飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

裁判官への女性進出が急増している理由は?

2024年07月12日 09時08分01秒 | Weblog

NHK連続テレビ小説「虎に翼」が大きな話題になり、司法界で働く女性の生き方やジェンダーの問題がクローズアップされている。特に、今年に入り、日本弁護士連合会や検察庁のトップに女性が相次いで就任していて、残るは裁判所のトップのみになってきた。この背景を探ってみたい。

今、テレビ小説で描かれているのは戦前から戦後にかけての時代で、現状ははるかに進んでいることをまず指摘したい。私も新聞社の司法記者として1970年代に東京地裁で取材に当たったが、当時は女性の裁判官や検察官は少なかった。法廷で女性裁判官や検察官を見かけると、つい目が惹きつけられる感じだった。

だが、最近の数字を見ると、びっくりするほど女性の進出が増えているのがわかる。最新の「弁護士白書2023」を見ると、女性の採用比率が一番高いのは裁判官で 28、7%。次いで検察官27、2%、弁護士は19、8%となっている。大ざっぱにいうと裁判官、検察官とも約3人に1人が女性といえる。

この数字を見て驚くのは、裁判官の女性の採用比率が大きく伸びていることだ。この理由について最高裁判所広報課は「女性にとって働きやすい職場だからではないでしょうか。裁判官は自分が受け持つ事件の審理をきちんと行っていくことが重要で、その他の業務は柔軟に対応できる面があります」と話している。

一方、女性弁護士の採用比率が2割弱というのが気になる。過疎地などでは女性弁護士が少なく、司法にアクセスできないという問題が起きているという。女性でなければ理解してもらえないケースも少なくない。このドラマがきっかけとなり、女性弁護士が増えるよう期待したい。(この項、終わり)