ロシア人は昔から陰謀好きな国民だといわれている。だが、そういう傾向が「外交官の卵」の間で広がっているとすれば由々しきことである。以下はその傾向を心配するロシア外務省付属外交アカデミーのエブゲーニー・バザノフ副学長がモスコー・ニュース紙に寄稿した論文の概要である。
それによると、外交アカデミーの学生たちが最も好んでいる陰謀論の一つは、2001年9月11日の米国同時多発テロの背後にジョージ・ブッシュ大統領(当時)とその親友がいるという説である。「なぜブッシュがそんな考えられないような犯罪に関与したのか」と聞くと、学生たちは「イラクを攻撃する口実が必要だったからだ」と答えたという。
もちろん、この副学長はそんな陰謀論は「深く考えなくても、まったくでたらめだということは明らかだ」と全否定する。そして、米国の指導者が自国の経済やインフラを喜んで破壊するだろうか、そんなことはありえないと結論付ける。
続けてバザノフ副学長は、この陰謀論を信じているのはロシアの学生と将来の外交官だけではないと指摘し、50代、60代の影響力のある識者多数が新聞やテレビを通じてこうした陰謀論を吹聴していると強調する。
さらにこの副学長は、自分が体験したエピソードを持ち出して、こう述べている。ある軍事アナリストと先日会ったときに「最近モスクワで起きた地下鉄爆破テロの背後には米国がいる」と、まことしやかに話した。そこで副学長が「どこにそんな証拠があるのか」と質したら「テロは、ロシアが冬時間から夏時間に変更した直後に起きたからだ」と答えたという。
副学長は最後に「こうした頭脳で、どうやってロシアの現代化ができるのだろうか」と嘆いている。メドベージェフ大統領がいま政策の旗印に掲げている「現代化」を実現していくには、陰謀論を信じるような頭の構造ではダメだといいたいのだろう。一理あるとは思うが、そういう見方もまた極論の一つのように思えるが。
それによると、外交アカデミーの学生たちが最も好んでいる陰謀論の一つは、2001年9月11日の米国同時多発テロの背後にジョージ・ブッシュ大統領(当時)とその親友がいるという説である。「なぜブッシュがそんな考えられないような犯罪に関与したのか」と聞くと、学生たちは「イラクを攻撃する口実が必要だったからだ」と答えたという。
もちろん、この副学長はそんな陰謀論は「深く考えなくても、まったくでたらめだということは明らかだ」と全否定する。そして、米国の指導者が自国の経済やインフラを喜んで破壊するだろうか、そんなことはありえないと結論付ける。
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さらにこの副学長は、自分が体験したエピソードを持ち出して、こう述べている。ある軍事アナリストと先日会ったときに「最近モスクワで起きた地下鉄爆破テロの背後には米国がいる」と、まことしやかに話した。そこで副学長が「どこにそんな証拠があるのか」と質したら「テロは、ロシアが冬時間から夏時間に変更した直後に起きたからだ」と答えたという。
副学長は最後に「こうした頭脳で、どうやってロシアの現代化ができるのだろうか」と嘆いている。メドベージェフ大統領がいま政策の旗印に掲げている「現代化」を実現していくには、陰謀論を信じるような頭の構造ではダメだといいたいのだろう。一理あるとは思うが、そういう見方もまた極論の一つのように思えるが。