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今年2月、女性パンクグループ3人が反プーチン的パフォーマンスをしたとして逮捕され、現在も拘留されているが、これに対し映画監督や俳優ら103人が27日、裁判所に釈放を求めるアピールを行なった。
逮捕・拘留中の女性3人はパンク・ロックグループ「プッシー・ライオット」(子猫の騒動の意味)のメンバーで、顔に覆面をかぶって激しく踊ることで知られている。2月21日、モスクワの中心部にある救世主キリスト大寺院で反プーチンのパフォーマンスを行なったとして刑法213条(乱暴狼藉)違反の疑いで逮捕された。当初裁判所は6月24日まで拘留すると決定したが、その後、7月24日まで1ヵ月延長した。
アピールが掲載されたモスコフスキー・コムソモーレッツ紙によると、リャザノフ映画監督、女優のハマトワさんらアーティスト103人が署名に加わり、「彼らの行動は刑法犯罪には当たらないし、反教会的行動でもない。彼らを釈放し審理をやめるべきだ」と主張している。また、「彼らは依然監禁中で、社会は分裂や過激主義に向かうことに耐え切れなくなっている」と指摘し、裁判所に寛容な対応を求めている。
パンク・グループの弁護士は「裁判所の決定は人権に反している」として欧州裁判所に提訴している。また、国際人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルは3人を「良心の囚人」とみなしている。
これに対し、裁判所側はアーティスト側から書簡が届いていることを認めたが、「裁判所は行政のように垂直機構ではなく、裁判官の判断で決定される」として結論については言及を避けている。
メドベージェフ前大統領は司法の独立を守るため様々な手立てを講じたが、未だに裁判所は政権側の意向をうかがいつつ判断する傾向が強い。このパンク・グループは大統領選前の微妙な時期に「反プーチン的パフォーマンス」を教会で行なっており、政権側が“みせしめ”的に拘留を続けているのではないだろうか。だとしたら一日も早く彼らを釈放すべきだ。(この項おわり)