ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『宇宙人ポール』

2011-11-19 23:23:58 | 新作映画
(原題:PAUL)


「いやあ。これは聞きしに勝るオモシロさ。
70年代SF、とりわけ『未知との遭遇』に心を奪われた人は必見の作品だね。
冒頭から、あの映画そっくりの風景が、そのまんまの雰囲気で出てくるし、
しかも今年公開された『SUPER8 スーパーエイト』と同じくブルーを基調に、
カメラは煽り気味で人物を捉える。
それ以後も、『未知との遭遇』のワンシーンがジオラマで再現されたり、
なんとスピルバーグ御大まで本人役でカメオ出演。
宇宙人ポールを相手に
『E.T.』のアイデアを生み出すというのだから、
ファンにはたまらない」

----ニャるほど。
SFへのオマージュってワケだニャ。
でも、ストーリーくらい
簡単に教えてよ。
「アメリカで行われているコミックの祭典『コミコン』に出席した
SFオタクのイギリス人青年、クライブ(ニック・フロスト)とグレアム(サイモン・ペッグ)。
二人は、アメリカ中西部のUFOスポットを巡る旅を楽しんでいた。
その途中、彼らは、ネバダ州の『エリア51』でポールと名乗る宇宙人と遭遇。
お人好しで根アカのこの宇宙人、地球に事故で不時着して以降、
政府にあれやこれやと情報提供。
しかし、これ以上、教えることがなくなった今、
残っているのは、人間には身についていない超能力の秘密。
自分が解剖されるということを知ったポールは、
これはたまらぬと逃げ出したってワケ。
その事情を知ったクライブとグレアムは、
彼を生まれ故郷の星に返すべく
謎の組織の追跡を交わし、目的地へ急ぐ…と、
まあ、こういうお話」

----分かりやすいニャあ。
で、その目的地って…。
「ポールの言葉じゃないけど、
これは“見てみれば分かる”(笑)。
ヒントは、ぼくも一度は行ってみたい
映画史上の有名な場所。
さて、この映画、
『ホット・ファズ ー俺たちスーパーポリスメン!ー』の迷コンビ、
サイモン・ペッグとニック・フロストが主演と脚本を務めているだけあって、
シンプルなストーリーとは裏腹に、
ディテールで笑わせ、泣かせ、しんみりさせる。
笑わせるのは、まず、映画の引用部分。
それはSFだけではなく
たとえば『イージーライダー』の焚き火シーンから
『ブラインド・フューリー』『ダーティハリー』に至るまで多岐にわたる。
一方の泣かせるシーン。
これも
『未知との遭遇』を観ていると想像つくと思うよ」

----ニャるほど。
悲喜劇両方ってワケだニャ
でも、しんみりというのが想像つかないニャあ…。
「これはね。
クライブとグレアムのホモではないけど、
ふたりの深い友情にある。
クライブよりも先にグレアムがポールと仲よくというか、
彼のことをいろいろ知り、
しかも道すがら、グレアムにはルースという恋人(クリスティン・ウィグ)までできちゃう。
そこから生まれる嫉妬。
もとよりお笑い系で明るい二人組だけに、
これが、映画に微妙な影を落とすというか、
ペーソスを加えるんだ。
さて、このルースが敬虔なクリスチャン。
彼女を連れていくことになったことから
その父親モーゼス(ジョン・キャロル・リンチ)まで猟銃片手に追跡に加わっちゃう。
そうそう、追跡と言えばゾイル(ジェイソン・ペイトマン)なる政府の捜査官に、
いいように使われているハガード(ビル・へイダー)と
オライリー(ジョー・ロートルグリオ)の新米捜査官も笑わせてくれる」

----あんまり馴染みのない俳優ばかりだニャあ。
「確かに。
でも、最後にはエイリアンSF映画には欠かせない大物女優が満を持して登場。
ポールの声はセス・ローゲンだし、
これは本当に楽しめる映画。
ポールのキャラに好き嫌いはあるかもしれないけど、
観ているうちに、
そのアクの強さも可愛らしさに代ること間違いなし。
観た後にSFファンといろいろ語り合いたい、
そういう手合いの映画だね」。




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「よーく目を凝らして観るのニャ」ぱっちり

※手元に置いて何度も繰り返し観てみたくなる度

コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

こちらは噂のtwitter。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー


最新の画像もっと見る

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
この映画本当に好き (ノルウェーまだ~む)
2011-11-21 09:23:53
えいさん、おはようございます。
この映画、本当に楽しめました!
私は「第9地区」以来の掘り出し物!と思っています。
二人の可笑しくも泣かせる友情がなんともいいですよね~
返信する
■ノルウェーまだ~むさん (えい)
2011-11-24 21:22:08
こんばんは。
先ほど『ステキな金縛り』でお伺いしたのですが、
なぜかはじかれてしまいました。
この作品ではどうだろう?
『第9地区』はオスカーにもノミネートされ、
あらかじめ評判がよかったので、
それほどでもなかったのですが、
これにはやられました。

久々に、映画愛に満ちた映画を観た気がします。
返信する
こんばんは (ノラネコ)
2011-12-22 23:51:11
いや~バカバカしいけど、よく考えられた話でした。
ただ日本での観客層はかなり限られそうですね。
「E.T.」と「未知との遭遇」あたりは兎も角、細かいネタまでは相当なマニアでないとついてゆけなさそうです。
逆にこういうのが、それなりのメジャーな体制で作られる環境は羨ましくもありますね。
返信する
■ノラネコさん (えい)
2011-12-25 19:35:46
この映画の宇宙人ビジュアルを観たときは
引いてしまったのですが、
ところがどっこい。
映画は、その萎えた私の気持ちを
まったく忘れさせてくれる爽快なできでした。
飽きるところのまったくない映画でした。
返信する
こんにちは。 (やっちゅ)
2011-12-26 11:06:32
いつもTB返しありがとうございます。

パロディーやちょっと下品なジョークなど満載ですが、これだけではマニア向けのB級映画で終わってしまいそうです。
しかし、シンプルなストーリーでありながらも緻密に伏線を張るなど主演二人が書いた脚本がしっかりしているので、パロディーの元を知らない人でもしっかり楽しめるものにしているのは素晴らしいです。

話は変わりますが、もしよろしければ僕のサイトとの相互リンクをお願いします。
サイト名:映画とライトノベルの日常自販機
リンク先URL:http://sugiyama.tv
よろしくお願いします。
返信する
こんばんわ (にゃむばなな)
2011-12-26 20:20:47
大女優の退場のさせ方。あの贅沢さ、いやあれこそ映画愛に溢れた退場のさせ方でしたね。
あんなにも一瞬で終わらせるなんて、本当にこの人たちはいいセンスしてますわ~。
返信する
■やっちゅさん (えい)
2012-01-01 21:10:38
こんばんは。

そうですね。
この映画は、それ単体でも楽しめる映画だと思います。
ただ、元ネタを知っていると、
もう、ニヤリ、ニヤリで…。
なかでも『イージーライダー』かなあ。
自分が映画を
ただただ好きだった頃の作品が次々と出てくるので、
ほんとうに嬉しくなりました。

相互リンク、
実は、まだどなたともしていないのですが、
いずれ考えてみようかな。
ご提案ありがとうございます。
返信する
■にゃむばななさん (えい)
2012-01-01 21:12:41
こんばんは。
シガーニー・ウィーバー、
まさか、ああいう使われ方をするとは…!?
個人的には、
もっと現場の役で出て欲しかったです。
『エイリアン』のイメージが強いだけに…。
返信する
こんにちは♪。 (みぃみ)
2012-02-03 15:38:22
一世を風靡した映画の誕生の瞬間がご本人(声)も登場して観られる事だけでも感動物。
Tシャツや小道具まで細部にもこだわりがあって楽しめました。
あのマグカップ、欲しい☆と思ってしまいました。
返信する
■みぃみさん (えい)
2012-02-05 18:38:08
よくスピルバーグが出演しましたよね。
一瞬、嘘だろ?って。
ぼくにとって『未知との遭遇』は、
特別な映画。
それだけに、これは嬉しいプレゼントでした。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。