来春のロシア大統領選を巡り、候補者選定の決定権を事実上握っているプーチン首相の一挙手一投足に注目が集まっている。焦点は首相自身が立候補するかどうかだが、その首相は27日の記者会見で「ジャーナリストが気に入る決定をする」と述べた。これは一体何を意味するのか?
インタファクス通信によると、記者会見は首相の訪問先、スウェーデンの首都ストックホルムで行われた。記者団から「次期大統領選には首相が立候補するのか、しないのか?それともメドベージェフ大統領とともに、別の候補者を指名する可能性があるのか」との質問が出た。これに対し、首相は「この問題について話すのはまだ早すぎる。時間はまだある。我々は妥当な決定をする。あなた方は(その決定を)気に入り、満足するだろう」と答えたのだ。
この答えは大筋では先々週、メドベージェフ大統領が再選への意欲を示したときの答えと同じだが、後半部分は新しい内容だ。つまり、ジャーナリストに対して「あなた方が気に入るような決定を行う」と答えている部分である。素直に取ればいわゆる「リップサービス」かもしれないが、一歩踏み込んで考えると今名前の挙がっているプーチン首相でもメドベージェフ大統領でもない、第三の候補を示唆していると受け取れないだろうか。
さらに、プーチン首相はデンマークの首都コペンハーゲンでの会見でも「英フィナンシャルタイムズが首相に立候補せず、メドベージェフ大統領を再選させるよう求めているが、何かコメントがありますか」と聞かれた。首相は「大統領選の候補者は外国からの支持ではなく、ロシア国民からの支持が必要だ」と短く答えた。さすがにこの種の質問に辟易したのだろう。
プーチン首相が第三の候補を指名するのをほのめかすような発言をしているのは、野党のカシヤノフ元首相である。これもインタファクス通信の記事だが、元首相はプーチン首相自身が次期大統領選に出馬すると見ているものの、情勢が変化すればプーチンは立候補を取りやめ、後継者に譲る可能性があるという。ただし、その譲る相手は「いかなる場合でもメドベージェフ大統領ではない」と言い切っている。それだけプーチンとメドベージェフの関係が悪化しているということなのだろうか。
一方、大統領府顧問を解任されたばかりの政治評論家パブロフスキー氏は「プーチン陣営とメドベージェフ陣営はお互いに疑心暗鬼になっていて、もはやまともな話し合いができる状態ではない」と述べている。とはいえ、同氏はプーチンとの双頭体制を維持できるのはメドベージェフだけだとし、最終的にはメドベージェフが次期大統領選の候補になるとの見方をしている。
以上のように政治家や政治評論家の話を聞いていると、一枚岩を誇った双頭体制も両陣営に分かれて角つき合わせているのは間違いないらしい。そうなると、これまで首相と大統領が語っていたような、話し合いによる大統領候補の一本化が出来ない可能性もある。その場合、まったく新しい第三の候補が登場することになるかもしれない。ロシアの次期大統領選びは、いよいよ面白くなってきた。
インタファクス通信によると、記者会見は首相の訪問先、スウェーデンの首都ストックホルムで行われた。記者団から「次期大統領選には首相が立候補するのか、しないのか?それともメドベージェフ大統領とともに、別の候補者を指名する可能性があるのか」との質問が出た。これに対し、首相は「この問題について話すのはまだ早すぎる。時間はまだある。我々は妥当な決定をする。あなた方は(その決定を)気に入り、満足するだろう」と答えたのだ。
この答えは大筋では先々週、メドベージェフ大統領が再選への意欲を示したときの答えと同じだが、後半部分は新しい内容だ。つまり、ジャーナリストに対して「あなた方が気に入るような決定を行う」と答えている部分である。素直に取ればいわゆる「リップサービス」かもしれないが、一歩踏み込んで考えると今名前の挙がっているプーチン首相でもメドベージェフ大統領でもない、第三の候補を示唆していると受け取れないだろうか。
さらに、プーチン首相はデンマークの首都コペンハーゲンでの会見でも「英フィナンシャルタイムズが首相に立候補せず、メドベージェフ大統領を再選させるよう求めているが、何かコメントがありますか」と聞かれた。首相は「大統領選の候補者は外国からの支持ではなく、ロシア国民からの支持が必要だ」と短く答えた。さすがにこの種の質問に辟易したのだろう。
プーチン首相が第三の候補を指名するのをほのめかすような発言をしているのは、野党のカシヤノフ元首相である。これもインタファクス通信の記事だが、元首相はプーチン首相自身が次期大統領選に出馬すると見ているものの、情勢が変化すればプーチンは立候補を取りやめ、後継者に譲る可能性があるという。ただし、その譲る相手は「いかなる場合でもメドベージェフ大統領ではない」と言い切っている。それだけプーチンとメドベージェフの関係が悪化しているということなのだろうか。
一方、大統領府顧問を解任されたばかりの政治評論家パブロフスキー氏は「プーチン陣営とメドベージェフ陣営はお互いに疑心暗鬼になっていて、もはやまともな話し合いができる状態ではない」と述べている。とはいえ、同氏はプーチンとの双頭体制を維持できるのはメドベージェフだけだとし、最終的にはメドベージェフが次期大統領選の候補になるとの見方をしている。
以上のように政治家や政治評論家の話を聞いていると、一枚岩を誇った双頭体制も両陣営に分かれて角つき合わせているのは間違いないらしい。そうなると、これまで首相と大統領が語っていたような、話し合いによる大統領候補の一本化が出来ない可能性もある。その場合、まったく新しい第三の候補が登場することになるかもしれない。ロシアの次期大統領選びは、いよいよ面白くなってきた。