夫に先立たれ、子供たちとも疎遠な70代の桃子。突如脳内に湧き上がる、とっくの昔に捨てた東北弁。振り返る過去。たどり着くのは、自己肯定感、自己否定か・・・
芥川賞受賞作。昔から芥川賞とは相性がよくないが、本作も、楽しめたというより、考えさせられた。おばあちゃん内面小説。
高齢化の進行により、こういう小説がどんどん増えていくのかもしれない。30年後は、小説の主人公の多くは70代だったりとか、月9ドラマのテーマは老人ホームでの、イケイケの恋愛だったりするのかも知れない。あるいは、70代が、哲学を極めるような、内面をえぐるような話とか。

今日の一曲
Roxy Musicで、"More Than This"
では、また。
芥川賞受賞作。昔から芥川賞とは相性がよくないが、本作も、楽しめたというより、考えさせられた。おばあちゃん内面小説。
おらくやしいのは新しい女のつもりだった。家に縛られない。親の言いなりにならない。それで出できた、故郷を捨てだ。で、それで何だったか。結局古い生き方に絡め捕られた。誰それのために生ぎるという慚愧怨念の生ぎ方をしてしまった。
桃子さんはつくづく意味を探したい人なのだ。意味を欲する。場合によっては意味そのものを作り上げる。耐えがたく苦しいことが身の内に起こったとき、その苦しみに意味を見出したい。その意味によってなるほどこの意味は自分に必要であったと納得できたとき、初めて痛みそのものを受け入れられるし、苦しむ今を肯定できる。
高齢化の進行により、こういう小説がどんどん増えていくのかもしれない。30年後は、小説の主人公の多くは70代だったりとか、月9ドラマのテーマは老人ホームでの、イケイケの恋愛だったりするのかも知れない。あるいは、70代が、哲学を極めるような、内面をえぐるような話とか。

今日の一曲
Roxy Musicで、"More Than This"
では、また。
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