飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

ロシアのプーチン政権、今夏にもウクライナへ大攻勢を仕掛ける?

2024年03月19日 14時45分20秒 | Weblog

プーチン・ロシア大統領は3月の大統領選で通算5選を達成し、今後6年間、大統領の地位を維持できる態勢ができた。だが、後継者が育っていないうえ、ロシアでは高齢の71歳だけに、先行きへの不安も指摘されている。このため、プーチン大統領は今夏にもウクライナへ大規模攻勢を仕掛けるとの見方が出ている。

プーチン氏はロシア初代大統領であるエリツィン氏の推薦で2004年3月、大統領選に立候補して圧勝、2代目大統領に就任した。平和的な政権交代は、ロシア史上、初めてといわれている。当初は前大統領の方針を踏襲して民主的な政策を実行していたが、その後、暴力と恐怖で押さえ込むソ連時代のスターリン流統治に変化している。

特に近年は、プーチン氏を批判する政敵が謀殺される事件が相次いでいる。中でも、リベラル派の旗手だったネムツォフ元副首相や、傭兵部隊ワグネルの指導者プリコジン氏殺害の背後には政権側の影が感じられる。国民も混乱を恐れ、強い指導者を求める傾向が強いため、プーチン氏の抑圧指導体制が今後も続くと見られる。

一方、西欧諸国はロシアを恐れる余り、NATO( 北大西洋条約機構)に結集する傾向が強まった。これまで一貫して中立の立場をとっていたフィンランドとスウェーデンのNATO加盟が決まり、バルト海に面する国はロシア以外、全てNATOの勢力圏となった。対するロシアは中国との連携を強化して、西欧側に対抗しようとしている。

中でもロシアは、ウクライナとベラルーシを生命線とみなし、両国がNATOへ加盟すれば、ロシアは存亡の危機に追い込まれると恐れている。そこでプーチン政権は今夏にも先手をとって、ウクライナへ大規模攻勢を仕掛けるとの見方が浮上している。そうなると、ロシア・中国の連合軍と西欧諸国との総力戦になる恐れもある。それこそ、第三次世界大戦に直結しないとも限らない。(この項終わり)

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プーチン氏、15日からの大統領選で当選が確実視されているが・・・

2024年03月13日 10時43分25秒 | Weblog

プーチン大統領の通算5選の是非を問うロシア大統領選が3月15日から3日間、行われる。ロシアはウクライナとの戦争の渦中にあるが、プーチン氏の当選はすでに確実視されている。とはいえ、反体制派の有力者、ナワリヌイ氏の急死が国民の間に影を落としていて、選挙に微妙な影響を与える可能性もある。

プーチン氏は2000年、エリツィン氏の後を継いで大統領選に当選。その後、4年間、大統領職を後輩に譲ったものの、それ以降はずっと大統領を務め、毎回危なげなく当選を続けている。今回の選挙前の2月下旬に発表された世論調査でも、80%以上の支持率を維持している。

プーチン氏の長期政権の理由は何だろうか。毎日新聞のモスクワ支局員が市民にインタビューした結果でも、長期安定政権を評価する声が多かった。68歳の男性は「西側の絶え間ない挑発に対抗するプーチン氏の忍耐力を称賛する」と語り、ロシアの”救世主”という見方をしていた。

元々、ロシアは広大なユーラシア大陸に位置し、国内に大きな山地もなく、四方八方から外国軍に侵入された歴史がある。他の民族には計り知れない脅威があり、現在、その脅威は欧米だという主張が国民の間に根強く残っている。その結果、政権を国民の守護者と頼りにするようになるというのだ。

それだけに、ロシアは今後、欧米のウクライナへの支援ぶりや、11月の米大統領選の行方に左右される面もある。日本としても北方領土問題などを抱え、”北の大国”の行方には十分注意を払う必要がある。(この項終わり)

 

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