頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『結婚』末井昭

2017-12-31 | books
「写真時代」や「パチンコ必勝ガイド」の編集をしていた著者が、結婚について語る。

結婚して26年経ってから、家出するようにして写真家の神藏美子と暮らし、再婚する。その辺のいきさつを決してカッコつけずにリアルに教えてくれる。カッコつけないことがむしろカッコいい。

本を探しに書店に行ったとき、「結婚」という文字が目に入るとその本を手に取って見るようにしているのですが、だいたいパラパラ立ち読みする程度で終わってしまいます。ハウツー書っぽいものばかりで、結婚することのメリットやデメリットは書かれていますが、人はメリットを求めて結婚しているわけではないと思います。

確かに。

結婚の意味は「変わる」ことにあるのではないかと思います。自分が変わる。相手が変わる。そして前より楽しくなる。それが結婚の本当の意味であり、結婚の醍醐味でもあるのでさないでしょうか。

確かに。

巻末に作家の高橋源一郎との対談が載っている。これが面白い。

高橋:『結婚』を読んでいると、「結婚」という事柄には、僕たちをあるきちっとした位置に戻す作用があるということだと思うんですけど、末井さん夫婦はそういうことができたけど、普通はなかなかできないと思うんですよね。

きちっととした位置に戻す、、、確かにそういう作用があると思う。きちっとした位置かー。なるほど。

高橋: 人間は自分の言ったことの90パーセント以上は忘れているそうです。自分で覚えようと思ったこと以外はほぼ完全に忘れているそうです。
末井: 怖いですね。(笑)
高橋: 人間はそういう生き物なんだそうです。だから、「言ったでしょ!」って言われたら、「忘れちゃった、ごめんね」って言うようにしています。向こうが「聞いてない」と言ったら、忘れたんだと思って「わかった。わかった。言ってなかったかもしれない。ごめんね」って言うようにしたら、ほとんど喧嘩がなくなった。
末井: じゃあ、ほとんどそれだったんですね。
高橋: そう、それしか材料がなかった。これはコロンブスの卵でした。

さすかバツ4の高橋源一郎。男女とか夫婦の喧嘩は、上記のようなことがほとんどなので、こう対応すれば良いと、私も最近学んだ(遅すぎる)

「イエスの方舟」事件の千石剛賢をリスペクトしていて、彼の講話がなかなか面白い。

悪魔は男と女を互いに誤解さすために、よくセックスを使います。これは人間の欲を悪用した悪魔の働きと言えます。本来、男の性器、女の性器共に神がつくられたもので、この性器を使って男と女が交わることは、べつに悪いものでも、もちろん良いものでもありません。


結婚

今日の一曲

杏が歌う、キリンジの「エイリアンズ」


では、また。
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