頭の中は魑魅魍魎

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真っ当なミステリ『調教部屋』ポール・フィンチ

2016-01-17 | books
ロンドン、銀行の秘書が行方不明になった。結婚しているが、美人だし、スタイルもよく男ごころをくすぐるタイプだった。未解決をずっと追いかけている刑事。女性が行方不明になる事件が30件以上ある。同一犯のものではないかとずっと捜査してきたが成果があがらず、担当を外され休暇をとらされることになった。休暇の間に捜査を無断で進めた・・・・・・女性たちは誘拐されたのだろうか。身代金の要求がない。どの女性も行方が分からなくなるようなタイプじゃない。裏側に潜む邪悪な影は・・・・・・

おっと。これはかなりの好み。タイトルが、そっち系のあれじゃないかと思わせるけれど、全然違う。かなりまっとうな刑事捜査スリラー。単純な犯人探しに留まらない。犯人の造形(はかなり重要なのでネタバレしないけれど)が非常に現代的でリアルですごく気に入った。

刑事の身がだいぶ危うくなるという意味では冒険小説っぽくもある。

タイトルは「狙われる女たち」ぐらいが良かったんじゃないだろうか。タイトルでかなり損していると思う。いや、そっち方面だと誤解されたほうが売れるという計算だったのだろうか。

調教部屋 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

今日の一曲

部屋。Creamで"White Room"



では、また。
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