「考えない練習」小池龍之介 小学館 2010年
とある知り合いにこの本いいよと薦められた。しかし昨年同じ著者の「沈黙入門」をその人に薦めたのは私なんだけど、黙って「へぇ。そうですか面白そうですね」と言っておいた。
『自分』から自由になる沈黙入門」(2008年6月)や「もう、怒らない」(2009年11月)のレビューを書いてからしばらく小池龍之介ワールドに触れていなかった。久しぶりに触れて、なんだかスッキリした。物凄く良い本である。金と時間をかける意味が、自己啓発系の本になればなるほど薄くなると思う。その逆ではなくて。しかし小池氏の書く事は一見自己啓発のように見えて違う。具体的過ぎる「15分早く起きると人生が変わる」等というお題目を唱えないからかも知れない。あるいは、そうだったのかとそれまで痒かった所に手を伸ばしてくれるからだろうか。
これは本当にオススメなんだよーって、みんなで読もうぜ!って硫黄かと、いや言おうかと思ってる(そんな風にこのブログで言うことはめったにないと思う)ので、詳しい内容は割愛し・・・てしまうと身もふたもないか。
・人間は強烈な刺激をインプットしたくて仕方がないというのが本書のメインにある。特に負の感情(怒りとか)は刺激を強くもたらすんだけど、それはあまりよろしくないと。なるほど。負のエネルギーを増幅するとは巧い表現だし納得。
・ムカついているときには「ムカつく」のように「」で自分の感情をくくる。(ほほお)
・呼吸はリラックスしている時ほど長く深い(逆に長く深い呼吸をすると→リラックスできるということか?)
・iPod等で雑音を遮断すると快適に過ごせる。しかし不快な事つまらない事からは逃げてしまえば良いという条件付けがされてしまう(おー最近よく思う「居心地を良くしようとする者は周囲の居心地を時に悪くしている」と似ている)
・文句を言う相手には突き動かしている苦しみ=ストレスがあると知るべき。そのストレスを消すために文句を言っていると分かれば・・・(なるほど)
・五感を常に研ぎ澄ませ。
・悪口も褒め言葉も全て集中して聞くべし。しかし一喜一憂しない(おーこれは入ってきたぞ)
・自我を強く刺激する物にあまり触れない。メール、アドレス帳、給与明細、預金通帳など(なるほど。ちょっと笑ってしまったけど)
・観察すべし。しかし観察結果をいちいち自我にフィードバックさせない(これも激しく私の内部に入って来た来た)
てな感じ。ウェブログの流行から→mixiの流行、そしてどうして満たされないのにそんなモノをやってしまうのか非常に深い洞察をされていた。そこだけでも読まれると良いかと。それと巻末に「進化しすぎた脳」の池谷裕二氏との対談が載っていてこれまたなかなかの読み物だった。
そうそう。小池氏の運営するウェブサイト家出空間を見ていたら、山口で座禅セッション合宿があるというではないか。若干興奮して先を読んだら既に申し込みが終わっていた。ぐあー!等と一喜一憂してはならないのだろう。私が大人になれる日はまだ遠い。
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