ロシア政府が東日本大震災の救援事業として進めていた、被災地の子どもたちの夏休み招待に応じて約70人が8月中旬、ロシアに向かうことになった。岩手県と宮城県の中高生が中心で、キャンプ場などに約1週間滞在して広い大地の下で夏休みを過ごす。
この招待は、メドベージェフ大統領のスベトラーナ夫人から申し出があったもので、日本側は外務省が窓口になり、日露青年交流センターが実施団体となって実現にこぎつけた。ロシア側は800人規模の招待を予定していたが、被災地の復興が遅れるなどの悪条件が重なって100人以下になった。
現地に向かうのは、極東のウラジオストク組と、シベリアのクラスノヤルスク組の2グループ。ウラジオストク組は、岩手県の中高生31人と宮城県の中学生2人、それに付き添いの教師6人の計39人。8月18日に出発し、毎年サマースクールが開かれているウラジオストクの青少年子供センターに宿泊し、25日に帰国する。
もう1組は、剣道を習っている岩手県の中学生ら28人(付き添いを含む)で、クラスノヤルスク州のキャンプ地で8月16日から1週間過ごす予定だ。いずれもロシア政府が現地の滞在費を負担、日本政府が渡航費を負担する。
日本側は、ロシアの大統領夫人の提案であり、なんとか善意に応えようと被災地を回ったが、どこも復興が遅れており、「海外で夏休みを過ごす余裕がない」と乗り気薄だった。それでもようやく70人規模になり、ホッと胸をなでおろしている。
被災地の人々が積極的になれなかった理由のひとつには、極東・シベリアという地域のイメージが戦後の抑留のイメージと重なるからだろう。一方ではロシア政府は、シベリア開発のため海外からの移民を招こうとしており、「そんなところへ子どもをやれない」という親の気持ちもわからないではない。
だが、放射線量を気にしながら室内でしか遊べない子供たちにとって、広大なロシアの大地で思いっきり飛び回れるのは大きな魅力だ。それに子ども時代に海外を経験することは、今後の人生に大きなプラスになるに違いない。大いに楽しんできてほしい。
この招待は、メドベージェフ大統領のスベトラーナ夫人から申し出があったもので、日本側は外務省が窓口になり、日露青年交流センターが実施団体となって実現にこぎつけた。ロシア側は800人規模の招待を予定していたが、被災地の復興が遅れるなどの悪条件が重なって100人以下になった。
現地に向かうのは、極東のウラジオストク組と、シベリアのクラスノヤルスク組の2グループ。ウラジオストク組は、岩手県の中高生31人と宮城県の中学生2人、それに付き添いの教師6人の計39人。8月18日に出発し、毎年サマースクールが開かれているウラジオストクの青少年子供センターに宿泊し、25日に帰国する。
もう1組は、剣道を習っている岩手県の中学生ら28人(付き添いを含む)で、クラスノヤルスク州のキャンプ地で8月16日から1週間過ごす予定だ。いずれもロシア政府が現地の滞在費を負担、日本政府が渡航費を負担する。
日本側は、ロシアの大統領夫人の提案であり、なんとか善意に応えようと被災地を回ったが、どこも復興が遅れており、「海外で夏休みを過ごす余裕がない」と乗り気薄だった。それでもようやく70人規模になり、ホッと胸をなでおろしている。
被災地の人々が積極的になれなかった理由のひとつには、極東・シベリアという地域のイメージが戦後の抑留のイメージと重なるからだろう。一方ではロシア政府は、シベリア開発のため海外からの移民を招こうとしており、「そんなところへ子どもをやれない」という親の気持ちもわからないではない。
だが、放射線量を気にしながら室内でしか遊べない子供たちにとって、広大なロシアの大地で思いっきり飛び回れるのは大きな魅力だ。それに子ども時代に海外を経験することは、今後の人生に大きなプラスになるに違いない。大いに楽しんできてほしい。