8月9日の大統領選後、混乱が続く旧ソ連・ベラルーシで29日、新たな動きがあった。一つは首都ミンスクで女性たちが参加するデモがあり、約1万人が参加、これまでに拘束された人々を釈放するよう求めたこと。もう一つは、大統領選後、沈黙を守っていたプーチン・ロシア大統領が選挙の正当性を明確に認め、ルカシェンコ大統領の当選を支持したことだ。このためプーチン氏は不正選挙と認定した欧州連合(EU)と対立することになり、ベラルーシの混乱は長期化する見通しとなった。
ミンスクでのデモは「女性の行進」と命名され、首都中心部を女性達がプラカードや花束を持参して行進した。そして警備する多数の治安部隊の隊員に対し、花束を手渡し、拘束されたり暴行を受けたりした人々への支援を訴えた。治安部隊員は花束を受け取らなかったが、現地で取材していたロシア人特派員は「デモ参加者はミンスクの有能な女性達で、彼らの平和を求める行動は見ている人たちに大きな印象を与えた」と書いている。
一方、プーチン大統領は親密なルカシェンコ大統領の6回目の当選を認めることで、今後も積極的に支援していく決意を固めたと見られる。プーチン氏は旧ソ連の崩壊で失われた国家連合を再構築しようと努力しており、その第一弾としてベラルーシとの連合を強く呼びかけている。ルカシェンコ大統領はこれまで趣旨には賛成しながら、自国の事情を考慮して積極的には動かなかった。だが、今回の事態を受けてロシアとの関係を強化しつつ、自らの大統領権限を維持する考えと見られる。
これに対し、ルカシェンコ大統領を「欧州最後の独裁者」とみなす欧米諸国は、今回の事態を「ベラルーシを民主化するチャンス」ととらえている。このため、大統領選で善戦した主婦候補のチハノフスカヤ氏をリトアニアに脱出させ、ルカシェンコ大統領を追放する方針と見られる。だが、双方とも決定的な打開策を持っておらず、混乱は長期化する可能性が高い。今後、米国など大国が解決に乗り出さない限り、泥沼化する恐れもある。(この項終わり)
ミンスクでのデモは「女性の行進」と命名され、首都中心部を女性達がプラカードや花束を持参して行進した。そして警備する多数の治安部隊の隊員に対し、花束を手渡し、拘束されたり暴行を受けたりした人々への支援を訴えた。治安部隊員は花束を受け取らなかったが、現地で取材していたロシア人特派員は「デモ参加者はミンスクの有能な女性達で、彼らの平和を求める行動は見ている人たちに大きな印象を与えた」と書いている。
一方、プーチン大統領は親密なルカシェンコ大統領の6回目の当選を認めることで、今後も積極的に支援していく決意を固めたと見られる。プーチン氏は旧ソ連の崩壊で失われた国家連合を再構築しようと努力しており、その第一弾としてベラルーシとの連合を強く呼びかけている。ルカシェンコ大統領はこれまで趣旨には賛成しながら、自国の事情を考慮して積極的には動かなかった。だが、今回の事態を受けてロシアとの関係を強化しつつ、自らの大統領権限を維持する考えと見られる。
これに対し、ルカシェンコ大統領を「欧州最後の独裁者」とみなす欧米諸国は、今回の事態を「ベラルーシを民主化するチャンス」ととらえている。このため、大統領選で善戦した主婦候補のチハノフスカヤ氏をリトアニアに脱出させ、ルカシェンコ大統領を追放する方針と見られる。だが、双方とも決定的な打開策を持っておらず、混乱は長期化する可能性が高い。今後、米国など大国が解決に乗り出さない限り、泥沼化する恐れもある。(この項終わり)