人気の職業への道をわかりやすく紹介する”ぺりかん社”の「なるにはBOOKS」シリーズの1冊として『裁判官になるには』がこのほど出版されました。今年5月に出版された『検察官になるには』に続く、私の法曹界シリーズの2冊目です。現役の裁判官や書記官にインタビューし、仕事ぶりややりがいを詳しく聞き出したドキュメントをメインに、裁判所の仕事が丸ごと分かる入門書です。
このところ検察官の定年延長問題や無罪率99%の裁判など、法曹界の話題がメディアやお茶の間を賑わせています。でも、どういう組織なのか、どうして問題になるかがわかりにくいと思います。そこでぺりかん社では、中高生に焦点を当て、写真やイラストをふんだんに使ってわかりやすく編集しています。将来こういう仕事について見たいと思っている人には、格好の本だと思います。
この本の取材・執筆を担当した私は、毎日新聞記者時代に司法担当を4年間経験し、当時日本中を沸かせたロッキード事件の裁判など多数の裁判を取材してきました。そうした経験から学んだ裁判のリアルを織り交ぜながら、裁判の流れや問題点を解説しています。裁判所の仕事に興味のある方には、きっと参考になると思います。
本の中身をざっと紹介しますと、1章では東京地裁民事部、千葉地裁刑事部、さいたま家裁家事部の3裁判官へのインタビュー記事が掲載され、実際にどのように仕事をしているのか、やりがいを感じるのはどういう場合かなどを詳しく書いています。2章では裁判の歴史、日本の裁判所と裁判官制度の仕組み、刑事・民事・家事、少年事件などの裁判の実際が詳しく書いてあります。さらに、書記官だけでなく、今注目されている家庭裁判所調査官にもインタビューし、その仕事ぶりをまとめています。3章では、裁判官に必要な資質や司法試験制度について詳しく書いてあります。
以上、概要を述べましたが、現役の裁判官の話を聞いて感じたのは、彼らは決して特別な人たちではない、興味と関心があれば誰でも挑戦できる職業だということです。それには学校の勉強だけでなく、社会に目を開き、いろいろなことに関心を持ち、多くの人とコミュニケーションをしていけば必ず目的に到達できると思います。この本をぜひ一度、手にとって読んでいただければ、そのことを理解していただけると思います。この本は今月中旬から本屋で、またアマゾンで入手できますので、よろしくお願いします。(この項終わり)
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