飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

来年100年迎えるハルビン学院記念碑祭への参加誓う!

2019年04月15日 16時54分31秒 | Weblog




(26期の奧田哲夫さんの挨拶を聞くハルビン学院同窓生ら)

第20回ハルビン学院記念碑祭が4月15日、桜吹雪の舞う東京・八王子の高尾霊園で開かれ、同窓生やその遺族ら約100人が参加した。来年2020年は同学院が中国・東北地方(旧満州)のハルビンに設立されてから100年を迎えるため、「来年は全員で参加しよう」と誓い合った。

ハルビン学院はロシア語の専門家養成のため1920年、旧満鉄総裁・後藤新平の肝いりで創設されたが、満州国の崩壊とともに、わずか25年で廃校になった。様々な苦難を経て帰国した同窓生たちは、日ソ貿易(日露貿易)や日露友好に貢献した。その一方、同窓生たちが高齢化する中、生存者は4月4日現在、全校生徒1,412人中、66人となり、とうとう5%を割りこんだ。

参加者は、この1年間に亡くなった12人の冥福を祈り、黙祷。分骨、遺品収納式を行った後、全員で寮歌「松花の流れ」を合唱した。最後の入学生、26期の奥田哲夫さんが挨拶し、「ハルビン学院は1920年に始まり、終戦の1945年、廃校になった。だが、来年創立100年を迎え、いまだに世間から注目されており、非常に誇りに思っている」と述べた。

この後、霊園内の龍雲閣で行われた懇親会で、挨拶した24期の同窓生・麻田平蔵さん(同窓会事務局長、昨年死亡)の長男、恭一さんは「今後、記念碑祭をどう引き継いでいくかを皆さんと相談して決めていきたい。来年は創立100年の節目なので、絶対来てください」と呼びかけた。

また、参加者の最長老、大心地(おごろち)洋さん(95)は「昨日、広島から来ました。私も95歳になったので、今回が最後と思っていたが、皆さんの話を聞いて、来年足腰を鍛えてなんとかして来たい」と、意欲を燃やしていた。

ハルビン学院の同窓会は戦後、年1回集まって旧交を温めてきたが1999年、高齢化のため一旦解散された。だが、同窓生の強い要望で記念碑祭と名を変えて続けられてきた。来年、創立100年を機に今後の運営方法などについて相談する運びになっている。(この項終わり)




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コメディアンがウクライナ大統領に!?

2019年04月01日 19時42分29秒 | Weblog
ウクライナ大統領選の投票が3月31日行われ、コメディアンのぜレンスキー候補(41)がポロシェンコ現職大統領らを抑えてトップに立った。だが、得票の過半数には至らず、4月21日の決選投票に持ち越されることになった。このままの情勢が続くと、同国初のコメディアン大統領が誕生しそうな勢いだ。

中央選管がまとめた得票率によると、ぜレンスキー候補が30・4%を獲得して1位を走っている。2位はポロシェンコ大統領(53)で17・8%、3位はティモシェンコ元首相(58)で14・2%の順。そのほか、ボイコ元副首相、グリチェンコ元国防相が僅差で追っている。

注目のぜレンスキー候補は、ある教師が突然、大統領になるという筋書きのテレビ番組に出演、人気を博したコメディアンで、「ウクライナから汚職をなくすべきだ」と主張している。ウクライナでは、プーチン大統領の強引なクリミア半島編入政策で、ロシアとの内戦が続いている。一方、政府高官らによる汚職がはびこり、経済は落ち込んだまま。そこに目をつけたコメディアンは「ロシアに対抗するため、欧米から多額の投資を呼び込もう」と訴え、支持が一気に拡大した。

対するポロシェンコ大統領は、ロシアからのクリミア半島奪回を目指して、EU諸国と“ロシア包囲網”を画策しているが、ティモシェンコ候補ら反対勢力に足を引っ張られ、奪回作戦は進展していない。その上、ポロシェンコ大統領は経済政策もうまくいかず、支持率が低迷している。

決選投票はぜレンスキー候補とポロシェンコ大統領との一騎打ちになるが、ティモシェンコ候補、ボイコ元副首相らがどの候補の支持に回るかが今、最大の関心事だ。3位のティモシェンコ候補とポロシェンコ大統領は欧米との関係をめぐり対立していることから、2位と3位の共同戦線は難しそうだ。また、ぜレンスキー候補は既得権益層を象徴する財閥オーナーのコロモイスキー氏との関係を疑問視する見方もあり、ティモシェンコ候補らがぜレンスキー候補をすんなり支持するとも思えない。

そうなると、2位、3位候補の2倍近い得票率で突っ走っているぜレンスキー候補がそのまま決選投票を勝ち抜く可能性も少なくない。だが、今後大統領との討論会が行われ、政治経験の不足を突かれて一気に失速する恐れもある。決選投票まで目を離せない状況が続きそうだ。(この項終わり)、




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