飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

「核戦争の危機」の高まりを深刻に受け止めるべき時ではないか!

2023年11月30日 10時08分34秒 | Weblog

ウクライナと中東のガザでの戦闘で、核戦争の危機が目前に迫っていることに警鐘を鳴らす演説が相次いだ。とりわけ唯一の被爆国・日本の被爆者が行った演説の中で「犠牲者は一瞬で人生を消し去られた」と語った言葉が参加者の胸を打った。11月27日からニューヨークの国連本部で始まった、核兵器禁止条約の締約国会議でのことである。

この会議は昨年6月に続く第2回会議で、非核保有国や市民団体などが参加している。当然ながら米国・英国・フランス・中国・ロシアの核保有5カ国は条約に加わっていない。今回はウクライナとガザで行われている戦争で、核兵器が使われかねないという危機感が迫っているため、日本の被爆者団体のほか、北大西洋条約機構(NATO)加盟国のドイツ、ベルギーなどがオブザーバーとして参加している。

「ウクライナとガザから伝えられる光景は、被爆者にとって『あの日』の再来だ」。日本から参加した日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)の木戸季市(すえいち)事務局長(83)は、こう語り出して注目を集めた。5歳の時、長崎市の自宅前で母らと一緒に米軍機の音の空を見上げた瞬間、閃光と爆風に襲われた。爆心地からわずか2キロでの被曝がふるさとを「何もない真っ黒な街に変えた」と言い切った。

だが、被爆国・日本なのに、日本政府は昨年に続いてこの会議への参加を見送った。米国などの核保有国に安全保障を委ねていることから遠慮したのだろうか。だが、核兵器禁止は国民の願いであり、世界中の人々の願いでもある。せめてオブザーバーでも送って核廃絶への意志を示すべきではないだろうか。岸田文雄首相の支持率がどんどん下がっていくのも宜(むべ)なるかなと思わずにはいられない。(終わり)

 

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中東情勢の悪化でウクライナのロシアへの反攻が厳しい情勢に!

2023年11月11日 11時59分15秒 | Weblog

ロシアが昨年2月にウクライナへ侵攻してから、両国間の戦闘が続いている。その一方で、今秋からイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃が始まり、ウクライナに厳しい情勢になりつつある。特にイスラエル側に立つ米欧と、それを非難する中東諸国などに国際世論が二分されてきたのが大きな要因だ。

中東情勢に変化が起きたのは、ガザを支配するイスラム組織ハマスが10月7日、イスラエルを越境攻撃したのがきっかけだった。これに対し、イスラエル軍はガザへの空爆や地上侵攻を開始したため、中東諸国はイスラエルへの批判を強めた。特に欧米諸国が民間人を巻き込んでガザを攻撃するイスラエルを擁護したため、中東諸国は「二重基準だ」と強く反発した。

当初、イスラエルを擁護していたウクライナのゼレンスキー大統領もその後、「紛争地域の全ての側が民間人や子供に配慮しなければならない」と軌道修正した。だが、ウクライナを支える米国でもバイデン政権と野党・共和党の意見が分かれ、下院では共和党が提案したイスラエルに限定した予算案しか通らなかった。

一方、ウクライナ側の反攻作戦も大きな成果が上がらず、苦戦が続いている。その要因は、空軍力がロシアに比べ劣っているためとされる。当のロシア軍は、東部ドネツク州での占領地域拡大を目指していているといわれる。近く同地域で大規模な攻撃が準備されているとの情報も流れ、冬を間近に控え、予断を許さない状況が続いている。(この項終わり)

 

 

 

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