1984年福島のかなりの田舎生まれ&育ち。野生児なのに屈折した少女時代を過ごす。一浪して上智のフランス語学科に入学。しかしフランス憲法の樋口陽一先生の著書の一節に影響を受け、ビルマにハマる。ビルマの民主化運動にハマる。(こういう女性すごくいいなー)大学院進学も決まったのに、体調が悪くなった。悪くなったを超えて「難病」レベルまで悪くなった。自己免疫疾患系の難病に襲われた20代女子の闘病記+アルファ…
親しい人に書店で見かけて面白そうだったと言われ、ラジオで確か荻上チキ氏が面白かったと言っていたので、読んでみた。
なんだこりゃ!(Not いかりや長介 But 松田優作)
こんなややこしい、検査するだけでも地獄な病気があるのか!筋肉を切り取るというところなんて、我が事のように身悶えしてしまった。うう。
笑えるし、あたたまるんだけれど、日本の行政や医療に対する非常に的を得た合理的な批判もある。医師に対しては感謝の気持ちをたっぷり書きながら。 (感情的な批判なら、インターネット上に腐るほどある。どんなキーワードで検索してもすぐに見つかる。あまりにも日常的なので、感情的な他人批判は空気のようなものかと思ってしまう。SNS登場後のネット世界は80%ぐらいは70年代の灰皿のようになってしまった。吸殻がうずたかく積まれる。吸ってる本人の短時間の快楽だけがあって、捨てられたゴミは他人にとっては迷惑にしかならない。)
彼女は自分に対して客観的に見ることができている。それがすごくいい。誰に対してもフランクに自分の病気のことを話し、助けを求めるのは、悪くない事なのだけれど、同時に周囲からはやっぱり迷惑だったりする。彼女は自分が迷惑をかけてしまったことをよーく分かっている。そのときは分からなくても後でちゃんと認識できている。
その様を描く、文体、内容、その全てがすごくよくて、なんか一人の女性としてすごくいいなーと思った次第である。(そこの君。キモイとか言わないように。)
自分の良い所も悪い所も客観的に見ることはすごく難しくて、そうしている人はすごく少なくて、私もできなくて、体感的には10%を切るぐらい人が自分を客観的に見ているように思う。女性は1%程度ではなかろうか。私の知る範囲では。
客観的に自分を見ることが「良い」のか「悪い」のかは分からない。しかし「好き」なのか「嫌い」なのかなら分かる。
あとがきを読んだら、かの辺境作家、「謎の独立国家ソマリランド」で講談社ノンフィクション賞をとった高野秀行氏のプロデュースだというではないか。彼女が高野のラジオ番組にメールを送って、高野が彼女の病室にやって来たのが始まりだそうだ。「わが盲想」しかり、おそるべし辺境作家。
本書に戻ると、闘病記としても、一人の20代女子のエッセイとしても、本当に頼れるものは何なのか、自分とは何なのかを考える哲学書としても、読む者に大きな何かを刻む、すっげぇ本だった。オススメ。これ読んで、読んだ時間や金を返してくれなどと思う奴はいねえだろうと思えるほど。
では、また。
親しい人に書店で見かけて面白そうだったと言われ、ラジオで確か荻上チキ氏が面白かったと言っていたので、読んでみた。
なんだこりゃ!(Not いかりや長介 But 松田優作)
こんなややこしい、検査するだけでも地獄な病気があるのか!筋肉を切り取るというところなんて、我が事のように身悶えしてしまった。うう。
笑えるし、あたたまるんだけれど、日本の行政や医療に対する非常に的を得た合理的な批判もある。医師に対しては感謝の気持ちをたっぷり書きながら。 (感情的な批判なら、インターネット上に腐るほどある。どんなキーワードで検索してもすぐに見つかる。あまりにも日常的なので、感情的な他人批判は空気のようなものかと思ってしまう。SNS登場後のネット世界は80%ぐらいは70年代の灰皿のようになってしまった。吸殻がうずたかく積まれる。吸ってる本人の短時間の快楽だけがあって、捨てられたゴミは他人にとっては迷惑にしかならない。)
彼女は自分に対して客観的に見ることができている。それがすごくいい。誰に対してもフランクに自分の病気のことを話し、助けを求めるのは、悪くない事なのだけれど、同時に周囲からはやっぱり迷惑だったりする。彼女は自分が迷惑をかけてしまったことをよーく分かっている。そのときは分からなくても後でちゃんと認識できている。
その様を描く、文体、内容、その全てがすごくよくて、なんか一人の女性としてすごくいいなーと思った次第である。(そこの君。キモイとか言わないように。)
自分の良い所も悪い所も客観的に見ることはすごく難しくて、そうしている人はすごく少なくて、私もできなくて、体感的には10%を切るぐらい人が自分を客観的に見ているように思う。女性は1%程度ではなかろうか。私の知る範囲では。
客観的に自分を見ることが「良い」のか「悪い」のかは分からない。しかし「好き」なのか「嫌い」なのかなら分かる。
あとがきを読んだら、かの辺境作家、「謎の独立国家ソマリランド」で講談社ノンフィクション賞をとった高野秀行氏のプロデュースだというではないか。彼女が高野のラジオ番組にメールを送って、高野が彼女の病室にやって来たのが始まりだそうだ。「わが盲想」しかり、おそるべし辺境作家。
本書に戻ると、闘病記としても、一人の20代女子のエッセイとしても、本当に頼れるものは何なのか、自分とは何なのかを考える哲学書としても、読む者に大きな何かを刻む、すっげぇ本だった。オススメ。これ読んで、読んだ時間や金を返してくれなどと思う奴はいねえだろうと思えるほど。
では、また。
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