陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

パリの回廊 ユトリロ展

2006年03月11日 | slow culture

“酔い、惑い、描き、祈った。”

なかなか私的には好きな言葉が並んでいる。
そんなキャッチコピーに誘われてなんば高島屋へ
「没後50年 モーリス・ユトリロ展」を観に行く。

ユトリロも好きな画家のひとりである。
グランドホールに設えた展覧会場は
ユトリロの描くパリ一色であった。
まさにパリの回廊を巡っているような感覚。
やっぱりパリは憧れの街だ。確か8年前だったか
撮影で出かけたフランス旅行を想い出した。

グルノーブルのシャトーホテルでの撮影。
プチでも中庭が美しい由緒あるホテルだ。
リヨンからレンタカーで一路国道を北へ走り抜け
向かった先はブルゴーニュワインの中心地ボーヌ。
そしてそこから村々を訪ね巡った。あの
ロマネコンティのブドウ畑に感動した。
たったこれだけの作付面積なのか…と。
レンタカーを返すのにとまどり
リヨン駅を発車ぎりぎりで乗り込んだTGVは
延々と続く田園地帯を高速で走り続けた。
珍しかった牧歌的なフランスの田園風景も
しばらくするともうその単調さにあきてしまった。
しかし改めて狭い国土を高速で走リ抜ける
日本の新幹線の優秀さを思い知った。
やがてTGVはパリリオン駅へ滑り込む。

パリでは先人たちのいろんな面影の場所を訪ね歩く。
ユトリロ、ヘミングウェイ、フィッツジェラルド…
アブサンにゴロワーズ、パリの食堂…。ワインの日々。

いいなぁ。壊れているものは美しい。きっと
パリもユトリロも私の憧憬で在り続けるのだろう。
つい心が回廊してしまったユトリロ展であった。


コメント    この記事についてブログを書く
« 東京 春の展示会行脚 | トップ | 或る日のある光景から »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

slow culture」カテゴリの最新記事