飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

女子フィギュア世界選手権でロシア勢が表彰台独占!

2021年03月27日 10時29分08秒 | Weblog
ロシアのメディアは26日の女子フィギュア世界選手権で、ロシア3選手が表彰台を独占したと大々的に報道した。世界の女子フィギュア界をリードするロシアにとっても、世界選手権の表彰台独占は初めてで、来年2月、北京で開かれる冬季五輪への期待を膨らませた。

ロシアの有力紙コメルサントは、3人の活躍をたたえながらも、「3人ともミスがあったものの、外国選手の演技のレベルが少し低かったためメダルを独占できた」と報じた。ライバルの日本を名指しこそしなかったが、日本選手の得点の低さに助けられたとの評価をしていた。とはいえ、ロシアの北京五輪での出場枠3が確保されたことを大きな成果と伝えている。

ロシア3人娘のうち、優勝したアンナ・シェルバコワ選手と3位のアレクサンドラ・トルソワ選手は共に16歳と若い。2人とも転倒するミスがあったものの、フリーで得点を伸ばしていて、北京五輪で日本選手とメダルを争うことになるのは間違いない。今回6位、7位に沈んだ坂本花織、紀平梨花両選手の今後の活躍に期待したい。(この項終わり)

バイデン米大統領、プーチン露大統領を「殺人者」呼ばわり!

2021年03月18日 13時26分32秒 | Weblog
バイデン米大統領は17日、プーチン露大統領を「殺人者」呼ばわりし、米大統領選への介入を試みた代償を払うことになると言い切った。米ABCテレビのインタビューに答えたもので、ロシア政府はこれを受け、直ちに駐米大使を本国に召還させた。このため米露関係は最悪の事態に陥った。

ロシアの有力紙コメルサントによると、テレビ・インタビューはコロナとの闘いからサウジアラビアとの関係など、国内外の問題に及んだ。その中でもロシアとの関係が最もスキャンダラスで、「プーチン大統領は殺人者と思うか」との質問にバイデン氏は「殺人者だと思う」と断言した。さらにバイデン氏は「米大統領選への介入に代償を払うべきだ」と決めつけた。

これに対し、ロシアのペスコフ大統領報道官はタス通信を通じて声明を発表。「ロシアが米大統領選に介入したとの発言は根拠も証拠もない。我が国の利益を守るためにできる限りのことを行う」と反論した。それを受け、ロシア政府はアントノフ駐米大使を直ちに本国に召還する措置を取った。

トランプ政権からバイデン政権に変わった1月、米政府は両国間の核軍縮の枠組みである新戦略兵器削減条約(新START)の5年延長に原則合意した。だが、バイデン政権は反体制派指導者ナワリヌイ氏の毒殺未遂事件などに厳しい姿勢を示しており、蜜月状態だったトランプ前大統領とは違うとの明確なサインを出したものと見られる。

一方、プーチン政権も黙って「殺人者」呼ばわりを受け入れるわけはない。取り急ぎ駐米大使を本国に呼び寄せ、対策を練る方針だ。このところ、プーチン政権は「プーチン宮殿」と呼ばれる豪邸の存在を暴露されるなど、国内の反体制派勢力の批判を浴び、支持率も低下気味だ。「秋の総選挙」と言われる下院選挙を控え、反撃に出るのは必至の情勢で、今後の双方の動きを注視したい。(この項終わり)


ゴルバチョフ元ソ連大統領、90歳の誕生日に語る!

2021年03月02日 11時22分36秒 | Weblog
ゴルバチョフ元ソ連大統領は3月2日、90歳の誕生日を迎え、タス通信のインタビューに答えた。その中で、プーチン政権に向け、旧ソ連諸国との関係修復を求めるとともに、バイデン米大統領に対し、ロシアとの関係正常化への期待を語った。政敵だったエリツィン元ロシア大統領とは同じ年生まれだが、すでに13年も長生きしている。

タス通信によると、ゴルバチョフ氏はまずロシアのプーチン政権に対し、EU(欧州共同体)との関係を強化し、現在不和になっている旧ソ連諸国との関係を修復するため全力を尽くすよう求めた。さらに、就任したばかりのバイデン米大統領に向け、ロシアとの関係正常化に努力するよう期待すると述べ、「それが米露双方の利益になると確信している」と強調した。

ゴルバチョフ氏は旧ソ連時代、レーガン米大統領と4度のサミットを通じて東西冷戦のデタント(緊張緩和)に貢献し、1990年度のノーベル平和賞を受賞している。大統領を退任後も、機会あるごとに世界平和を呼び掛け、東西対立の緩和を訴えている。大酒呑みのエリツィン氏と比べ、酒をほとんど飲まず、健康管理に重点をおき、長寿を全うしている。学生結婚した最愛の伴侶・ライサ夫人は1999年に病死している。享年67だった。

ロシアの平均寿命は、2016年の統計によると、男67歳、女77歳。男性の平均寿命が短く、女性との差が10歳もあるのが特徴で、男女差が世界一大きいとされている。ゴルバチョフ氏は現在、医療機関で生活しているというが、祖国・ロシアの行く末が心配でたまらないのだろう。(この項終わり)