頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『ミステリガール』デイヴィッド・ゴードン

2013-08-02 | books
ぼくはサム・コーンバーグ。妻とうまくいってない。仕事を転々として定職につかず、勤め先の古書店は店じまい、20年書いている小説は金にならないからだ。美しい妻ララは出て行ってしまった。そんなぼくに転機が。就職サイトに登録していたら、探偵の助手にならないかという知らせが。早速探偵に会いに行くと、そこには信じられないほど太った男、ソーラー・ロンスキーががいた。ラモーナ・ドゥーンという女を尾行し調査して欲しいとのこと。もちろん引き受けた。しかし、ぼくは彼女が死ぬところを目の前で見てしまった… 探偵はさらに彼女について調べるように命じる。過去を調べると、夫はゼッド・ノートという映画監督だと分かった。知る人ぞしる伝説のB級映画監督。自殺したそうだ。撮影されたのに公開されていない映画もありマニアの間ではぜひ見たい映画だそうだ。調査の過程でぼくが踏み込んだのはめくるめくB級映画の世界。そして彼女の死の真相は…

うむうむ。こんな小説読んだことがない。ストーリーだけ読むと、軽妙洒脱な描写と会話によるB級映画を扱うB級小説になりそうなのに、B級映画と小説に関する薀蓄を大量のぶちこんだA級小説になった。

一体この小説はどこに向かってるんだろう?駄作か?と一瞬思った私が浅はかだった。終盤での収斂のさせかたは見事。人はたくさん死ぬのに、どこか爽やかという、まるで新垣結衣が「死ね死ね」と連呼しているような作品だった。(比喩がおかしい)

デビュー作「二流小説家」は日本で映画化されたそうだが、全く違うテイスト。ダイエットペプシとダイエット青汁ぐらい違う。(比喩がおかしい)

今日の一曲

ミステリガールと言えばやっぱり
マテリアルガール by マドンナ(強引)



では、また。

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