ベルリンに本部のある汚職監視団体が毎年発表している「国際汚職度ランキング」でロシアは今年、世界178カ国中、154位となり、昨年よりさらにダウンした。先進国に新興国を加えた金融サミット会議(G20)の中で最下位で、メドベージェフ大統領が推進している汚職撲滅運動は、いまだ道遠しといえる。
ランキングの1位にはデンマーク、ニュージーランド、シンガポールが並び、最下位はアフリカのソマリア。旧ソ連諸国のカザフスタン、ベラルーシ、ウクライナもロシアより上位にあり、ロシアより下位にはタジキスタン、ウズベキスタンなどの中央アジア諸国が続いている。ロシアは昨年は146位だったので8位下がったことになる。
メドベージェフ大統領は08年に就任して以来、汚職撲滅をスローガンに内務省などの省庁改革や法律整備を進めてきた。最近、米国から訪れた企業家グループとの会合で、大統領は汚職対策で一番の問題は「ロシアでは汚職が恥ではなく、当たり前とみられていることだ」と語り、意識改革が必要だと強調した。
インタファクス通信が伝えた今年7月の世論調査によると、「ロシアの汚職が依然としてひどい状態にある」と答えた人は75%にのぼっている。それでも昨年秋の同様の調査では86%だったので、若干下がっている。とはいえ、今回の調査でも55%の人が「ロシアでは汚職追放は不可能だ」と答えており、庶民の大半は大統領の活動を冷ややかに見ているようだ。
モスクワ特派員として6年間仕事をした経験からすると、汚職撲滅は夢のまた夢というのが実感だ。私が役所の窓口に並んで順番を待っていたとき、私の後ろにいたロシア人が役人から呼ばれて事務室の中に入り、用を済ませている光景を何回も目撃した。こういうことが公然と行われる「コネ社会」が続いている限り、汚職はなくならないと思う。そういう意味では、大統領の言う通りだが、意識改革に何年かかることか。
ランキングの1位にはデンマーク、ニュージーランド、シンガポールが並び、最下位はアフリカのソマリア。旧ソ連諸国のカザフスタン、ベラルーシ、ウクライナもロシアより上位にあり、ロシアより下位にはタジキスタン、ウズベキスタンなどの中央アジア諸国が続いている。ロシアは昨年は146位だったので8位下がったことになる。
メドベージェフ大統領は08年に就任して以来、汚職撲滅をスローガンに内務省などの省庁改革や法律整備を進めてきた。最近、米国から訪れた企業家グループとの会合で、大統領は汚職対策で一番の問題は「ロシアでは汚職が恥ではなく、当たり前とみられていることだ」と語り、意識改革が必要だと強調した。
インタファクス通信が伝えた今年7月の世論調査によると、「ロシアの汚職が依然としてひどい状態にある」と答えた人は75%にのぼっている。それでも昨年秋の同様の調査では86%だったので、若干下がっている。とはいえ、今回の調査でも55%の人が「ロシアでは汚職追放は不可能だ」と答えており、庶民の大半は大統領の活動を冷ややかに見ているようだ。
モスクワ特派員として6年間仕事をした経験からすると、汚職撲滅は夢のまた夢というのが実感だ。私が役所の窓口に並んで順番を待っていたとき、私の後ろにいたロシア人が役人から呼ばれて事務室の中に入り、用を済ませている光景を何回も目撃した。こういうことが公然と行われる「コネ社会」が続いている限り、汚職はなくならないと思う。そういう意味では、大統領の言う通りだが、意識改革に何年かかることか。