![](http://image.with2.net/img/banner/c/banner_1/br_c_2769_1.gif)
今春のロシア大統領選で3位に躍進した実業家プロホロフ氏と、第一次プーチン政権で長年財務相を務めたクドリン氏が共同で「市民指導者学校」を立ち上げた。地方から政治家を育てて政治を変えようという構想で、ロシア政界で「第三極」構築を目指す試みとみられる。
1日付けのコメルサント紙(電子版)によると、この学校はモスクワの南約500㌔にあるボロネジ市に開設された。統括コーディネーターは、経済学者のヤーシナ女史が務めている。ヤーシン元経済相の長女で、反プーチン運動では全政治犯の釈放を要求した。この学校では、エリツィン初代大統領の補佐官だったサタロフ氏ら改革派が講師に名を連ねている。
ボロネジ市のコーディネーター、ガルモノワさんによると、この学校はプロホロフ氏とクドリン氏が共同で行うプロジェクト。市民活動家を探し、支援するのが目的で、国家を変える能力をもつ指導者を育てたいとしている。年内には2校目がサンクトペテルブルグに開校される予定という。
プロホロフ氏は投資ファンド「オネクシム」グループ総裁で、3月に行われた大統領選で3位に食い込んだ。現在、市民綱領党の党首で、若者にも人気がある。クドリン氏はプーチン大統領と親交が厚いが、強権化する政権と離れ、リベラル派の結集を目指し、現在市民主導委員会の委員長を務める。今回の学校設立は、両者の連携の第一歩で、与党とは距離を置き、既成野党とも違う第三極を目指しているとみられる。
注目されるのは、この学校がかつて石油王といわれたホドルコフスキー元ユコス石油社長が創立した「公開政治学校」に似ている点だ。彼は政界進出を企て、プーチン大統領の怒りを買って03年に横領罪などで逮捕され、今も獄中の身だ。しかも、この学校の統括コーディネーターを務めていたのは、今回と同じヤーシナ女史だった。このことから、今回の学校は、ホドルコフスキー元社長の事業継続を目指しているとの見方も出ている。
プロホロフ氏とクドリン氏は、政治評論家の間でプーチン大統領の後継者として有力視されている。それだけに、今回の試みが今後どう発展していくのかが関心の的である。日本の第三極づくりは混迷状態だが、ロシアではうまくいくのかどうか、注目していきたい。(この項おわり)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます