ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『コンテイジョン』

2011-11-02 22:47:01 | 新作映画
(原題:Contagion)



「う~ん。これは少し複雑な映画だなあ」
----へぇ~っ。そうニャの?
何年か前、日本でも作られた
『感染列島』みたいな感じじゃニャいの?
「扱っている題材はパンデミックだし、
確かにそうなんだけど、
3.11を経験した日本で、
いまこれを観ると、ちょっとね…」

----地震や津波、
それとも原発に関係あるってこと?
「じゃあ、それを話す前に簡単にあらすじを。
物語は感染2日前から始まる。
この2日前という時点で、ラストシーンは
感染の最初の瞬間を描くんだなというのは、
まあ、これは誰にも想像が付くんだけど…。
香港出張からアメリカに帰国したベス(グウィネス・パルトロウ)が
体調を崩して2日後に亡くなる。
香港で青年が、ロンドンでモデル、
東京ではビジネスマンが突然倒れる。
全世界に新型ウィルスが広がっていっているわけだね。
そんな中、
米国疾病対策センター(CDC)は危険を承知で
感染地帯にドクター・ミアーズ(ケイト・ウィンスレット)を送りこみ、
世界保健機構(WHO)でも
ドクター・オランテス(マリアン・コティヤール)らが
ウィルスの期限を突き止めようとする。
一方では、ブログで人気を集めるフリーのジャーナリスト、アラン(ジュード・ロウ)は、
政府が事態の真相とワクチンを隠していると告発する…。
さて、問題はココなんだけど、
この映画では、このジャーナリストの実相を最後に暴くことで、
“ウィルスよりも、その恐怖を煽ることから起こるパニックの方が怖い”という
結論を導き出してくる」




----ニャるほど。
つまり、国家や政府の言うことを信じなさいってことだニャ。
「少なくともこの映画を観る限りでは、
監督のスティーブン・ソダーバーグはそういう立場をとっているね。
先ほど話に出た『感染列島』との演出の違いからもそれは感じられる。
これだけの非常事態なのに、
ことにあたるCDCやWHOの職員たちは不思議なくらいに冷静。
決してアツくならない。
まあ、常に冷静でいる訓練を受けている、
あるいは、もとより常に平常心でいられる人間にしか
こういう仕事は務まらないのかもしれないけど…。
一方で、パニックを起こす群衆の狂態、
あるいはそれによって生じる街中のゴミの散乱など、
衆愚という言葉に象徴される部分は
いやになるほど
ドキュメンタリータッチでリアルに描かれる」

----普通の人々が、いかに自己保身的なのかが
そのプロの崇高(?)な行為と対比されるってわけだね。
「そういうことだね。
もちろん、それだけではなく、
この生死ギリギリの事態の中、
身内を守ろうとして
その情報を極秘裏に流す当局の人なんかも描かれはするけど、
それはごく一部」

----そういえば、原発事故の時、
家族を海外に避難させて、
テレビでは安全性を言っている政治家がいたと聞いたけど…。
「まあ、そう言う意味ではこの映画はタイムリーかもね。
もちろん、他にも見どころはないわけじゃなく、
ウィルス発生によるクスリ業界の動き、
さらには、同時に病気にかかることによる不倫の発覚とか、
ソダーバーグは、視点をさまざまな方面に広げている」

----ケイト・ウィンスレットにしてもグウィネス・パルトロウにしても自然な感じ。
これもソダーバーグ演出?
「そういうことだね。
彼の手にかかると、みんな、その道のプロに見えてしまう。
なかでも感心したのはマット・デイモン
ここまで自然な、普通の男を演じているのを観たのはぼくは初めて。
今後、彼にこういう役が増えていくといいな」





                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「それにしても豪華なキャスティングだニャ」気持ちいいニャ

ローレンス・フィッシュバーンも出ている度

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