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『承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱』坂井孝一

2019-02-19 | books
何となく、後鳥羽上皇が、鎌倉幕府を潰そうとしたけど、反対に潰されて、島流しになった、ぐらいにしか理解してなかった「承久の乱」

白川上皇による院政誕生から、堀川、鳥羽、近衛、崇徳、後白河への流れを通して中世の始まりを説明してくれ、平治の乱、保元の乱、頼朝の鎌倉幕府までを丁寧に解説してくれる。その上で、三代将軍源実朝の暗殺、幕府に対する不信による後鳥羽上皇の承久の乱への流れを淀みなく教えてくれる。

とっても面白かった。

実朝は思っていたよりもずっと優秀な政治家であったりとか、後鳥羽も意外とまともな人物だった。

白河上皇は孫の(後の鳥羽天皇)15歳に、藤原公実の娘璋子17歳を入内させる。璋子は父亡き後、白河の養女になっていた。璋子は入内しても鳥羽と同衾せず、白河の御所に戻ってしまった。璋子が産んだ子は、白河の子だと噂される。当時白河65歳。その子は後の崇徳天皇だった。という話がなぜか心に残った。鎌倉時代の65歳なんて、平成だったら120歳ぐらいじゃないか。


承久の乱-真の「武者の世」を告げる大乱 (中公新書)
坂井孝一
中央公論新社



今日の一曲

Miles Davisで、"Smoke Gets In Your Eyes"



では、また。
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