褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 TIME/タイム(2011) 寿命イコールお金の世界が笑えます

2012年12月19日 | 映画(数字、アルファベット)
 世界中の資本主義国家に襲いかかる不況の波。しかし、不況でもビクともしないどころか、さらに金を巻き上げて私腹を肥やす大富豪がいるかと思えば、今日を生きる糧を探すのに必死になっている貧乏人もいる。大方の人は後者だと思うが、ちなみに俺も当然のごとく後者の人間。常々俺はこの世の中、平等にお金が分け与えられる世界だったら良いのにと思っているのだが、なかなか人生は俺の思うようにならない

 そんな格差社会をもたらす資本主義を大いに皮肉った映画が今回紹介するTIME/タイム
 しかし、一瞬社会派の小難しい経済の内容かと思われるが、世の中のしくみが通貨イコール寿命という素っ頓狂なアイデアが笑える映画。すなわちバスを乗るのにおカネを支払うのではなく、自分の持っている寿命を支払うのだ。例えばバスを乗るのに寿命の内、30分ぐらい支払ったり、他にも例え話を挙げると、フランス料理を食うのにお金ではなくて、持っている寿命の3日分を支払ったりする。この場合、寿命を1日分しか持っていない人は当然フランス料理は食えない。
 大富豪は時間を有り余るほど持っていて、貧乏人は時間無し。まさに時は金なりの諺を地で行くストーリーが楽しめるSFアクション映画だ。

 さて、世の中お金による通貨の概念はなく、自らの寿命を売り飛ばしたり、激しく奪い合ったりする世界観とは如何なるものか
 遺伝子操作によって人間の成長が25歳で止まり、そこから等しく一日の余命を与えられる。そして、その瞬間から人々の腕には、何年何日何時間何秒と寿命時間が刻まれる。
 常に朝起きた時に余命24時間しか持っていない若者であるウィル(ジャスティン・ティンバーレイク)はスラムゾーンで住んでいる。
 毎日、彼は重労働で寿命時間を稼ぎ、そして他人と触れ合って寿命時間をもらったり、あげたりしているが、スラムゾーンの中には他人に襲い掛かって寿命時間を力づくで奪い取っている者も居た。
 そんなある日において、ウィル(ティンバーレイク)はスラムゾーンにおいて、大富豪層に属するはずの人間と出会う。心優しいウィル(ティンバーレイク)は思いやりから、大富豪の男にスラムゾーンから逃げるようにアドバイスをするのだが、大富豪の男は実は自殺願望者。ウィル(ティンバーレイク)は一晩寝ている間に大富豪から100年以上の寿命時間を譲り受けて、大富豪の男は意味深なことを呟いて死んでしまう。

 どうしてこの世の中において、直ぐに死んでしまう貧困者(時間無し)と永遠の如く生き永らえることが出来る大富豪(時間あり過ぎ)の両極端な人間が存在するのか?
 その謎を解くためにウィル(ティンバーレイク)はスラムゾーンを抜け出て、防壁で囲まれている大富豪ばかりが生活している富裕ゾーンへ向かうのだが・・・

 腕に表示される寿命時間が0になった瞬間に即死する様子、昨日までは1時間分支払ったら乗れていたバスが値上がりして2時間分払わないといけないことになってバスに乗れずに寿命時間の少なさに驚いてパニックに陥ったり、ポーカーゲームにおいて『五十年、百年、千年・・・』という感じで自分の寿命時間を賭けるシーンなど、シュールな笑いで満ち溢れている。
 そして通貨がおカネではなく時間という世の中において、警察の存在は大して意味が無く、その代わり時間監査員なんて者が登場するなど、設定がとにかく面白い。

 基本的には恐ろしいほどの美男美女、いや貧乏人と富豪のお嬢様の2人の逃亡劇。別の言い方で書けば、とにかく時間が無くて忙しい男とヒマ過ぎるほど時間が有り余っている女のカップルによる逃亡劇。
 まるで違う境遇に生まれた2人が、逃亡中に次第に理解しあっていく展開はステレオタイプ過ぎるが、寿命時間が切迫している状況が加えられたことで大いに楽しめる斬新なアクション映画になった。
 そして、ただひたすら逃げるだけでなく、格差社会の歪を正すために次々と時間を貯め込んでいる大銀行を襲撃して、貧困者(寿命時間の少ない人)にばら撒き、そしてラストシーンでは更なる銀行の総元締めを襲撃しようとする。
悲しいことに俺の経済知識では、ラストシーンの意味するところが理解不能。こんなことで経済格差は解消されるのかと個人的には思ったが、この映画を観た人はどのような感想を持つのか。
 
 すっかりデフレ状況で苦しんでいる日本人だが、この映画を観るとやっぱりインフレよりもデフレのままで良いじゃんと勘違いしそうになってしまう人もいると思うが、インフレであろうがデフレであろうが貧乏人はやっぱり辛いと言うのが当たり前の結論。しかし、大企業にとっては?
 だいたい経済学者と言われる人でも、経済を良くする方法などわかっていない人が多いので、一般の我々のような凡人には理解できないし、とっつき難い。そんな経済のことを勉強したくなるTIME/タイムは、知性的な大人の鑑賞にも堪えられる娯楽映画です

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 監督は傑作を連発するアンドリュー・ニコル。特に遺伝子操作で人間の優劣が決まる世界を描いたSF映画ガタカがお勧め。
 他にニコラス・ケイジ主演の実在した武器商人を描いたロード・オブ・ウォーは冒頭から面白い。他にもアル・パチーノ主演のシモーヌも良いです。

 主役の格好良い男ウィルを演じるのがジャスティン・ティンバーグ。本業は歌手みたいですが、最近はソーシャル・ネットワークに出演する等、映画界においても活躍が期待されます。

 大富豪の娘シルヴィアを演じるのがアマンダ・サイフリッド。この人は抜群に美人で最近は乗りに乗っている。マンマ・ミーア!親愛なる君へ,そして現在では日本でも大ヒット間違い無しのレ・ミゼラブルに出演しているなど、更なる活躍が期待できます。

 他には逃亡する2人を追跡する役でキリアン・マーフィーが出演しています。ダニー・ボイル監督の28日後...、クリストファー・ノーラン監督のバットマン ビギンズインセプションのようなヒット作品にも出演しています。個人的にはケン・ローチ監督の麦の穂をゆらす風がお勧めです。 

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