飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

野田首相の訪露、プーチン大統領の健康問題で延期へ!

2012年11月08日 14時35分31秒 | Weblog


 プーチン大統領の健康問題は、とうとう野田首相の訪露延期にまで及んできた。延期の時期をめぐって日露両政府の間で調整が続いているとのことだが、来年になると衆議院の解散・総選挙に影響が出るのは必至で、首相の訪露自体が無期延期になる恐れも出てきた。

 プーチン氏の健康問題は、今月1日付けのロシア紙ベドモスチが「ハングライダーに乗ってツルを野生に返すパフォーマンスを行ったあと、古傷を痛めた」と報道したことから明るみに出た。大統領報道官はその後、柔道で痛めた傷と認めたが、「執務を制限させるものではない」と強調していた。

 だが、プーチン大統領はその後も外国訪問を取りやめるなど、外交日程の変更が相次いでいる。執務は休んでいない模様だが、授賞式でも代行が表彰を行うなど、各方面に影響が及んでいるようだ。

 プーチン氏はこの10月7日に還暦を迎えたが、これまで様々なパフォーマンスで健康をアピール。そのうえ、遠泳を披露するなど、マッチョであることを自慢してきただけに、急に体力が衰えた印象を内外に与えている。

 そうでなくても、プーチン氏の支持率は今年5月の大統領復帰後も低落傾向に歯止めがかかっていない。それに加えて、重用してきたセルジュコフ国防相を国防省の汚職問題で解任せざるを得なくなるなど、求心力の低下も指摘されている。

 日本側からすれば、プーチン氏が3月の大統領選直前の外国メディア・インタビューで、北方領土問題の解決に意欲を示したことから、12月の野田首相訪露を「解決に向けた交渉開始の第一歩にしたい」との期待が高まっていた。それが突然、訪露延期となったため、一気に解決機運がしぼむ恐れもある。

 日本政府としては、衆院解散・総選挙の日程との兼ね合いから来年1月前半の首相訪露を希望しているが、ロシア側は1月後半を主張していて、調整が難航する可能性もある。だが、ここで期日をきちんと決めないと無期延期となってしまう恐れもある。双方の解決機運を削がないためにも、できるだけ早く首相訪露の期日を決めて準備を進めて欲しい。(この項おわり)

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