飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

プーチン大統領の側近来日、大統領の年内訪日に向け準備進むか?

2016年07月09日 11時52分12秒 | Weblog

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安倍首相とプーチン大統領とのロシア南部・ソチでの会談後、大統領の年内訪日に向けた動きが進んでいる。今月18日には、大統領の側近とされるウリュカエフ経済発展相が来日し、麻生経済産業相、岸田外相らと会談する。北方領土解決のカギとみられる経済協力問題を中心に協議される見通しで、安倍首相が首脳会談で提案した8項目の経済協力計画がどれだけ詰められるかが注目される。

ウリュカエフ経済発展相は、プーチン大統領の右腕と言われたクドリン元財政相の部下で、プーチン政権で長年経済関係の重職を務めている。今回は18日に来日し、安倍政権の経済・外務関係大臣と会談するほか、原田親仁・日露関係担当大使とも会談する予定。

一連の会談で安倍首相提案の経済協力計画の具体化が協議されるとみられる。この計画では①石油・ガスなどのエネルギー開発②極東地域での産業振興やインフラ整備③原子力やITなど先端技術分野、などが目玉とされており、ロシア側はシベリアと極東での質の高い投資協力に関心が高いという。

ウリュカエフ経済発展相は、とくにシベリアでの原材料生産基地の創設と、欧州―アジアを結ぶ輸送インフラの拡大を目指していて、日本側がこうした計画にどれだけ応えられるかが焦点といえそうだ。

ウリュカエフ大臣の来日にはプレス担当が5人同行し、記者会見のほか、民間企業向けの講演も予定されている。大臣の日本滞在は3日間の予定で、ロシア側の力の入れようがよくわかる来日となりそうだ。

このほか、外務次官級の平和条約締結交渉が7月末にも、モスクワで行われる予定になっている。6月下旬に東京で再開されてから2回目の交渉で、大統領訪日への準備が急ピッチで進められそうだ。

英国のEUからの離脱騒動で欧州は揺れており、米国も大統領選に追われていることから、プーチン大統領はこの際、日本を揺さぶって日本と欧米を切り離す動きに出てくる可能性もある。安倍首相も参院選後は北方領土交渉に全力を挙げる構えを見せていて、領土交渉が大きく動くチャンスでもある。
              (この項おわり)

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