![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/b5/a7ab8c06bc0d67e2982167226e58292f.jpg)
(26期の奧田哲夫さんの挨拶を聞くハルビン学院同窓生ら)
第20回ハルビン学院記念碑祭が4月15日、桜吹雪の舞う東京・八王子の高尾霊園で開かれ、同窓生やその遺族ら約100人が参加した。来年2020年は同学院が中国・東北地方(旧満州)のハルビンに設立されてから100年を迎えるため、「来年は全員で参加しよう」と誓い合った。
ハルビン学院はロシア語の専門家養成のため1920年、旧満鉄総裁・後藤新平の肝いりで創設されたが、満州国の崩壊とともに、わずか25年で廃校になった。様々な苦難を経て帰国した同窓生たちは、日ソ貿易(日露貿易)や日露友好に貢献した。その一方、同窓生たちが高齢化する中、生存者は4月4日現在、全校生徒1,412人中、66人となり、とうとう5%を割りこんだ。
参加者は、この1年間に亡くなった12人の冥福を祈り、黙祷。分骨、遺品収納式を行った後、全員で寮歌「松花の流れ」を合唱した。最後の入学生、26期の奥田哲夫さんが挨拶し、「ハルビン学院は1920年に始まり、終戦の1945年、廃校になった。だが、来年創立100年を迎え、いまだに世間から注目されており、非常に誇りに思っている」と述べた。
この後、霊園内の龍雲閣で行われた懇親会で、挨拶した24期の同窓生・麻田平蔵さん(同窓会事務局長、昨年死亡)の長男、恭一さんは「今後、記念碑祭をどう引き継いでいくかを皆さんと相談して決めていきたい。来年は創立100年の節目なので、絶対来てください」と呼びかけた。
また、参加者の最長老、大心地(おごろち)洋さん(95)は「昨日、広島から来ました。私も95歳になったので、今回が最後と思っていたが、皆さんの話を聞いて、来年足腰を鍛えてなんとかして来たい」と、意欲を燃やしていた。
ハルビン学院の同窓会は戦後、年1回集まって旧交を温めてきたが1999年、高齢化のため一旦解散された。だが、同窓生の強い要望で記念碑祭と名を変えて続けられてきた。来年、創立100年を機に今後の運営方法などについて相談する運びになっている。(この項終わり)