陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

秋日和からⅠ 曼珠沙華

2008年10月08日 | slow culture

“曼珠沙華
 一むら燃えて秋陽つよし
 そこ過ぎてゐる しづかなる径”
 
 木下利玄『李青集』大正14年

歌人木下利玄は
曼珠沙華をこよなく愛したと言ふ。
“その紅の反くり返った花弁は
まだ炎威をのこしてゐる
秋陽に照り映えて
毒々しいまでに燃えてゐる。
それが夕方村を通り過ぎたりして
路傍の小高い丘の
日露戦役の戦死者の墓の処などに
かたまって咲いてゐるのを見かけると
赤い夕日に照らされてといふ
センチメンタルな唱歌の節などが
思ひ合はされて
不思議な淋しさを人の心に投げかける”
                   (同)

秋日和の日
港沿いの幹線道路脇の
植え込みで見つけた曼珠沙華。
燃えるような赤い群れなのに
どうして
不思議な淋しさを感じるのだろう。

■松山・高浜にて
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