天皇が自らの葬祭について、異例とも言える生前のご遺言を公表された。これまでの伝統やしきたりに捉われず、火葬を採用し葬送の儀や墳墓の規模などについて国民感覚に近づいた形をご希望されている。
第二次大戦後、天皇は「国民の象徴」と規定され、昭和天皇も「人間天皇」としてのご努力をされておられた。そして今上天皇、皇太子として初めて民間人のお妃(きさき)を迎えられ、天皇になられてからも両陛下お揃いで国民目線に沿った歩みをされて来た。先日もこのブログに取り上げたが、熊本県に行幸された際にはハンセン病施設を訪ねられ、また水俣病患者にお会いされたりしている。今回もそうした一連の天皇(及び皇后)のご深慮の現れなのだと思う。
翻って、為政者の方はどうなのか。重要法案目白押しの中でも空白国会、空転国会など朝飯前。国民不在で、永田町だけにしか通用しない論理がまかり通る世界だ。
最近では、戦争放棄の憲法第九条の見直しや秘密保護法案などキナ臭い動きが目立ち、また公共放送であるNHKの重要人事を首相の取り巻きで固めたり、教科書の内容に干渉できるような法制など国民の言論統制や思想教育など「かの時代」を辿るかのようだ。”一億総火の玉”で不条理な戦争に突入して国民を悲惨な目に遭わせ、日本が完膚なきまでに叩きのめされたあの戦争を知らない世代が永田町でうごめいているのだ。だが中には清新な議員もいるはずである。山本太郎さんよ、大きな敵の前だけど一肌脱いでくれないか?
[神代植物園 花と紅葉の便り]
春とは違い、冬咲きのサクラがひっそりした感じで咲いている。花弁が小さく、ともすれば見落としがちである。
左=コブクザクラ(子福桜)と右=ジュウガツザクラ(十月桜)
左=チャノキ(茶の木) 小型で下向きに咲いているがツバキ科らしい花だ
右=コウテイダリア(皇帝ダリア) 見上げる高さが3メートル以上もあるダリアの一種
かえで園(下3枚)はわずかに紅葉(黄葉:写真右)が見られるものの、まだまだこれからというところ
左=ニシキギ(錦木)の真っ赤な紅葉 中=ユリノキ(百合の木)が黄葉盛り 右=イチョウ(銀杏)はこれから鮮やかな黄金色に変わっていくところである