飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

プーチン露大統領、ベラルーシに15億ドルの緊急融資を約束!

2020年09月15日 21時10分58秒 | Weblog
ベラルーシ大統領選後の混乱収拾を目指してロシア南部のソチで会談したプーチン露大統領とルカシェンコ・ベラルーシ大統領は9月14日、ロシアがベラルーシに15億ドル(約1580億円)の緊急融資を行うことで合意した。プーチン大統領はベラルーシを「ロシアの最も近い同盟国」と呼び、全面的に支援することを明らかにした。だが、ベラルーシの反政権派はあくまでルカシェンコ大統領の退陣を要求する構えで、事態の収拾には時間がかかりそうだ。

タス通信などによると、首脳会談はプーチン氏とルカシェンコ氏のサシで行われ、プーチン氏はルカシェンコ氏の大統領選勝利を改めて容認、支援していくことを明らかにした。その上で、ベラルーシ支援のため、15億ドルの緊急融資を行うことを約束した。さらに、ルカシェンコ氏が混乱収拾策として国民に提案しているベラルーシ憲法の改正に賛意を示した。これに対し、ルカシェンコ氏は「選挙後にわれわれを支援してくれた全てのロシア人に感謝する」と謝意を述べた。

また、プーチン大統領はベラルーシ情勢を監視するため、国境周辺に出動させた治安部隊を撤退させることを約束した。これにより、ベラルーシは今後、反政権派対策に専念することになるが、国民はルカシェンコ政権の5期25年に及ぶ”強権政治”に飽き飽きしており、どのように反政権派を説得していくかがカギとなる。現在、反政権派は市民各派の代表による「調整評議会」を結成して抗議行動を指揮しているが、政権側の相次ぐ弾圧で大半のリーダーが拘束されているのが実情。このため、双方が話し合いのテーブルにつけるかどうかが当面の焦点となろう。(この項終わり)
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ベラルーシの混乱激化、ルカシェンコ大統領がプーチン大統領とサシの緊急会談!

2020年09月14日 16時32分48秒 | Weblog
8月9日のベラルーシ大統領選の結果に対する市民の大規模な抗議行動は首都ミンスクを中心に続けられ、1ヶ月たっても収まるどころか拡大する一方だ。このためルカシェンコ・ベラルーシ大統領は14日、急きょ空路ロシア・黒海沿岸の都市ソチへ飛び、プーチン・ロシア大統領と会談に入った。現地からの報道によると、会談は一対一で行われ、両国の協力関係から国際関係まで幅広く協議しているもようだ。

大統領選の結果についてベラルーシ選管は現職大統領の6回連続当選を発表したが、反政権側は政権側による大規模な不正が行われたとして抗議行動を続けた。その後、ルカシェンコ大統領の退陣を要求して連日のように抗議集会やデモ行進を行なっている。9月13日夜にはミンスク市内で15万人以上が参加する抗議活動が行われ、タス通信によると、内務省治安部隊はデモ隊に向けて”警告発砲”を行った。けが人などの被害状況は不明だが、この抗議行動で市民約770人が拘束された。

こうした事態を受け、ルカシェンコ大統領は14日、プーチン大統領との会談を要求、ロシア南部のソチでサシの首脳会談を開くことになった。ルカシェンコ大統領が国外に出るのは選挙後の混乱が始まって以来、初めて。プーチン大統領とは親密な関係にあり、すでに選挙後、数回電話で会談している。今回は会談後の合意文書調印などは予定されておらず、ルカシェンコ氏は今後の対応をプーチン氏と細かく打ち合わせるものと見られる。

一方、ベラルーシの反政権側は各代表による「調整評議会」を結成して再選挙の実施などを求めてきた。だが、評議会のメンバーが次々に政権側に拘束され、特にメンバーの象徴的存在のコレスニコワ氏が7日に何者かに連れ去られ、存続の危機に陥っている。反政権派によると、大統領選後の拘束者数は延べ1万人以上に達しているという。このため政権派、反政権派とも手詰まり状態になっており、両大統領の会談でどういう結論が導き出されるか注目される。(この項終わり)
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