陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

宇和海 営業行脚

2007年04月17日 | slow works

「晴れていたら海の色はきれいです。」

部下の運転するレンタカーで宇和島へ。
念願の宇和島である。
関西では居酒屋のじゃこ天でしか
宇和島を意識したことはなかった。
恥かしい話、宇和島は島だと
ずっと思い込んでいた時期が長かった。

高速道路を降りて宇和海に近づく。
海を見下ろしながら
海岸沿いに迫る山道をくねくね走る。
かつて陸の孤島と言われた所以を知る。
山沿いの道を抜けると、今度は
海岸沿いの集落を湾沿いに巡る。
小さい頃、九州の親父の田舎で見た
懐かしい風景が車窓を通り過ぎていく。

「日本の漁村の原風景ですね。」

部下はうまいことを言う。

地方を巡る営業行脚。
こうして部下と二人で過ごす時間が長い。
都市部の営業では得られない濃密な時間だ。
仕事のことばかり話していても無粋である。
この部下、結構な歴史通である。
そこらのガイドよりいっぱしだ。
耳を傾けるのが楽しい。
この地は昔、伊達家が
遠く仙台からやって来たのだと言う。

「ふうん、仙台から?」
「きつかったでしょうね。」

「宇和島は真珠でも有名です。」

宇和島真珠というらしい。
だが今は
お株は伊勢の鳥羽の方だとか。

小一時間は海岸沿いを走っただろうか。
お目当ての会社にたどり着く。
最近鯛の養殖に力を入れている会社だ。
養殖のえさを売る会社だが、いつしか
その養殖魚を引き取るようになって
また養殖事業にも力を入れている。
宇和島は鯛やハマチの養殖でも有名だ。
最近魚の市況も良くなってきたと聞いた。
これは朗報だ。
ちょっといい気分になる。

帰りに魚市場に寄る。
ここの野良猫はみんな恰幅がいい。
水揚げされた美味しい魚のおこぼれに
ありついているのだろうなあ。
羨ましい…。こっちもどうせなら
宇和海の幸を存分に楽しみたいが
今夜は松山からのフェリーで帰らねばならぬ。
残念だが、宇和島の幸はまたの機会にしよう。

「どうか仕事が膨らみますように。」
と、心の中でつぶやきながら…。
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