飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

プーチン大統領の政敵、10年以内に帰国すると予告!

2016年03月20日 23時39分55秒 | Weblog
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ロシアの反体制派政治家で一番著名な元「石油王」ミハイル・ホドロコフスキー氏(52)が、プーチン政権を倒すため、10年以内にロシアに帰国すると予告した。同氏はプーチン大統領の政敵で、長期間獄につながれたため、大統領の“犯罪”追及に燃えている。

18日付けのロシア紙「ベドモスチ」が米国のニュースサイト「デイリー・ビースト」に掲載されたホドルコフスキー氏のインタビュー記事を転電した。それによると、同氏はプーチン体制が崩壊し始めたら直ちにロシアに帰国する計画で、今度は1990年代初めの「破滅的な失敗」を繰り返さないよう、全力を挙げると述べている。

同氏の観測によると、プーチン大統領の支持率は今も高いので、2018年の次期大統領選では余裕で再選されるとみている。そうなるとプーチン大統領は、24年までさらに6年の任期を務めることになるが、10年もたてばプーチン氏も70歳になり、側近も減ってきて政権は不安定になっていくと分析している。

また、ホドルコフスキー氏は「欧米の政治家によく説明しているが、プーチン氏とは決して合意できない。たとえ米共和党の大統領候補トランプ氏のような政治家と協定を結んだとしても、うまくいかない」と言い切っている。

さらに、同氏はプーチン政権が「多くの悪事を行った」として必要な証拠と証人をそろえ、裁判を見直さなければならないと述べている。とくにリトビネンコ元連邦保安庁中佐が英国で毒殺された事件で、プーチン氏が実際に殺害を命じたのかどうか、また、ウクライナ紛争でプーチン大統領が民間人への銃撃を命じたのかどうか、については独立法廷を設置して調査すべきだと提言している。

ホドルコフスキー氏は、当面の重要な課題はロシア社会を政治的無関心から救い出し、違法な制度や決定を停止し、法律を守る体制にすることだと主張している。こうした考えから、同氏はプーチン政権が揺らいで来たらロシアに帰国し、政権打倒に向けて行動を起こすとみられる。

一方、ロシアの世論調査機関レバダ・センターが2月下旬に行った世論調査によると、ホドルコフスキー氏は既成野党を除く反体制派の中では一番著名な政治家と見られている。というのも、ソ連崩壊後にメナテップ銀行を中心に新興財閥を形成し、民営の石油会社ユコスを設立、国営の石油会社ルクオイルと並ぶ大企業に育てた人物だからである。

しかし、石油の国家管理を強めるプーチン政権を批判して対立し、2003年に脱税などの罪で逮捕・起訴された。05年、禁固9年の実刑判決を受け、シベリアの刑務所に収監された。13年、恩赦により釈放され、ドイツに居を構えた。その後も講演などで欧州を回り、プーチン政権を批判し続けている。

同氏は今後、ロシア国内に足場を見つけ、反体制派運動を強めるものとみられ、プーチン政権を脅かす存在になりそうだ。(この項おわり)
                           


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