(モスクワで購入した赤色のチェブラーシカ)
ロシアのキャラクター「チェブラーシカ」の原作者で、14日に死去した児童文学作家、エドアルド・ウスペンスキー氏(80)のお別れ会が18日、モスクワ市内の「文学者の家」で行われた。子熊と猿の中間のような不思議な小動物が世界の子供から大人まで、幅広いファンに親しまれていて、世界各地で原作者を追悼する催しが開かれた。
チェブラーシカを人形アニメとして映画化したスタジオのマシコフツェフ代表はモスクワのお別れ会で「ウスペンスキー氏の作品はユーモアの感覚や、動物が社会の一員であることを教えてくれた」と讃えた。また、プーチン大統領も弔電を寄せ、「友情や真実、優しさを教えてくれる素晴らしい児童文学の古典を残してくれた」と、原作者を持ち上げた。
チェブラーシカは日本でも多くのファンに支えられ、チェブラーシカの人形などがロシア民芸品店などで人気になっている。私の娘も大ファンで、成人になってからも私がモスクワへ旅行に行くたびに「買って来て」とせがみ、五輪冬季大会ごとに特製された白、赤、青色のチェブラーシカが一時、部屋の中にかざってあった。
チェブラーシカは「ばったり倒れ屋さん」と言う意味で、「どすんと落ちる」などの意味を持つ古い俗語から来ていると言われている。物語の中のチェブラーシカは天涯孤独で寂しがり屋。アイデンティティを求めてさまようシーンが目立った。
ソ連末期の1960年代以降にアニメ作品が公開され、旧ソ連の体制を批判する内容が多く描かれているのが特徴だ。街で行列にぶつかると、取りあえず並ぶという、当時のソ連の物不足を皮肉ったり、特権を利用して私服を肥やす役人を貶したり、といった内容が多かったように思う。
外見のおかしさとともに、社会主義社会への不満を描いたところがロシア人の共感を誘ったのかも知れない。その一方で、役人などから厳しい検閲を受けた際、「架空の作品だ」と言い逃れるために当初、絵本にしたと言う、したたかさもあった。ロシアのアニメ作品の面白さと、ロシアの奥深さを教えてくれたウスペンスキー氏に心からお悔やみを申し上げたい。(この項終わり)
ロシアのキャラクター「チェブラーシカ」の原作者で、14日に死去した児童文学作家、エドアルド・ウスペンスキー氏(80)のお別れ会が18日、モスクワ市内の「文学者の家」で行われた。子熊と猿の中間のような不思議な小動物が世界の子供から大人まで、幅広いファンに親しまれていて、世界各地で原作者を追悼する催しが開かれた。
チェブラーシカを人形アニメとして映画化したスタジオのマシコフツェフ代表はモスクワのお別れ会で「ウスペンスキー氏の作品はユーモアの感覚や、動物が社会の一員であることを教えてくれた」と讃えた。また、プーチン大統領も弔電を寄せ、「友情や真実、優しさを教えてくれる素晴らしい児童文学の古典を残してくれた」と、原作者を持ち上げた。
チェブラーシカは日本でも多くのファンに支えられ、チェブラーシカの人形などがロシア民芸品店などで人気になっている。私の娘も大ファンで、成人になってからも私がモスクワへ旅行に行くたびに「買って来て」とせがみ、五輪冬季大会ごとに特製された白、赤、青色のチェブラーシカが一時、部屋の中にかざってあった。
チェブラーシカは「ばったり倒れ屋さん」と言う意味で、「どすんと落ちる」などの意味を持つ古い俗語から来ていると言われている。物語の中のチェブラーシカは天涯孤独で寂しがり屋。アイデンティティを求めてさまようシーンが目立った。
ソ連末期の1960年代以降にアニメ作品が公開され、旧ソ連の体制を批判する内容が多く描かれているのが特徴だ。街で行列にぶつかると、取りあえず並ぶという、当時のソ連の物不足を皮肉ったり、特権を利用して私服を肥やす役人を貶したり、といった内容が多かったように思う。
外見のおかしさとともに、社会主義社会への不満を描いたところがロシア人の共感を誘ったのかも知れない。その一方で、役人などから厳しい検閲を受けた際、「架空の作品だ」と言い逃れるために当初、絵本にしたと言う、したたかさもあった。ロシアのアニメ作品の面白さと、ロシアの奥深さを教えてくれたウスペンスキー氏に心からお悔やみを申し上げたい。(この項終わり)