国際人権擁護団体「フリーダム・ハウス」が29日発表した「報道の自由2010報告」で、ロシアは196ヵ国中、175位にランクされた。昨年より順番が一つ下がり、アフリカのガンビア共和国と同じレベルという。
30日付けのロシアの有力紙コメルサント(電子版)は「ロシアの報道機関はガンビアと同じ条件で働いている」との見出しで報道の自由度の低さを伝えている。ガンビアはアフリカ西部にあり、軍政から民政に移管された国だ。また、この報告書の中で「ロシアは中国やベネズエラと同様に、今のところ比較的自由なインターネットを絶えず脅かしている」と警告していることを強調している。
この人権擁護団体は1941年に創設され、米国政府などがスポンサーになっている。この報告書は1980年から毎年出され、世界の言論の自由度の指標として評価されている。同報告書によると、報道の自由のある国に住んでいる人々は世界中で6人に1人の割合だという。最も自由度の少ない国は、ミャンマー、キューバ、イラン、リビア、北朝鮮とされる。
ロシアについて同報告書は「ジャーナリストの仕事にとって極めて困難な条件の国であり続けている。迫害の対象になったり、さらには殺害の恐れもあるため、ジャーナリストの側から自主検閲するケースが増えている」と指摘している。つまり、ジャーナリストは自己防衛のため、自ら筆を折っている状態だというのだ。
この報告書についてロシア・ジャーナリスト同盟のボクダーノフ代表は「ロシアでは過去15年間に300人以上のジャーナリストが殺害されていて、ほとんどの場合、犯人も分からないままだ。社会もこの問題に関心が少なく、残念ながらジャーナリストはもはや権力に影響を与える勢力ではなくなっている」と嘆いている。
ロシアの人権問題や権力の腐敗を厳しく追及し、プーチン政権からにらまれていたアンナ・ポリトコフスカヤ記者が殺害された事件は我々の記憶に新しい。だが、ロシアの世論は報道の自由に関心が薄く、政府批判が盛り上がらないのが現実だ。西側諸国が主要国首脳会議(G8)などの場でロシア政府に圧力を加えるとともに、基本的人権が保障される市民社会育成を側面から支援していく必要があるのではないだろうか。
30日付けのロシアの有力紙コメルサント(電子版)は「ロシアの報道機関はガンビアと同じ条件で働いている」との見出しで報道の自由度の低さを伝えている。ガンビアはアフリカ西部にあり、軍政から民政に移管された国だ。また、この報告書の中で「ロシアは中国やベネズエラと同様に、今のところ比較的自由なインターネットを絶えず脅かしている」と警告していることを強調している。
この人権擁護団体は1941年に創設され、米国政府などがスポンサーになっている。この報告書は1980年から毎年出され、世界の言論の自由度の指標として評価されている。同報告書によると、報道の自由のある国に住んでいる人々は世界中で6人に1人の割合だという。最も自由度の少ない国は、ミャンマー、キューバ、イラン、リビア、北朝鮮とされる。
ロシアについて同報告書は「ジャーナリストの仕事にとって極めて困難な条件の国であり続けている。迫害の対象になったり、さらには殺害の恐れもあるため、ジャーナリストの側から自主検閲するケースが増えている」と指摘している。つまり、ジャーナリストは自己防衛のため、自ら筆を折っている状態だというのだ。
この報告書についてロシア・ジャーナリスト同盟のボクダーノフ代表は「ロシアでは過去15年間に300人以上のジャーナリストが殺害されていて、ほとんどの場合、犯人も分からないままだ。社会もこの問題に関心が少なく、残念ながらジャーナリストはもはや権力に影響を与える勢力ではなくなっている」と嘆いている。
ロシアの人権問題や権力の腐敗を厳しく追及し、プーチン政権からにらまれていたアンナ・ポリトコフスカヤ記者が殺害された事件は我々の記憶に新しい。だが、ロシアの世論は報道の自由に関心が薄く、政府批判が盛り上がらないのが現実だ。西側諸国が主要国首脳会議(G8)などの場でロシア政府に圧力を加えるとともに、基本的人権が保障される市民社会育成を側面から支援していく必要があるのではないだろうか。