うとするストーリー自体は大したことは無いけれど、このラストシーンへ持っていく伏線が良いね
 ちなみにもうすぐNINE(ナイン)と言う映画が公開される(3/19)
 この映画のキャストが凄いダニエル・デイ・ルイス、ニコール・キッドマン、ペネロペ・クルスそしてソフィア・ローレン
 このNINE(ナイン)というタイトルから想像できるが、どうやらこの映画は8 1/2 を思わせるような映画みたいだ
 是非NINE(ナイン)を観る前に、今回紹介した8 1/2を観てください 

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映画 12人の怒れる男(2007)  ロシア版12人の怒れる男

2010年01月19日 | 映画(数字、アルファベット)
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 僕の大好きな映画にシドニー・ルメット監督のアメリカ法廷映画の12人の怒れる男がある
 まさに古き良きアメリカの正義と民主主義が描かれた素晴らしい映画ほとんど密室内での状況を描きあのラストシーンの開放感は観ていて、息苦しさから解放された気分になったものだ民主主義国家でないと製作されなかった映画であるが、しかしこの映画のリメイクをまさかロシアが製作すると聞いた時は驚いた
 ロシア版12人の怒れる男の監督はソ連(現ロシア)時代からアンドレイ・タルコフスキーと並び称される監督であるニキータ・ミハルコフ
 彼も数々の名作を撮っているが、残念ながら今まで彼の映画は機械仕掛けのピアノのための未完成の戯曲という長ったらしいタイトルの映画しか観たことがない
 この映画が群集劇でブルジョワ批判を取り入れた非常にコメディータッチな映画で面白かった彼の映画で他にもみたい映画がいっぱいあるね例えば、『黒い瞳』『ウルガ』『太陽に灼かれて』などVHSレンタルの時にはあったのにDVDになったら観る機会を逃してしまったようだ。あ~あ!もったいない
 それにしても、僕はリメイクされた映画は嫌いなのだがこの映画はアメリカを現代のロシアに置き換えた点で非常に深みのある映画になっている
 大体のストーリーはアメリカの『12人の怒れる男』と同じだが、ロシア版になると現代のロシアが抱える問題が、この映画に深刻なテーマとして盛り込まれている
 まさにアメリカ版が民主主義の宣伝映画とするならば、ロシア版はロシアという国家が抱える問題を世界に訴えた宣伝映画の違いがある
 それではチェチェン紛争を取り入れたロシア版12人の怒れる男を紹介しよう

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 チェチェンの青年が叔父を殺したと思われる裁判が行われている証拠品及び証言から青年が叔父を殺したことは明らかのように思われる
 12人の陪審員たちは裁判所の隣にある学校の体育館で審議をすることになる12人の陪審員達は携帯電話を取上げられ、しかも体育館から出られない状況で審議が行われる

 青年が有罪と判断するには12人の陪審員たち全員が有罪に賛同しなければならないしかし、1人でも無罪を主張する人物がいればとにかく全員一致で決まるまで無罪か有罪かの議論が永遠と続くのであるしかし、審議は簡単に全員一致で有罪で終わると思われたのだが・・・

 しかし、1人の人物が自信はもっていなかったが青年を無罪だと主張したその人物が言うには1人の青年が何の議論もされずに簡単に有罪にして一生刑務所暮らしにしても良いのか(ロシアには死刑制度がない)と訴えるのである
 最初は無罪を訴えていた人物が1人だけだったのが、やがてこの12人の陪審員たちは自分の過去を振り返りながら、朝まで時間が掛かり結局はこの青年は全員一致で無罪になり、さらにこの青年の叔父を殺した人物像まで追求してしまうのである
 長い審議の結果、青年は無罪になるがロシアの諸問題はこの青年を刑務所から出所させるだけでは済まないのであるが・・・続きは映画を観てください

 この12人の陪審員は非常に個性的であり、ロシアの問題を抱える人物が揃っている例えばユダヤ人に対して偏見を持っており外国人嫌いの人物、過去に自分の人生に絶望しながらも今は会社を立ち上げ、ロシア国内だけでなくグローバルに展開する会社の社長、そして闇社会に詳しい人物、現在のロシアの体制に疑問を持つ人物など様々な視点からロシアの抱える諸問題が浮かびあがってくる

 そして叔父殺しの裁判をかけられている青年も、チェチェン紛争によって孤児となり、ロシア軍の叔父に助けてもらうシーンなど、その青年の背景も映画の中で台詞ではなく、映像で説明されているのが、オリジナルのアメリカ版『十二人の怒れる男』と最も異なるシーンだろうそして、アメリカ版は狭い密室でのやり取りに息苦しさを感じるが、ロシア版は広い体育館で議論が行われ、12人の役者たちがダイナミックに演じていて、その演技はオーバーに感じるぐらいだ

 そしてアメリカ版では少年の無罪の結果が出れば全て解決という雰囲気だったが、ロシア版になると青年の無罪が決まっても、そこからが大きな問題をロシアという国は抱えていることを観ていてわかる事になる
 
 アメリカ版の『十二人の怒れる男』の単なるリメイク映画かと思って観ると良い意味で裏切られる事になる
 映画好きの人には僕もだけれどリメイク映画が嫌いな人が多いけれど、この映画は単なるリメイクでは済まされない迫力、社会問題を取り入れた紛れもないロシア映画です

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映画 7月4日に生まれて(1989) ベトナム戦争とは何だったのか・・・?

2010年01月14日 | 映画(数字、アルファベット)
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 ベトナム戦争をきっかけにアメリカは何を信じたら良いのかわからなくなってしまった
 アメリカ映画にベトナム戦争を扱った名作は多数あるが、そのベトナム戦争に対する想いを、映画として表現している監督はやはり、オリバー・ストーンだろう
 彼がベトナム戦争に従軍した時の経験を活かして監督をしたプラトーン以降、堰を切ったかのようにベトナム戦争を題材にした映画がたくさん作られる
 ハンバーガー・ヒルスタンリー・キューブリック監督フルメタルジャケットそして、ブライアン・デ・パルマ監督カジュアリティーズなど、米軍兵士の戦場における残虐性を描かれた映画が他にもたくさん生まれた
 しかし、一方ベトナム戦争中のアメリカ国内においてはどうだったのかまた、ベトナム戦争に、正義を感じて行ったアメリカ兵士たちはどうなったか
 実はその事をよく表している映画にシルヴェスター・スタローンランボーに見ることが出来るあの映画はアクション映画として評価されている部分があるが、僕には社会派映画に思う
 ベトナム戦争から撤退した事によってランボー(スタローン)はアメリカに帰ってくるが、結局はアメリカ国内において彼らは社会復帰できず、しかも町の保安官から不審者として扱われるそして、ランボー(スタローン)は結局ベトナム戦争と同様にジャングルでの生活を選ぶまさにベトナム戦争に行ったアメリカ兵士達の末は無事に帰ってきても結局はジャングル暮らしに戻されてしまう社会だったのだ
 しかし、負傷したアメリカ兵士がベトナム戦争から帰ってきた場合を描いているのが、今回紹介する7月4日に生まれてになるのだろう
 ベトナム戦争に参加することの見返りは、単なる勲章バッジしかなかったアメリカのすることは全部正義だと信じていた事が、もろくも崩れ去った瞬間を描いたのが7月4日に生まれてだろう
 監督はプラトーンと同じオリバー・ストーンだが、プラトーンでは、あくまでベトナム戦争の戦場の卑劣さを描いたが、今回はベトナム戦争映画と言っても、実は戦場のシーンの時間はそれほどない
 ベトナム戦争前後の時代の変化を見事に描いた名作7月4日に生まれてを紹介しよう
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 アメリカ独立記念の日(7月4日)に生まれたロン(トム・クルーズ)は少年の時に野球や戦争ごっこをしている愛国心溢れる少年だったそして彼はテレビでジョン・F・ケネディが演説しているのを家族で聴いている
 そして母からロン(クルーズ)はロンが将来においてこのような演説をしている姿を見るのが夢だと聞かされる
 やがてロン(クルーズ)は高校生になり友人たちが大学生に行く希望を持つものが多い中、彼は学校に来た海兵隊員(トム・べレンジャー)の話を聞いて、自分もアメリカのために海兵隊に入隊することを決意する
 1967年において、ロン(クルーズ)はベトナム戦争に身を投じていて、軍曹として部隊を指揮する立場の人間になっていた

 ある時ロン(クルーズ)の部隊はベトナム人の村を襲ったが、そこは人民が住んでいる村であり、普通の人を殺したことにロン(クルーズ)はショックを受ける
 しかも、その時にベトコンがロン(クルーズ)の部隊を襲ってきたすっかり混乱してしまったロン(クルーズ)は誤って味方の兵士であるウィルソンを撃ち殺してしまう
 彼は罪の意識に悩まされるが、上官からベトナム人民を殺戮したこと、そして味方のウィルソンを撃ち殺した事を口外しないように注意を受ける
 そして1968年1月においてロン(クルーズ)の部隊はベトコンから急襲を受け、ロン(クルーズ)は脊髄を撃たれ、命は助かるが胸から下は完全にマヒ状態になってしまう
 そんな軍隊の病院でロン(クルーズ)は、現在アメリカではテレビで反戦デモ公民権運動が起こっていることを知る
 1969年にロン(クルーズ)はついに故郷へ帰ってきたしかし、彼の姿は車椅子の状態だった
 彼は高校時代の恋人のドナ(キーラ・セジウィック)に会い、そして彼女の通っている大学に行くとそこでは学生デモが起こっている
 今やアメリカ国内においては反戦デモの嵐またロン(クルーズ)自身もアメリカの正義のためと信じて疑わなかったベトナム戦争に行ったにもかかわらず、ロン(クルーズ)は周りから非難の的になってしまい、自暴自棄になり酒に溺れるようになる

 そんな自暴自棄になった彼は父親の勧めもあり、メキシコへ旅立つ
 そこで彼は自分と同じくベトナム戦争によって負傷して車椅子生活をしているチャーリー(ウィレム・デフォー)と出会う
 メキシコでのロン(クルーズ)の生活も自暴自棄なものであったが、チャーリー(デフォー)のアメリカは自分たちを見捨てたという台詞にロン(クルーズ)とチャーリー(デフォー)は衝突するが、その事はロン(クルーズ)にとって現在も継続中のベトナム戦争が間違っている事に気付く
 そして彼はアメリカに帰ると、ベトナムの戦場で味方なのに殺してしまったウィルソンの両親の住んでいるところに行くそこには両親と彼の妻と産まれたばかりの赤ん坊がいた
 ロン(クルーズ)はウィルソンの死んだ本当の理由をウィルソンの両親に語る彼には自責の念で涙ながらに話すが、逆にウィルソンの両親から慰められる
 
 そして共和党大会においてニクソン大統領が演説しているそこでの演説はベトナム戦争は正義の戦いであるかのような演説であるが、ロン(クルーズ)は車椅子で共和党大会に乗り込む、マスコミに自分の姿をさらけ出す
 そしてロン(クルーズ)は叫ぶ戦争をやめろ、ベトナムのブラザーを殺すな、北爆をやめろ今や反戦デモの先頭に立って抗議するが・・・続きは映画を観てください

 それにしてもアメリカは多くの若者をベトナムに送り込んでたくさんの命を犠牲にしてきたアメリカ人にとって遠く離れたベトナムへ戦争に行くことの重要性は何もない敗戦濃厚にも関わらず、必死でその事を隠し、アメリカ国民の感情を煽りベトナムへ若者を送り続け、多くの犠牲者を出す

 しかし、アメリカはそんなベトナム戦争での経験がまるで活きなかったように前ブッシュ大統領によるイラク戦争を起こしてしまう
 前ブッシュ大統領のイラク侵攻の目的は大量破壊兵器の存在を挙げて正義の戦いを訴えたが、結局大量破壊兵器等は見付からず、フセイン大統領を捕らえて死刑にした事ぐらいしか有益なことはなかった
 
 イラク戦争によって多くのアメリカ人の命は失われ、フセイン大統領の圧政に苦しむ人々を解放するという名目も、実際にはフセインのいなくなったイラクはテロリストの温床地となっていまい、同時多発テロの9.11事件の悪夢を払拭できなかった
 しかもイラクは自爆テロが多数おき、治安が悪化してしまう結果に
 本当に何のためにイラクを攻撃したのかわからない
 実はこの映画はベトナム戦争という今やイラク戦争の影に隠れてしまった感もあるが、このような反戦映画は時代を問わずに色々なことを僕たちに問いかける僕はプラトーンよりも7月4日に生まれての方が僕は好きです

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映画 4ヶ月、3週と2日(2007) ルーマニアのチャウシェスク大統領の独裁政権下の緊張が伝わる映画

2010年01月05日 | 映画(数字、アルファベット)
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 最近、フィンランドやオーストリアなど観たことも無い国の映画を観る機会が増えてきたちなみに今回はルーマニアの映画を観た
 ルーマニアと言えば、やはりチャウシェスク大統領による共産主義国家の独裁政権
 今はルーマニア革命により世界的な流れで民主化された国家になったが、このような共産主義国家が民主化された時に、実は面白い映画が次々に出てくる
 ドイツにおいては東西にドイツが分断されていた時にはわからなかった事が、ベルリンの壁崩壊を経て、映画ではヒットラー/~最後の12日間~や、グッバイ、レーニン!善き人のためのソナタと言った恐ろしき東ドイツの実態が描かれた映画や、ヒットラーを主人公にした映画が出てきた
 また第二次世界大戦が終了した1950年代のポーランドにおいては、アンジェイ・ワイダ監督
が、ソ連(現ロシア)ドイツの侵攻を受けた歴史を灰とダイヤモンド地下水道のようなレジスタンス映画を撮り、ポーランド映画の名作を世界に知らせることになる
 そういう意味では殆ど知られてなかったルーマニア映画は、今回紹介する4ヶ月、3週間と2日でルーマニアのチャウシェスク大統領独裁政権下の社会を描いたこの作品によって広く知られるようになり、これからたくさんのルーマニア映画を観ることができると思う
 ちなみにこのタイトルの意味は、この映画に出てくる主人公の女性の1人が妊娠してからの経った月日を表しております
 それではストーリーを紹介します
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 1987年、ルーマニアのチャウシェスク政権において
 女子大生のオティリア(アナマリア・マティンカ)とガヴツァ(ローラー・ヴァシリウ)は寮のルームメイトしかし、この日は何故かオティリア(マティンカ)は忙しそうにしている
 オティリア(マティンカ)は寮の女の子たちから煙草と引き換えに色々なものを収集していた
 オティリア(マティンカ)は大学へ向かい恋人のアディと出会うアディはオティリア(マティンカ)に今晩は母の誕生日だからプレゼントを持って家に来てくれと頼むが、オティリア(マティンカ)はアディの言葉に対して、真剣に考えていないそれどころか最初は断るが、結局彼女はアディの家に行くことを約束する
 その後、オティリア(マティンカ)は予約していると思われるホテルに行くが、何かの手違いで予約が入っていなかった
 それでもオティリア(マティンカ)は別のホテルを予約するそのホテルを予約した理由は寮のルームメイトのガヴツア(ヴァシリウ)が妊娠していて、そのホテルの部屋で中絶するためだった

 最初は病院へ行けば良いのにと思うのだが、チャウシェスク大統領政権の基で実は中絶は違法である

 オティリア(マティンカ)はガヴツア(ヴァシリウ)のために中絶をしてくれる医者とタクシーで話すとオティリア(マティンカ)はガヴツア(ヴァシリウ)の姉ということになっていた
 そしてガヴツア(ヴァシリウ)は予約したホテルの一室で中絶することになるが、医者は当初は妊娠2ヶ月と聞いていたのだが、よく聞いてみると実は4ヶ月を過ぎていた医者も中絶の助けをすることは重い刑を受けることになるため、医者は彼女たちと取引きをする
 その取引きとは・・・ネタ晴らしはしません

 やがて医者との取引きが終り、オティリア(マティンカ)はガヴツア(ヴァシリウ)の数々の嘘に、そして事態を軽く考えている事に苛立ちを感じる
 そしてオティリア(マティンカ)はガヴツア(ヴァシリウ)を部屋に独りにしておいて、彼女は恋人のアンディの所へ彼の母親の誕生日会に向かうが・・・
 アンディはオティリア(マティンカ)の様子から、何かおかしいと感じるが、オティリア(マティンカ)は恋人のアンディにも悩んでいる理由を話せなかったそしてオティリア(マティンカ)はホテルにいるガヴツア(ヴァシリウ)の部屋に電話をするが、ガヴツア(ヴァシリウ)は電話に出ない心配したオティリア(マティンカ)は泣き叫びながらアンディの家を出て行く
 そしてオティリア(マティンカ)がホテルのガヴツア(ヴァシリウ)の部屋に入ると、彼女はベットで寝ていて、赤ん坊の死体が風呂に捨てられていたオティリア(マティンカ)はホテルを脱出して袋に詰め込んだ赤ん坊の死体を捨てに夜の街をさまようことになるが・・・続きは映画を観てください

 この映画を観ていると、ルーマニアの人は常に番号の書かれたカードを持っていることに気付くホテルに泊まる時もこの番号の書かれたカードをフロントに提出しないといけないようだ
 そしてこのルームメイトの女子大学生の2人は性格が正反対妊娠してしまったガヴツア(ヴァシリウ)はいいかげん、そしてオティリア(マティンカ)の方は真面目で、いいかげんなルームメイトのために緊迫した1日を過ごすことになってしまう

 一瞬妊娠、中絶の問題を扱った映画のように思えるが、実はチャウシェスク独裁政権における違法の中絶をめぐって、追い込まれていく女性のストーリー
 人間の表情をとらえるカメラワークがこの映画にスリル感をもたらす
 それにしてもこの主人公の女性にとっては悪夢のような一日どうしてこのような問題に巻き込まれてしまうのか人生は何処に不運な出来事が起こるかわからないね

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映画 SWEET SIXTEEN(2002) 痛切な青春映画

2009年12月27日 | 映画(数字、アルファベット)
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青春映画はちょうど僕が青春時代の時に、アメリカ映画においてたくさんあったもうすっかり、おばさんになってしまったデミ・ムーアは、ゴースト/ニューヨークの幻で大スターになったイメージが大半の人は持っているみたいだけれど、僕にはセントエルモスファイアーの青春映画の彼女が好きだった
 他にもフランシス・F・コッポラ監督の当時のヤングスターたちが総出演したアウトサイダーランブルフィッシュ、そして切ない三角関係の恋愛模様を描いた恋しくてなど、情熱、若さ、恋愛を描いた映画が多かった

 しかし、僕が本当に楽しめた青春映画となると、前述した熱い青春映画ではなくて、どこか飄々とした面白さがあったストレンジャー・ザン・パラダイスや、もっと古い映画になるとフェデリコ・フェリーニ監督青春群像のような無気力な青年たちを描いた作品に惹かれる

 そして今回紹介するSWEET SIXTEENだが直訳すると甘い16歳という意味で、いかにも楽しい青春映画が観られるのかと思うが、監督はイギリス人のケン・ローチ
 麦の穂を揺らす風では、イギリス人には触れたくないはずのアイルランドの内戦を運命的な兄弟を通して、暗にイギリスがもたらしたアイルランド国内の苦しみを描き、最近もやさしくキスをしてでは、パキスタン人移民の子供であるイスラム教の青年とカトリックの女性の宗教的価値観から2人の恋愛が冷ややかな視線でイギリスの世界を表現し、そしてこの自由な世界ででは不法労働者を雇用することの違法に対して、イギリスの労働環境を批判した映画を作った、左翼的社会派映画監督のケン・ローチがただの青春映画を撮ることは無い
 才能があっても学校へ行けない青年たちが存在するイギリスの実態を描いたSWEET SIXTEENを紹介しよう
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 もうすぐ16歳の誕生日を迎えるリアム(マーティン・コムストン)は仲間のピンボール(ウィリアム・リアン)と学校にも行かずに煙草を売って、その日暮らしの生活をしている

 しかもリアム(コムストン)の家族事情は複雑だ実の父親は出てこなくて、母のジーン(ミッシェル・クルーター)は恋人のスタン(ゲイリー・マコーマック)が麻薬の密売人で、リアム(コムストン)は将来父親になるかもしれない、スタン(マコーマック)を嫌っている
 そしてリアム(コムストン)には子供が1人居る姉のシャンテル(アンマリー・フルトン)がいるが、彼は姉と仲が良いのだが、姉のシャンテル(フルトン)は母のジーン(クルーター)の事を嫌っている
 母のジーン(クルーター)はスタン(マコーマック)の麻薬の罪を被って刑務所に入っている

 しかし、そんな家庭環境にありながらリアム(コムストン)は母のジーン(クルーター)と姉のシャンテル(フルトン)とその姉の子供の4人で暮らすことを夢見ていた
 ある日リアム(コムストン)は海が見渡せる場所でを将来母のジーン(クルーター)や姉のシャンテル(フルトン)と暮らせる家を見つける
 とりあえずその家の権利書(?)を手に入れるが、彼は煙草売りよりも、手っ取り早くお金を手に入れる方法を考えた
 それはスタン(マコーマック)が売りさばいている麻薬を自ら売る事だったリアム(コムストン)は仲間のピンボール(リアン)と2人で麻薬を売りさばこうとするが、麻薬を売るのにも縄張りがあり、彼らが売りさばいていた場所は悪名高いビッグ・ジェイの縄張りであり、リアム(コムストン)はビッグ・ジェイから痛めつけられる
 しかし、リアム(コムストン)は逆に麻薬商売における頭脳とガッツでやがてビッグ・ジェイの手下として働くことになり、そしてビッグ・ジェイから貸し家の高級アパートをお金が貯まるまで住む事になるしかし、その事がピンボール(リアン)との親友同士の絆が崩れる事になる
 そして、やけになったピンボール(リアン)はリアム(コムストン)が家族で住む事を夢見た家を燃やしてしまい、そして自らに刃を突きつける
 やがて母のジーン(クルーター)は出所し、そして彼女と仲の悪かった姉のシャンテル(フルトン)たちと出所パーティーを開き、家族が集まった事に喜びを感じるリアム(コムストン)だったが・・・続きは映画を観てください

 それにしてもこの映画の主人公であるリアム(コムストン)は家族想いの好青年だそして彼は頭が良いのだがついに、闇社会に深く突っ込んでしまうその頭の良さを犯罪に使ってしまう人間が多いのは日本でも同じだし、世界中でも残念なことにそのような人間が多い

 そして悲しいのはこの主人公のリアム(コムストン)が16歳の誕生日を迎えようとしている時に、過酷な運命に引きずり込まれる
 15歳から16歳と言えばまさに夢や希望に満ち溢れている時期だこの映画の示すタイトルのSWEET SIXTEEN(甘い16歳)とは、ずいぶん皮肉なタイトル
 この主人公のリアム(コムストン)は殴られ、蹴られるシーンが多々あるまさに傷だらけの青春アメリカ映画に出てくる楽しそうなハイスクール生活なんかワンシーンも出てこない

 ケン・ローチは社会派映画を撮ってきているそれも、イギリスの諸問題をダイレクトに描き出す彼の映画は、まさに将来において日本が抱える問題を描いているから彼の映画を観ていると他人事では済まない気分になる
 日本という国はまさに欧米諸国の問題を後から追っていることを感じるのは僕だけかな今や日本も麻薬に犯されている国であるだけに、この映画を観ていると日本の将来に不安を感じてしまうのは僕の思い過ごしかな

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映画 A.I.(2001)  時空を超えて母の愛を求める

2009年11月09日 | 映画(数字、アルファベット)
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 近い将来、人間の知能を持ったロボットが生まれそうな時代を予見したようなアイザック・アシモフの短編小説がわれはロボット
 そんな小説の映画化された作品にアイ、ロボットというウィル・スミス主演の映画があったが、非常に面白い映画だった人間とロボットが共存する世界考えてみるだけでワクワクする世界だけれど、一方でロボットが人間の言うことを無視したときの恐ろしさも描かれていた
 そして、今回紹介するA.I.だが、こちらは殆ど姿は人間と変わりが無いようなロボットが出て来る
 そんな人工ロボットを通して、人間の愚かさ、逆に人類の凄さが描かれているが、内容的にはと思わざるを得ない
 原案がスタンリー・キューブリックということだけあって、流石に考えさせられるロボット映画になっているが、ロボット少年が母の愛を求めて人間になりたがっている内容だが、感動もしなければ、腹も立たない中途半端な映画になってしまった
 監督はスティーヴン・スピルバーグだが彼の監督としての能力を持ってしても、キューブリック原案のこの映画を感動的な映画にすることが出来なかった
 本当にキューブリックが生きていたらなあと思わざるを得ない
 しかし、2000年という永い時空を超えてまでも子供型ロボットが母の愛を得たいとするこの壮大な?映画A.I.を紹介しよう

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 ロボットが人間の雑用をこなしている時代。そのロボットは姿は人間そっくりそして、更なる進化を遂げた人間の愛情を持った少年型ロボットが誕生した
 それはデイビッド(ハーレー・ジョエル・オスメント)と名付けられたロボットがその開発者であるヘンリーとその妻のモニカ(フランセス・オコナー)のもとに引き取られるようになった
 実はこの夫妻には難病に罹ってしまったマーティンと言う息子がいるのだが、その悲しみを癒すためデイビッド(オスメント)という子供型ロボットを引き取ることになった
 そしてモニカ(オコナー)はデイヴィッド(オスメント)に母をすなわちモニカ(オコナー)永遠に愛し続けるプログラミングをデイヴィッド(オスメント)に伝達する
 しかし、奇跡的にマーティンは元気になったそうなるとデイビッド(オスメント)の存在がヘンリー夫妻には複雑な存在になってしまった
 しかも、マーティンはデイビッド(オスメント)を苛めるその結果、マーティンは死んでしまう
 モニカ(オコナー)はデイビッド(オスメント)と熊型のロボットテディと一緒に嫌がるデイビッド(オスメント)を森に捨てるデイビッド(オスメント)は必死でモニカ(オコナー)に人間らしくするからと願うが・・・

 そんな時、ジョー(ジュード・ロウ)という、女性を悦ばす専門のロボットと出会う 廃棄処分になったロボットが捨てられ、その廃棄されたロボットの部品を取ろうとする壊れかけのロボット達
 デイビッド(オスメント)とジョー(ロウ)はそんな他のロボットたちを見ていると、ロボット狩りにでくわしてしまった
 今や人間たちはロボットの存在を否定しはじめ、ついにロボットを抹殺しようとしているようだ
 デイビッド(オスメント)とジョー(ロウ)はロボット破壊のショーに出させられる怖がるデイビッド(オスメント)だったが、観客はデイビッド(オスメント)の姿があまりにも人間のように見えて、しかもまだ子供のような姿をしていたため、騒ぎが起こる


 その騒ぎに乗じてデイビッド(オスメント)とジョー(ロウ)は逃げ出すことに成功するが、デイビッド(オスメント)は人間になるために、ピノキオのストーリーでピノキオを人間にした青い妖精を探す旅にジョー(ロウ)とテディを巻き込みながら、海底に沈んだマンハッタンに青い妖精を見つけ、デイビッド(オスメント)はひたすら青い妖精に人間になりますようにとひたすら願いをかけるが・・・ついにデイビッド(オスメント)はエネルギー切れ
 そして、それから2,000年の時を経て世の中は氷河期に入ってしまっていたそこでデイビッド(オスメント)は自分より更なる進化したロボット(人間?)によって生き返り? デイビッド(オスメント)は母親?のモニカ(オコナー)と出会うことを未だに願っているが・・・
 続きは映画を観て下さい

 本当はデイビッド(オスメント)という子供型ロボットを通して、2,000年という永い時空を超えた愛を描くつもりが、どうも観ている側を騙せないような都合の良いラストシーンを無理矢理ひねりだしたような映画になってしまった
 全く感動しない映画になってしまったからねしかも、ロボットに感情移入させようという試みも失敗に終わっている人間の愚かさを描くつもりが、途中で人間賛歌に変わってしまったのが感動が薄れてしまった原因か
 それにしてもスピルヴァーグ監督もちょっと最近の映画はちょっと変だねキャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンにしても、宇宙戦争そして極めつけはインディーズ・ジョーンズシリーズの4作目を監督してしまったこと
 あまりにも短絡的な映画を撮りすぎているねここら辺でミュンヘンや、シンドラーのリストのような、本当の人間ドラマを撮って欲しいね

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