飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

番外編 ぺりかん社から『検察官になるには』出版!

2020年04月26日 10時29分59秒 | Weblog


 このほどぺりかん社から『検察官になるには』を出版しました。これから職業を選ぼうという若者向けに、検察官とはどんな職業なのか、どうしたらなれるのかを詳しく書いた本です。検察官の元締めである最高検察庁の協力を得て、全国紙記者として司法記者を勤めた経験を元にまとめました。ご覧頂ければきっと役に立つと思います。

 本の内容を簡単にご説明します。1章は「ドキュメント 正義の心で勝負する!」のタイトルで、全国の検察庁で日々活躍している現役検察官4人にインタビューし、なぜ検察官を選んだのか、どんな仕事をしているのか、やりがいは何か、などをまとめました。検察官のナマの声が聞こえてくると思います。2章は「検察官とはなんだろう?」のタイトルで検察官はどんな仕事をしているのか、どんな組織なのか、を詳しく説明しています。検察を支える副検事、検察事務官の仕事についても、現役の人のインタビューを通して仕事の内容を解説しています。3章は「なるにはコース」のタイトルで検察官の適性と心構え、検察官になるのに必要な法曹資格は何か、などをわかりやすく説明しています。

 本の中では、検察庁の組織や刑事事件の流れなどをわかりやすくまとめた図を多用しています。中高生の皆さんにも、きっと参考になると思います。最後に、検察官をモデルにしたミステリー小説や解説書を参考に取り上げています。

 この本は1冊1500円(税抜)で各書店、ぺりかん社ホームページ、アマゾンなどで購入できます。ぜひ手にとってご覧ください。(この項終わり)
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『ハルビン学院の人びとー百年目の回顧』群像社から出版!

2020年04月10日 09時53分10秒 | Weblog


日露戦争後、旧満州のハルビンに設立されたロシア専門家養成の学校「ハルビン学院」は今年、創立百年を迎えます。ロシアとの共存の道を探ろうと設立した満鉄初代総裁、後藤新平の願いとは裏腹に、日中戦争、第二次大戦に巻き込まれ、終戦と同時にわずか25年で閉校となりました。そんな激動のただ中で、卒業生1,514人はいかに学び、戦後の混乱期を生き延びたのか。その軌跡をわずかな生存者を探してインタビューしてまとめたのがこの本です。

私は1991年のソ連崩壊前後に、モスクワで毎日新聞特派員として6年間駐在し、社会主義の盟主が倒れるのを目撃しました。日々の取材に追われる中、旧ソ連で活躍したハルビン学院卒の先輩たちの話を聞く度に、彼らの活躍の原動力は何だろうかと気になっていました。モスクワ駐在を終えて帰国後、ハルビン学院24期の麻田平蔵さんを取材した縁で、毎年4月に東京・八王子の高尾霊園で行われているハルビン学院記念碑祭に出席するようになりました。そこで知り合った学院同窓生たちの話は、波乱万丈で興味を引くことばかりでした。いつかこうした話をまとめられないだろうかと考えていました。

そんな時、ユーラシア文庫を出版している「ユーラシア研究所ユーラシア文庫編集委員会」の方に後押しされ、本格的に取材を始めました。ただ、卒業生で生存している人は全体の5%ほどで、しかも取材に応じていただけそうな元気な方は10人前後という状況でした。それでも、同窓会の事務などを担当されているハルビン学院連絡所の方々から連絡先を伺い、取材をお願いする手紙を出して返事を待ちました。そしてようやく数人の方にお会いして話を聞くことができました。なぜもっと早く取材をしなかったのか、と何度悔やんだかしれませんでした。

取材を通じて、終戦直後の国民の反ソ感情と、GHQの有形無形の圧力を跳ね返し生き抜いてきた知恵と勇気に感服しました。こうした先輩たちのおかげで、われわれロシア研究者のはしくれも何とかやってこれたのではないかと感謝したい気持ちでいっぱいです。こんなご時世ですから、じっくり読書とはいかないかもしれませんが、逆にこういう時だからこそ、先人の生きてきた道をたどり、今後の生き方の参考になればありがたい限りです。

この本は1冊900円(税別)で、アマゾンでも、群像社ホームページ(http://gunzosha.com)のネットショップからも購入できます。(この項終わり) 

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ロシア連邦自主労組、コロナ禍への連帯デモ行進を計画!

2020年04月08日 09時28分05秒 | Weblog
新型肺炎コロナウイルスの感染が拡大しているのは、ロシアも例外ではない。4月7日現在、感染者数は7,497人に増え、首都モスクワでは外出を原則禁止する措置が取られている。こうした状況の中、労働者約2千万人が加盟するロシア最大の労働組合組織「連邦自主労組」は7日、5月1日のメーデーにあわせて、「強力な伝染病に対する連帯デモ行進」を実施する方針を決めた。

ソ連時代、ロシアは社会主義の盟主を自認し、5月1日のメーデーでは、世界中に存在をアピールするとともに、ロシアの春を告げる全国的な祭典と位置付けていた。1991年のソ連崩壊後は一時の勢いを失ったものの、「連邦自主労組」は毎年、組織をあげてメーデーのデモ行進を続けている。今年は世界的に猛威を振るっているコロナウイルスと闘う労働者との連帯を掲げ、全国各地でデモ行進を行うことを打ち出した。ソ連当時から組織を引っ張っているシュマコフ議長は「今回は強力な伝染病と闘う全世界の労働者との連帯を統一スローガンにする」と表明した。

だが、7日付けの独立新聞電子版によると、ロシアのコロナウイルスは、4月に入ってからも勢いが衰えるどころか、感染者数は拡大を続けている。4月6日の1日だけで新たに1,154人が感染、11人が死亡している。特に人口が集中しているモスクワ州とモスクワ市では、6日だけで計7人の死者が出ている。ロシアの感染者総数7,497人は、わが国の4,257人(8日現在)を3,000人以上上回っている。こうした状況を受けて全土で大衆行動が禁止され、プーチン大統領も4月22日に予定した憲法改正の是非を問う全国投票を延期したほどだ。

このため、民主派政党の「ヤブロコ」(りんごの意味)からも、5月1日のデモ行進の延期を促す意見が出ており、デモ行進が実現するかどうかは定かではない。最終的にはプーチン大統領ら政権首脳の判断に委ねられることになろう。だが、シュマコフ議長もそう簡単にデモ行進を引っ込めるとは思えない。今後、ロシアのコロナウイルス感染拡大の行方とともに、労組側と政権側のメーデーをめぐる攻防に目が離せそうもない。(この項終わり)

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