飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

ロシア・ウクライナ戦争を速やかに停止するため世界各国が努力を!

2022年10月24日 09時08分31秒 | Weblog

ロシアが今年2月、ウクライナへ侵攻してから満8ヶ月たったが、いっこうに戦闘が終息する兆候は見えてこない。これから冬に向かって、さらに厳しい戦いが続きそうな状況だ。とりわけ、ウクライナが戦争の長期化に耐えられるかどうか心配される。

第二次世界大戦後、国家間の戦争が長期化したケースは少ない。大半は短期で終結しているが、戦争が半年以上続いたケースでは、そのうちの7割が1年以上の長期戦になっているという。ウクライナの場合、米国など欧米諸国の支援に頼っているので、長期化すると、今のまま支援が続くかどうかは不透明だ。

一方のロシアも、兵員の部分的動員が終了し、ミサイルなどの兵器も枯渇状態になっていて、戦闘は今後、小規模化していくとみられている。ロシアの世論もプーチン大統領を支持する熱狂派が減っていて、戦争が長期化することに否定的な雰囲気が強まっているようだ。

ロシア、ウクライナ双方とも、戦争の長期化は好ましくないとみていることは間違いない。特に戦争を売られた形のウクライナから見れば、ロシア軍が繰り出す作戦はウクライナ国民を意図的に痛めつけている印象が強く、ゼレンスキー大統領も直ちにロシアとの和平交渉のテーブルにつくことを拒否している。

では、厳しい冬を乗り切るには、どうしたらいいだろうか。まず、国連など中立的な機関が双方の意向を打診しながら、一致点を探っていくのが最良の方法ではないだろうか。さらに、米国など関係各国がこれに協力していけば、必ず打開策が見つかると思う。本格的な厳しい冬を前に、速やかに打開策を見出し、戦争終結に向かって欲しいと願わずにはいられない。(この項終わり)

 

 

 

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ロシア軍はこのまま敗北するのか、それとも盛り返すのか?

2022年10月16日 13時42分40秒 | Weblog

このところロシア軍の必死の反撃が続くが、ウクライナと西側の共同戦線に打ち負かされ、敗色が濃くなっている。特に、プーチン大統領が推進してきた弾道ミサイルによる攻撃が枯渇しつつあり、打ち止めになりそうだ。プーチン政権はこの先どうするのか、決断の時期が迫っている。

最近、西側の通信網には、ロシア軍の戦局不利を指摘する内容が目立っている。それを列記してみよう。

(1)ウクライナ侵攻におけるロシア軍の損失が9万人を超えている可能性がある。一方、ロシア国防省の発表によると、ロシア軍の9月の戦死者は5937人という。この数字は明らかにおかしい。

(2)ウクライナのレズニコフ国防相は、ロシア軍が保有しているとされるミサイルのうち、すでに3分の2を使い果たし、残っているのは609発だけと公表。特に高精度のミサイルが少なくなっているという。

(3)ゼレンスキー・ウクライナ大統領は、南部で空軍がロシアの攻撃ヘリ4機とイラン製の攻撃ドローン10機以上を撃墜したと発表。

プーチン大統領は、ウクライナの領土のうち、すでに併合しているクリミヤ半島に続き、東部のドネツク州とルガンスク州、南部のヘルソン州とザポロジエ州の計4州をロシアに併合した。だが、クリミヤ半島とロシア本土を結ぶ唯一のクリミヤ大橋で爆発が起き、さらにドネツク州の都市リマンを奪還され、プーチン大統領はだいぶ弱気になっているようだ。

プーチン氏がウクライナに戦闘停止と和平交渉を呼びかけているのは、本心からかもしれない。だが、ウクライナ側はここぞとばかり攻勢に出ようとしていて、直ちに和平交渉のテーブルにつく可能性は小さい。

だが、ロシアやウクライナを凍らせる冬はもう間近に迫っている。あくまで戦闘を続けるのか、とりあえず休戦にするのか。過去の歴史は、所詮人間は冬将軍に勝てないことを示しているのだが・・・。(この項終わり)

 

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ロシア、ウクライナ領の4州併合を宣言、戦闘一層激化へ!

2022年10月01日 12時15分33秒 | Weblog

ロシアのプーチン大統領は9月30日、ウクライナの東部・南部の4州を一方的にロシア領に併合すると宣言、ウクライナに無条件の停戦を呼びかけた。だが、ウクライナや欧米諸国は「疑問の余地のない国連憲章・国際法違反」と非難して認めず、ロシアとウクライナとの戦闘はさらに激化している。

プーチン大統領はこの日、大統領府のあるクレムリン(城砦)に、ロシアの上下両院議員やウクライナ4州の親露派代表を招き、約40分間演説した。ここは帝政時代、ロシア皇帝の居城があった場所で、国家的行事に使われている。演説の模様は世界中にテレビ放映され、大統領の意気込みを示した。

とりわけ、強い意気込みが感じられたのは、演説の中盤で米国が第二次大戦末期、広島と長崎に原爆を投下したことを引き合いに出した時だ。「その目的は一つだけだ。我々(当時のソ連)を脅すためだった」と述べ、当時米国が日本よりもソ連を念頭に置いていたと指摘。今後さらに戦闘が続けば、ロシアが米国に核を投下する場合もあることを示唆した。だが、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアに屈する様子はなく、バイデン米大統領も「ロシアによるウクライナ領の一方的な併合は決して認めない」と言明した。

プーチン大統領はウクライナの親露派が多い州を狙い、「住民投票」の結果を理由にロシア領に併合する作戦は2014年、クリミヤ半島でも実行し、成功している。だが、今回の場合、南部2州はロシア人に馴染みが少なく、最近の世論調査でも、この作戦はプーチン大統領の支持率アップにつながっていない。

プーチン大統領は、今回の大規模作戦では短期間での決着を狙ったが、ロシア軍のウクライナ侵攻以来、8ヶ月目に入っても十分な効果が上がらず、焦りが感じられる。その結果、核使用のどうかつと「住民投票」を利用したロシア領への併合に踏み切ったが、いずれも効果が不十分で、かえってウクライナの反撃を招いている。

ロシアも10月に入ると、冬将軍が猛威を振るい始め、思い切った作戦を打ちにくくなる。一方、冬の暖房源をロシアの天然ガスに頼る欧米諸国も結束を固め、安易な妥協を拒否している。満を持して始めたロシア軍への予備役投入作戦も国民の反発を招き、徴兵を嫌って20万人以上が国外へ脱出したという。ロシアは冬を目前に、作戦を継続できるかどうかの正念場を迎えている。(この項終わり)

 

 

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