飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

日本政府はロシアの協力を仰ぎ、チェルノブイリ事故の教訓を生かせ!

2011年03月29日 11時22分43秒 | Weblog
 東日本大震災で被災した福島第一原発の復旧作業が難航し、放射性物質による被害は史上最大のチェルノブイリ事故を上回る可能性も出てきた。このため東京電力はあわててフランスの電力会社や原子力庁に支援を要請したが、それよりも実際に大事故を経験したロシアにまず支援を要請すべきではないのか。チェルノブイリ事故の教訓から謙虚に学び、それを生かすことが被害をこれ以上拡大させないための最良の策だと思う。

 東京電力は11日の被災以来、福島原発の被害防止に全力を挙げているが、原子炉の建屋外や敷地土壌から発がん性があり毒性の強いプルトニウムが検出されるなど被害が次々に広がっている。さらに原発近くの強制避難地区で放射線を大量被曝したとみられる男性の遺体が見つかるなど、人体から環境にまで深刻な影響が出ている。

 これに対し、経産省副大臣から「(原発事故の行方は)神のみぞ知る」という暴言が出たり、原子力行政の監視役の原子力安全委員長から「(汚染水対策について)どのような形で実施できるかについて安全委では知識を持ち合わせていない」という無責任な発言が飛び出したりしている有様だ。

 このような状態になった大きな理由の一つは、わが国の原子力推進派が人類最悪の事故といわれるチェルノブイリ事故を軽視してきたからだろう。とくに経産省や御用学者はチェルノブイリ原発が原子炉そのものに重大な欠陥があったことから「日本では決して起きない事故」と言い切ってきた。今回の事故でも、テレビに頻繁に登場する原子力の専門家とされる東大教授らは「チェルノブイリとは違う」と端から問題にしない態度を取っている。

 だが、現時点から見ると、事故を起こした原子炉が4機もあり、事故から2週間たっても放射性物質の漏えいが続いていることを考えると、チェルノブイリ事故の規模を上回っているとしか思えない状況だ。しかも、一番問題なのは東京電力だけでなく、政府や原子力の監視機関にも明確な対策と見通しがないことである。少なくとも国民には、この肝心なことが見えてこないので不安が一層高まっているのが実情である。

 1986年に起きたチェルノブイリ事故では、原子炉の爆発で原子炉建屋や機械室屋上で火災が発生、消防隊員らの必死の消火活動で翌日朝までに鎮火されたが、31人が犠牲になった。また、ヘリ操縦士らが決死の覚悟で上空から砂、鉛、ホウ素などを投下、事故から10日後にようやく放射性物質の放出を止めることが出来た。さらに、炭鉱労働者などを動員して炉底に通じるトンネルを掘り、地底から原子炉を冷却する作業を続けた。その後、事故を起こした原子炉をコンクリートの「石棺」で密封したのである。それでも被害は周辺の広大な地域に広がり、その後甲状腺がんなどで死亡した人は4000人とも6000人ともいわれている。

 当時、原発から半径30キロ以内が危険地域に指定され、住民約13万5000人に避難命令が出た。事故後も30キロ以内の地域は居住禁止とされ、25年たったいまも原則として地域内への立ち入り規制が行われている。

 筆者は事故から8年後にチェルノブイリ原発を取材し、周辺を見て回ったが、居住禁止区域に入る場合は防護服着用が義務付けられ、ガイガー計数管を持参した。区域内には植物もほとんど生えておらず、所々で計数管が不気味に鳴っていて、まさに「死の廃墟」という印象を受けた。今回の事故で日本にもこうした地域が生じるのかと思うと、暗澹たる気持ちになる。

 ロシアのプーチン首相は事故直後、「日本は親しい隣国。(北方領土問題など)様々な問題はあるが、我々は信頼できるパートナーであるべきだ」と発言、最大級の支援策を打ち出した。これまでに救援隊計約150人が現地入りして被災者救援に当たったほか、国営原子力企業「ロスアトム」の専門家グループが来日した。ロシア側の報道では、原発管理の専門家とされていたが、具体的にどんなことをしたのか報道されていない。

 ロシアは原発事故では「先輩」であり、事故処理の貴重な経験を持っている。日本政府はいまこそロシア側に支援を要請し、チェルノブイリ事故の教訓を生かして危機回避に全力を挙げるべきではないか。過去のいきさつは水に流して、支援を受けることがお互いの信頼回復にも役立つと信じる。





 
 


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ロシア国民はメドベージェフ大統領よりプーチン首相を圧倒的に支持!

2011年03月25日 10時32分07秒 | Weblog
 米英などの多国籍軍のリビア空爆を巡ってロシアのメドベージェフ大統領とプーチン首相との意見の違いがメディアで大きく取り上げられ、「双頭体制に亀裂か」などと波紋を呼んでいる。来年の大統領選を控え、憶測は次々広がっているが、それに対する有権者の判断が25日、明らかになった。

 この論争は、先にプーチン首相が仕掛けた形。リビアへの武力行使を容認した国連安保理決議について「他国に武力で干渉することが米外交の傾向になっている」「(この決議は)中世の十字軍の呼びかけを思い出させる」などとと述べ、米国を強くけん制した。

 この発言に対し、メドベージェフ大統領は決議の正しさを認めたうえで「いかなる場合でも、文明の対立につながるかねない『十字軍』のような表現を使うことは許されない」と、大統領の発言を叱責した。大統領が昨年秋ごろから首相の発言をたしなめる場面が増えており、ロシアの有力紙コメルサントは「双頭体制が08年に出来て以来、二人の間で最も激しいやり取りだ」と論評した。

 ところが、25日の独立新聞(電子版)によると、ロシアの二つの世論調査機関がリビア空爆に関して行った調査結果が公表され、両調査とも空爆に反対する国民が大半を占めるという内容だった。なかでも顕著だった調査結果は、多国籍軍の攻撃を非難する人が78%にのぼり、支持する人はわずか5%というものだった。

 こうした世論調査結果と二人の発言との関係についてカーネギー財団モスクワセンターのペトロフ氏は「プーチン首相はいつも有権者が期待していることを先取りして述べていて、今回も有権者の気分と完全に一致している。これに対し、大統領は西側に向けてシグナルを送っている」と分析している。

 要は、大統領と首相とで外国向けと国民向けに発言を使い分けているという見方である。その意味では、二人の間で亀裂があるのではなく、分業体制が続いていることになる。この見方が正しいとすれば、二人ともそれぞれのギャラリー向けに発信し、メディアはそれに踊らされていることになる。今回もメディアより二人の方が一枚上手ということだろうか。
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福島原発事故がチェルノブイリ事故と異なるという3つの理由!!

2011年03月20日 10時12分14秒 | Weblog
 東京電力福島原発の事故は原子力施設事故の国際評価尺度で国内最悪の5とされ、史上最悪のチェルノブイリ事故の7に迫った。今後さらに事態が悪化すればチェルノブイリ事故のような恐ろしい事態になるのだろうか。政府や学者は「チェルノブイリとは違う」というが、なぜか詳しい説明は聞いたことがない。

 こんな不安を抱いている人が多いのではないだろうか。かくいう筆者も科学には疎いので、なぜチェルノブイリ事故のようにならないか、分からなかった。そこで新聞記事やネット記事を調べていて「goo」ウエブサイトでナショナルジオグラフィックニュースを見つけた。

 このサイトに「福島原発事故、二大事故との違い」という記事があり、それを読んだら疑問が氷解した。福島原発の事故と1979年の米スリーマイル島原発事故、1986年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故の比較を分かりやすく説明していた。その概要をご紹介したい。

 記事ではまず、以前の二大事故と福島原発事故と大きく異なる点を3つ上げている。第一は、原子炉の種類が違う点だ。福島原発は沸騰水型軽水炉、スリーマイル島は同じ軽水炉だが、加圧水型だった。両方ともそれぞれ自己制御性を備え、炉内の温度が上昇すると自然に核分裂反応が弱まり、出力が減少するという。

 ところが、チェルノブイリは黒鉛減速沸騰軽水圧力管型原子炉で、温度が上昇すると出力が上がり、さらに温度が高まるため原子炉の暴走が生じやすいという。この型はチェルノブイリ事故の後、危険な原子炉とされ、現在はほとんど残っていない。

 二番目は、事故原因で、スリーマイルとチェルノブイリはともに機器の欠陥と人為的な操作ミスが重なったとされている。とくにチェルノブイリの場合は、原子炉の動作試験が行われていて、計画自体に不備があった上、実施時にも複数の規則違反があったとされる。このため予期しない運転出力の急上昇により蒸気爆発を起こし、原子炉のふたが破損、溶融した燃料と蒸気が反応してさらに激しい爆発が起こり、炉心も溶融し建屋もろとも爆発炎上したという。

 三番目は、放射線漏れについてだが、福島原発はスリーマイル島と同様に原子炉には燃料被覆管、圧力容器、格納容器の3種の壁で放射能漏れを防いでいるが、チェルノブイリは格納容器がない設計だった。さらに減速材として黒鉛を使用していたので、黒鉛の火災が原因で放射性物質が上空に舞い上がり、原発から150㌔離れてた場所まで高濃度で汚染されたという。

 以上のように、福島原発はスリーマイル、チェルノブイリの事故を教訓に多いに改善されてきていて、かなり安全性が高いはずだった。今回は政府や学者がいう「想定外の津波」で冷却装置が流されるなど、予想を超えた被害が今回の事故につながったということのようだ。

 そうだとすると、なぜ政府も学者ももっと丁寧に説明してチェルノブイリ事故のような悲惨な大事故にはならないと国民を説得しないのだろうか。ただ「安全です、安全です」と繰り返すだけでは国民は「何か隠しているのでは」と疑心暗鬼に陥り、かえって不安感が増すことになりかねない。

 「人生において恐怖すべきことは何もない。あるのは理解すべきことのみである」。これは放射能を発見したマリー・キュリー夫人の言葉だと浜矩子同志社大教授が19日付けの毎日新聞「時代の風」で書いている。まだ事故が今後どうなるか予想もつかないが、この言葉を信じて事態を冷静に見守りたい。
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日本政府は福島原発事故でロシアと協力して対策を急げ!!

2011年03月16日 09時18分42秒 | Weblog
 過去史上最大のチェルノブイリ原発事故を起こしたロシアでは、福島原発事故の動向を固唾をのんで見守っている。ロシアのメディアも連日事故について大きく報道、予想以上に関心の高さを示している。

 チェルノブイリ事故は1986年、出力調整テスト中に突然熱出力が急上昇して原子炉が2度爆発、建物などで火災が発生した。事故による直接の死者は消火活動中の消防隊員など31人で、原発から半径30キロ周辺は危険地域に指定され、住民13万人が避難した。爆発による放射性物質の放出を止めるため、ヘリ操縦士などが決死の覚悟で上空から砂や鉛などの材料を投下、最終的にコンクリートの「石棺」で密封した。 

 有力経済紙コメルサントは15日午後8時の電子版で、ロシア原子力研究の権威、クルチャトフ研究所のガガリンスキー顧問のインタビューを掲載。この中で顧問は「日本の原発事故はチェルノブイリ事故の百万分の一の規模で、破滅的ではない」と述べた。原発事故では“先輩”のロシア専門家の発言だけについ信じたくなる。

 一方、中立系の独立新聞は16日付けの電子版で福島原発事故について「専門家は福島第一原発のコントロールが出来なくなっている」との見出しで報道。「もし原子炉の冷却に失敗すれば、原子炉は『放射能に汚染された爆弾』となって爆発する恐れがある」と警告している。

 また、英字新聞モスコー・タイムズの16日付け電子版によると、ロシアがチェルノブイリ原発の洗浄専門家2人を日本へ派遣すると申し入れたが、日本側が航空機乗り入れを拒否したため、ハバロフスク空港で足止めを食っている。日本側が拒否した理由については報じていない。

 さらに、同紙はプーチン首相がロシア原発のチェックと原子力建設計画の見直しを命じたことを伝えている。当初、首相は「原発建設計画を変更する予定はない」と断言していただけに、日本の原発事故の予想以上の広がりに驚いて発言を変更したものとみられる。

 また、ロシアの専門家は日本の原発事故の影響について「最悪のシナリオでもロシアへの危険性はない」と否定しているが、ウラジオストクなどで放射線の数値が上がっており、極東地方では不安感が募っている。

 ロシアは今回の事故で本格的な地震救援隊を派遣、積極的に協力する姿勢を見せている。日本政府はこれを全面的に受け入れ、地震だけでなく原発事故についてもロシアの協力を得て対策をとるべきだ。「遠くの知人より近くの他人」というように、この際、日露は過去のしがらみにとらわれず、大いに協力し合う必要がある。
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「六本木の赤ひげ」アクショーノフ医師の米寿を祝う会に120人が集う!

2011年03月05日 13時44分03秒 | Weblog
 六本木で半世紀以上にわたってクリニックを続け、「六本木の赤ひげ」と呼ばれるエフゲーニー・アクショーノフさんの88歳(米寿)を祝う会が4日夜、東京港区麻布台の東京アメリカンクラブで開かれた。アクショーノフさんに縁のある約120人が集まり、「もっともっとがんばってください」と激励した。

 アクショーノフさんは1924年3月5日、ハルビン(中国東北部)で生まれた。父は白軍の将校で、ロシア革命時に赤軍と戦って敗走、ハルビンに流れ着いて馬の牧場を経営していた。満州国時代にたまたまそこを訪れた華族の津軽義孝さんと知り合い、その縁で戦争中の1943年3月、来日。早稲田国際学院で日本語を学び、東京慈恵医科大学に入学して医師になった。

 お祝いの会には、津軽義孝さんの4女、常陸宮華子妃殿下が姉妹とご一緒に出席された。津軽さんとのご縁がなかったら、今日のアクショーノフさんはなかったに違いない。日本に来てから何度もお会いしたという華子さまは「私にとっては兄のような存在でした。これからは自分の時間を作ってゆっくりお過ごしください」とスピーチされた。

 アクショーノフさんはロシア大使館などの「主治医」をしていることから各国の大使がお祝いに駆けつけた。六本木にあるクリニックは、日本にやってきた外国人の患者が多く、中には不法滞在で治療費を払えない患者もいる。そういう人たちには無料で診察し、逆に生活費を援助したケースもある。それが「六本木の赤ひげ」と呼ばれる由縁でもある。

 その一方、患者の中にはシラク元フランス大統領や昨年亡くなった世界的歌手マイケル・ジャクソン、歌手としても俳優としても知られるマドンナら有名人が少なくない。会場にも大きな画面でマイケル・ジャクソンとアクショーノフさんのツーショットが映し出された。こうした人たちとの交流については拙著『六本木の赤ひげ』(集英社)に詳しく書いてあります。

 また、女優の中村玉緒さんと歌手の加藤登紀子さんのビデオレターが画面で流され、アクショーノフさんとの出会いなどについて語っていた。このほか、日本滞在中、アクショーノフさんに診察してもらい、世話になったと、わざわざ米寿のお祝いに駆けつけたイタリア人男性もいた。医師として立派なだけでなく、明るくて面倒見の良いアクショーノフさんの人間的魅力に惹かれる人が少なくない。

 最後にアクショーノフさんが壇上で88本のローソクを吹き消すと、孫のユージーン君(7つ)が花束を手渡し元気な声で「いつまでも長生きしてください」。思わず孫の頭にキスしたアクショーノフさんは「次は白寿(99歳)のお祝いで会いましょう」と“決意表明”して会場を沸かせた。

 アクショーノフさんは戦後の混乱期に無国籍になった白系ロシア人である。冷戦期にはスパイと疑われたこともある。だが、外国人患者から依頼があれば真夜中でもホテルに駆けつけ、診察してきた。これは外国人に対する日本の緊急医療体制が不十分なためである。そうした日本の制度の不備を彼が身を粉にして補ってくれたわけで、日本人の1人として心から感謝したい気持ちだ。


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ロシアの対日感情が予想以上に悪化している!!

2011年03月02日 11時04分21秒 | Weblog
 毎日新聞の2日付け朝刊国際面に「ロシア、日本『非友好的』、初めて逆転ーー世論調査」の記事が掲載された。モスクワ特派員発の記事で、「北方領土をめぐり日露関係が冷え込む中、ロシア国民の対日感情が悪化している」と書いている。

 その記事によると、ロシアの世論調査機関「世論基金」が2月19-20日に実施した全国調査によると、43%が日本は「(対露関係で)友好的でない国」と答え、「友好的」とする33%を上回ったという。ロシアの対日世論はこれまで比較的良好で、01年調査では「友好的」が56%だったが、低下傾向にあり、今回初めて「友好的でない」が逆転したという。

 この理由について記事は「2月7日に菅直人首相がメドベージェフ大統領の国後島訪問について『許しがたい暴挙』と発言したことが影響したようだ」と分析している。この発言は同日行われた北方領土返還要求全国大会での首相あいさつで出てきたもので、通信社電で直ちにロシア側に打ち返され、ラブロフ外相がその日の会見で反発、モスクワの日本大使館前で日本国旗が焼かれる事件まで起きた。

 大統領の昨年11月の北方領土初訪問は、日本国内で大きな反響を呼び、2月7日の「北方領土の日」を巡る動きの中でさらに増幅されたが、これに輪をかける勢いでロシアの反日感情が高まっているようだ。とくにロシア外務省など国家機関に「日本の脅しに負けるな」などという激励の電話が殺到しているという。

 日本側からすれば、ロシアの大統領が元首として初めて北方領土を訪問してナショナリズムに火をつけたうえ、ロシア軍や省庁を動員して北方領土への実効支配を強化しているわけで、これを「日本がけしからん」と言っているのはおかしい。だが、このように双方で悪感情が高まるのは両国の関係にとって好ましいことではない。

 領土問題は双方の愛国主義やナショナリズムに直結し、感情的になりやすい。とりわけロシアでは、ソ連崩壊後の経済低迷状況から抜け出し、ナショナリズムが高まっているところだ。それに油を注ぐようにロシア指導部が次々に北方領土対策を打ち出しているのはまずいのではないか。まず、ロシア政府側にこの問題での慎重な姿勢を求めたい。

 では、手詰まりが続く北方領土問題は今後どうしたらいいのだろうか。2月11日の前原・ラブロフ外相会談では、日露双方が北方領土の共同開発について前向きに協議することで基本的に一致したという。中国などの第三国を加えず、両国で行う前提で議論を進めていけば道が開けると思う。両国の対話を閉ざさず、冷静に協議を続けることが当面必要なのではないか。

  
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