飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

ウオッカを買う金欲しさに隣人の犬を勝手に売った男は・・・

2009年09月25日 18時36分44秒 | Weblog
 ロシア人といえばウオッカといわれるくらい、強い酒が好きな国民とみられている。若者は最近、ビールなどの軽い酒好みに変わってきたというが、中高年は相変わらず「火の酒」におぼれている人が多いようで・・・。

 ロシア西部のチュバーシ共和国で今年6月、本当にあった話。22才の女が夕方、アパートに帰ってくると、同棲中のボーイフレンドが飼っていたペットの犬がいない。近所の人に聞いてみると、隣に住んでいる53才の男が犬を勝手に持ち出して売りさばき、そのカネでウオッカの小瓶を買ったという。激怒した女がその男を探していたところ、約2時間後、アパートに帰ってきた。直ちに女は男に食って掛かり、あろうことか40回も殴る、けるの乱暴。はてはハイヒールで頭をける始末。男は犬を売って買ったウオッカをしこたま飲んでいて、女の猛攻をよけきれず、まもなく死亡してしまった。

 女はよほど犬をかわいがっていたのだろう。怒り狂う気持ちもわかるが、いくらなんでもやりすぎた。女は暴行致死罪で起訴され、最高15年の懲役刑になるとのこと。一方、男は自業自得とはいうものの、命まで奪われるとは思っていなかったに違いない。げに恐ろしきは女なりけり、いやいや、げにおろかなのは中高年の酒狂いか。

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鳩山新政権は北方領土問題で「前のめり」になりすぎるな!

2009年09月22日 11時37分31秒 | Weblog
 鳩山由紀夫首相は23日(日本時間24日未明)、ニューヨークでメドベージェフ・ロシア大統領との初の首脳会談に臨む。ロシア通あるいは親ロシア派とみられている鳩山首相は北方領土問題の早期解決を目指し、大統領に切り込むとみられる。

 鳩山首相の祖父一郎氏が日ソの戦後処理を定めた「日ソ共同宣言」をまとめた関係から、鳩山首相は首相就任前から今後半年から1年をメドに北方領土問題を解決する意欲を示している。ロシア側も鳩山首相誕生を歓迎し、これを受けて立つ構えを見せている。

 だが、メドベージェフ大統領は早くも日本側に「極端な立場を離れることで(交渉が)成功できる」と、これまでの北方四島返還要求を取り下げるよう暗に求めている。これに対し、鳩山首相が具体的にどう対応するのかはっきりしないが、従来の主張を繰り返すだけでは早期解決はおぼつかない。

 ロシア側はこのところ世論を理由に「現実的な対応を」と日本側に”譲歩”を求めている。確かに今年8月のロシア世論調査機関「レバダ・センター」の調査(全国で千六百人対象)でも、北方領土返還に賛成する人は8%足らずで、反対が82%にのぼっている。ただ、05年の同様の調査では賛成は4%、反対が87%だったので、賛成がわずかながら増えているのが救いだ。

 こうした現実を踏まえたうえで、鳩山政権が早期解決を図るには相当な覚悟と準備が求められることは言うまでもない。まず国際情勢を慎重に分析し、ロシア側を動かす動機付けが必要だ。さらに、日本国民の関心の高まりと理解が重要になってくる。そのためにはじっくり戦略を練り、国民的な運動を展開し、国を挙げて取り組む必要がある。

 心配なのは、鳩山首相が早期解決を急ぐあまり、前のめりになっているように見える点だ。外交達者なロシアが相手だけに、解決を急ぎすぎると相手の術中にはまらないとも限らない。ここはじっくり腰を落ち着けて取り組むべきだ。
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東欧への米ミサイル配備断念で米露関係は進展するのか?

2009年09月20日 11時02分08秒 | Weblog
 オバマ米大統領が東欧へのミサイル防衛システム(MD)配備計画断念を発表したのに対し、ロシアも欧州の飛び地カリーニングラード州に新型ミサイルを配備する計画を撤回し、緊張していた米露関係が好転し始めた。このまま両国のデタント(緊張緩和)は進むのだろうか。

 ロシアにとって、ソ連時代にロシアの勢力圏に入っていた東欧地域内に米国のMDが配備されるのは軍事的脅威であるとともに、屈辱的行為だった。この計画が明るみに出てからプーチン前政権は、計画撤回に向けて全力を挙げてきた。それだけに、今回のオバマ政権の計画撤回はメドベージェフ・プーチン政権にとって「やったー」と叫びたいほどうれしいに違いない。とくに、メドベージェフ大統領に代わってから「東欧への配備やむなし」という雰囲気になっていただけに、弱腰との批判も出ていた大統領はホッとしただろう。

 米国の決定を受け、メドベージェフ政権はただちにカリーニングラード州へのミサイル配備計画を取り下げ、オバマ政権の「英断」に報いた。米国内では、ロシア側が米国側の「譲歩」をいいことに、今後次々に要求を突きつけてくるのではないかと心配する声も出ている。だが、ロシア側は予期せぬ米側の心変わりに喜んでいて、これを機にさらに攻勢を強めるほどの余裕は無いだろう。

 冷静に考えれば、今回の措置は戦争に狂奔したブッシュ前政権が軍産複合体の圧力を受けて計画したもので、米国もようやく正しい判断を下したともいえる。オバマ大統領としても、前政権の強引な政策にとらわれていては自らが打ち出した「核兵器なき世界」の理想実現が進まないと思い定めたのだろう。

 ロシアとしても、あまり米側を追い込んではケガをすることが目に見えている。当面米露は、年末に効力を失う第一次戦略兵器削減条約(SТАRТ1)に代わる条約の締結に全力を挙げることになろう。人類の悲願である「核兵器全廃」に向けて両国が足並みをそろえれば、他の核保有国も動かざるを得なくなる。鳩山民主党政権もこの動きを全面的にバックアップすべきだ。なんといってもハト派なのだから。
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プーチン首相、メドベージェフ大統領の続投を示唆!

2009年09月13日 15時15分23秒 | Weblog
 プーチン首相が12年の次期大統領選に出馬するかどうかが注目されているが、11日に西側のロシア問題専門家を招いて開いたバルダイ会議(通称)で「メドベージェフ大統領とは争わない」と明言した。出馬するとも、しないとも取れる発言だが、プーチン氏はこういう言い方をするのが得意な政治家。さっそく今回のプーチン発言をめぐって様々な解釈が飛び交っている。

 ロシアからの報道をみると、通信社や新聞の見出しは「プーチンは大統領ポストへの復帰を否定せず」(タス通信)、「プーチンは次期大統領選をメドベージェフ大統領との話し合いで決める」(コメルサント紙)にほぼ二分される。大雑把に言うと、プーチン氏が次期大統領選に出馬するという見方と、出馬しないという見方に分かれている。

 そもそもプーチン首相は「次期大統領選でメドベージェフ大統領と争うのか」との質問に対し①08年(前回の大統領選)と同様、メドベージェフとは争わない②(メドベージェフと)一緒に状況を見ながら決める、の2点を明言した。この発言からはっきりしたのは、プーチン氏がメドベージェフ大統領と協議した上で、どちらが立候補するか決めるということだけだ。

 その半面、プーチン氏はメドベージェフ氏と血が同じで、政治的見解も同じだと語っている。さらに、首相の仕事は自分にとって快適だとも述べている。これらを総合的に判断すると、自分が大統領に復帰しても、メドベージェフ大統領が再選されても大きな違いはない、だからそのときの状況を判断して二人で決めるが、自分は首相職に不満は無いということになる。

 要するに、プーチン氏が後継者を決める際、メドベージェフ氏とイワノフ第一副首相(当時)を最後まで競わせたように、選択肢を二つ持ち、、ぎりぎりまで様子を見て、ふさわしい人物を選ぶという戦略だろう。つまり、メドベージェフ氏がうまく国政を運営していければ、そのまま続投させるということになる。現大統領への「愛のムチ」であるとともに、自分が依然ロシアの実権を握っていることを内外に示す発言といえるのではないだろうか。



 
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ロシアでもゴルフ場の建設ラッシュが起きている!?

2009年09月10日 10時12分15秒 | Weblog
 ソ連時代は「資本家のスポーツ」といわれ、外国の商社マンくらいしかやらなかったゴルフ。今ではビジネスマンや企業家の間でブームになりつつあり、ゴルフ場も建設ラッシュの様相を呈している。

 私は90年代、モスクワに6年間、新聞社の特派員として駐在したが、当時はモスクワに9ホールのゴルフ場しかなかった。在モスクワの日本人社会でも、大手商社マンが接待に使う程度だったが、今ではモスクワに18ホールのゴルフ場が3つあり、さらに建設中あるいは計画中のゴルフ場が40もあるという。それに伴ってゴルフ人口も約1万6千人と、6年前に比べ3倍に増えている。

 ゴルフ場の建設ラッシュが起きているのは、ロシアの新興財閥がゴルフに熱中し、自らゴルフ場をつくっているケースが増えているからだ。「アルミ王」と呼ばれ、米経済誌フォーブズの世界長者番付で10位に選ばれたこともあるデリパスカ氏は昨年暮れ、モスクワ北部にゴルフやスキーが楽しめる大規模スポーツ施設を建設した。なかでも圧巻はゴルフコースで、ゴルフの神様ともいわれるジャック・ニクラウスに設計を依頼、約3千万ドルの建設費を投入した。会員権は30万ドルというから、一般のロシア人にはとても手が出ない。

 このほか、ロシア有数の新興財閥であるポターニン、アブラモビッチ両氏もモスクワ郊外に大きなゴルフ場を建設中だ。ロシアゴルフ協会では、今後ゴルフ場が次々にオープンし、利用料が安くなれば数年後にはゴルフ人口が10万人に達するだろうと予想している。

 ロシアが資本主義社会に移行してからまもなく20年。半年間も雪に閉ざされるため、ゴルフが国民的スポーツになるのは無理とみられていた。石川遼君がモスクワのゴルフ場でウイニングショットを放つ日もそう遠くはなさそうだ。
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プガチョーワの娘と実業家が子供の養育権めぐり訴訟沙汰に!

2009年09月08日 14時26分00秒 | Weblog
 愛し合って結婚した男女も、いざ離婚となると激しい訴訟沙汰になり勝ち。子供の養育権争いともなると骨肉相争う事態になるのは古今東西変わらないようで…。

 これはロシアでの話だが、なんといっても登場人物がすごい。11歳の男の子デニの母親は、「百万本のバラ」などで世界的に有名な歌手プガチョーワの娘で、本人も今人気の歌手クリスティナ・オルバカイト。父親はチェチェン人の実業家ルスラン・バイサロフで、モスクワ石油ガス会社の重役。この会社の会長はモスクワのルシコフ市長といった具合。

 さて、この夫婦は6年前に離婚、男の子は母親とモスクワで暮らしていた。ところが今年7月、夏休みを父親と過ごすためチェチェン共和国へ行ったまま帰ってこなかった。あわてた母親は息子と連絡を取ろうとしたが、父親がどこかに隠してしまい、連絡が取れなくなった。

 このトラブルの発端は、プガチョーワが孫の父親に「デニ(息子の名)はアメリカへ留学に行くそうよ」と話したことからだった。驚いた父親は母親と連絡を取り、息子をアメリカに行かせないという誓約書に署名するよう要求。母親がこれを拒否すると、父親は先月、裁判所に息子の養育権を求める訴えを起こした。審理は母親が出頭しないまま開かれ、裁判所側は「息子は当分、父親と暮らすように」という決定を出した。

 怒った母親は、この決定を不服として裁判所に異議を申し立てた。これに対し、父親は「父親が生きているのに、息子をアメリカに追いやるのは絶対反対だ」と猛反対している。もっとも、母親によると、この父親は何かの事件の関係でアメリカのビザが取れないため米国留学に反対しているのだという。

 ソ連崩壊後、貧困に苦しんでいたロシアだが、今や経済大国の仲間入りをしつつある。ロシアのセレブの間では、子供たちを外国へ留学させるのが一種のステータスになっているのだそうだ。世の中、変われば変わるものだが、親の離婚騒動のとばっちりで外国へ行かせられるのだとしたら、子供にとってはいい迷惑だ。
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ロシア指導部が歴史認識の「修正」に躍起になっている訳は?

2009年09月03日 10時42分26秒 | Weblog
 「歴史を捏造するな」「歴史の歪曲は許さない」。最近、ロシア指導部から、歴史認識に絡んだ”修正”をけん制する動きが目立っている。こうした矛先は日本の北方領土問題にも向けられている。なぜ、こうした動きが強まっているのだろうか。

 この動きが目立ってきたのは今年5月、メドベージェフ大統領の直属機関として「歴史捏造対策委員会」が設置されてからだ。バルト三国や東欧で歴史の再評価の動きを調査し、対抗策を検討するのが目的だが、委員28人のうち、歴史の専門家は3人だけで、軍や政府関係者が大半を占めていることから政治色が濃い委員会であることは明白だ。

 委員会は第二次大戦での旧ソ連の参戦を正当化するとともに、旧ソ連を「ファシズムからの解放者」とし、ナチス・ドイツと同様な「占領者」とみなす東欧・バルト諸国などを非難。さらに、名指しはしていないが、北方領土の返還運動をけん制する発言も行っている。

 ロシア指導部が躍起になって歴史認識の”修正”をけん制しているのは、諸外国に自国の主張を認めさせるためだけでなく、自国民に旧ソ連の誇りや郷愁をしっかり植えつけようとしているからだろう。プーチン首相らは「大国・ロシア復活」に向け全力を挙げているが、大半の国民は「大国復活」への関心が冷めてきている。世論調査の結果をみても、ベラルーシとの連合を支持する人が10年前は43%にのぼったが、現在は15%に減っている。また、ウクライナとの統合を求める人も今は14%足らずで、過半数の人は現状を容認している。

 その一方、ロシア指導部は深刻な経済危機から国民の目をそらそうと歴史認識を問題にしているとの見方もある。ソ連崩壊から18年たつが、いまだにロシアは国家統合のアイデンティティ-を確立していない。その焦りが指導部を歴史認識問題に駆り立てているということではないだろうか。

 
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