飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

岸田首相は、なぜこの時期にあえて渡米するのか?

2024年04月08日 16時52分54秒 | Weblog

岸田文雄首相が8日から米国を訪問し、バイデン大統領らと会談すると発表された。安全保障分野などで日米の連携がさらに深まっていることを示し、強固な日米同盟をアピールするため、と日本政府はピーアールしている。だが、自民党の裏金問題でズタズタになっている現状を改善し、政権浮揚につなげるのは困難な情勢だ。

今回は2015年の安倍晋三元首相以来、9年ぶりの公式訪問で、日本の防衛力強化に向けた取り組みを共有し、防衛装備品に関する新たな協議体の創設で合意する予定だ。さらに、ロシアによるウクライナ侵攻などで脅かされる「自由で開かれた国際秩序」を日米両国がパートナーとして維持・強化する姿勢を示す方針という。

自民党総裁である岸田首相にとって今一番肝心な仕事は、自民派閥の政治資金パーティー券を巡る裏金事件を解明し、国民にきちんと説明することだ。だが、首相は自らの責任を取らないばかりか、自身を処分の対象外にしているのは納得できない。それらを放置して米国へ飛ぶのは、国民への裏切りと言っても過言ではない。

このままでは、自民党に対する国民の不満や怒りが募り、政治不信は深まる一方だ。党内からも不満の声が噴出していると聞く。こうした事情は米国にも伝わっているので、首相への信頼感が低下しないとも限らない。

一方、米国でもバイデン大統領への支持率が低下気味で、秋の大統領選では再起を図るトランプ前大統領の優勢も伝えられている。この状況で岸田首相が無理して訪米しても、逆効果にならないとも限らない。今後の岸田首相の発言や米側の反応を注視したい。(この項終わり)

 

 

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