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北朝鮮の核実験を巡る米国、韓国などとのにらみ合いは、牽制の域を超え、いつ暴発してもおかしく無い状況になりつつある。トランプ大統領は勿論、安倍首相らは、直ちに力による圧力をやめるべきだ。
ここ数日、北朝鮮は核実験や長距離ミサイルの行使に言及し、世界を震えあがらせている。特に米国などを怒らせているのは、核実験の再三にわたる脅しである。この手口は、1994年に北朝鮮が国際原子力機関(IAEA)の査察を拒否、同機関からの脱退を主張した「第一次核危機」を思い起こさせる。その挙句、脱退はせず、韓国などから原油などを手に入れたもので、各国から「瀬戸際政策」と批判を浴びた。
今回は、米国の大統領が強硬派のトランプ氏に代わり、「北朝鮮の横暴を許さない」と気色ばんでいる点が異なっている。直前にシリアへトマホークを打ち込み、テンションが上がっているので、こちらも降りそうもない。さらに、世界に先駆けてトランプ大統領に会っている安倍首相も、森友事件から国民の目をそらそうとトランプ大統領の尻馬に乗っている。
相手はなにしろ、政治経験が少ない上にガムシャラに自らの権威を守るため、叔父さんばかりか、兄弟まで暗殺する人物である。歯止めが効かなくなっていると思わざるを得ない。今のような神経戦が続けば、ソウルばかりか、東京まで攻撃しないという保証はない。その場合の被害は計り知れないだろう。
我が国が海外の政治勢力に侵害される危機に陥るのは、元寇と第二次世界大戦後の米国に次いで3回目と言ってもいいだろう。こういう状態に陥った責任の一端は、トランプ政権に追随している安倍政権にもあると言っても言い過ぎではない。安倍首相は一刻も早く、この状態を改善させるべきだ。
(この項おわり)