飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

プーチン首相は、いまやロシアの教祖様なのか!?

2009年12月05日 12時47分07秒 | Weblog
 プーチン首相は3日、大統領時代から続けている「国民との対話」をテレビを通じて4時間にわたって行った。国民から寄せられた質問に答えるという形式で行われ、質問は2百万件を超えたという。

 質問は政治、経済から「幸福とは何か」「世界の終わりとは何か」まで多岐に渡ったが、プーチン首相はすべてについて答えた。しかも、答えはすべて入念に準備されていて、「首相はカリスマのようだった」とロシアの独立新聞は書いている。まさに宗教の教祖様のようだったらしい。

 国民がいま一番関心があるのは、首相が12年の次期大統領選に出馬するかどうかだ。これまで首相は「メドベージェフ大統領と相談して決める」と語っていた。今回は「時間はまだ十分ある」としながらも「それぞれが自分の仕事を効果的にこなし、経済状況がどれだけ好転したかを元に決める」などと語り、いつも通り明言を避けた。

 その一方、「政界から引退し、休養するつもりはないか」との質問には「そんなことは期待しないでほしい」ときっぱり答え、まだまだ政治家を続ける意欲を見せた。この答えを最大限に受け取れば、大統領にカムバックすることを示唆したといえなくもない。

 ただ、不思議なのは首相と国民との対話が行われるのは、いつもメドベージェフ大統領が外遊中であることだ。昨年に続き、今回もイタリア訪問中で、偶然とは考えられない。大統領としても、首相が国家指導者のごとく国民に振舞うのを目の前で見ていたくないのだろう。

 プーチン首相は大統領に就任してから首相も含め約10年間、最高指導者の地位にあるといっても言い過ぎではない。さらに今回の国民との対話で、ロシアの教祖の地位すら得たともいえよう。
  
 最後に9歳の女の子の「幸福とは何か」の質問に、プーチン首相がどう答えたかを紹介しよう。「私たちは人生に限りがあることを忘れてしまいがちだ。もし覚えていれば、これまでの人生が幸せなことがわかるだろう」。まさに教祖様だ!

 

 
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