頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『わかって下さい』藤田宜永

2021-04-16 | books
65歳ぐらいの男性が主人公の短編集。


コンサートに行くと、昔交際していた女性が隣の席に。しかも失明していた・・・「わかって下さい」

妻に先立たれた。残されたのは彼女の連れ子。ずっと一人で血のつながらない娘を育てた。彼女が結婚すると言う・・・「白いシャクナゲ」

たまたま困った老女を助けた。昔好きだたった男性を探してると言う。一緒に探しているうちに、偶然が・・・「恋ものがたり」

マンションに突然知らない女が来て、困ったらここに来るように、安田先咲に言われたそうだ。安田のことは知らないが、女は有名女優らしい。そして安田は昔付き合った女性の娘だと言う・・・「観覧車」

画家は描く気力がなくなくなった。家庭菜園で出逢った男は70代のギタリスト。妙に気が合った。軽井沢に別荘を持ってると言う。自分も軽井沢別荘を持ってるので再会しようと言い合うと・・・「エアギターを抱いた男」

昔好きだった人と再会する喜びと悲しみと・・・「土産話」

うーーむ。素晴らしく良かった面白かった。ほとんど65歳の「男性」目線で描かれてるので女性にはサッパリ受けないのかも知れない。65歳とか、中高年男性の心理を知りたい女性は読んだ方がいい。

男として、「こんな風に女性を好きになってしまうプロセス」が溢れ出てる。

 

今日の一曲

水越恵子で、"Too far away"



では、また。


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