ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『家族の庭』

2011-11-03 22:27:39 | 新作映画

(原題:Another Year)




----明後日公開の映画ってけっこう多いよね。
まだ、『1911』『ラビットホール』もあるのに、
なんでこんな地味そうな映画を…?
「うん。好き嫌いはともかくとして、
やはりマイク・リー監督の新作だし、
これは触れておかないわけにはいかない」

----好き嫌いはともかく…?
ということは絶賛ってわけじゃなさそうだニャ。
キャッチコピーが
ここに集まると、喜びは倍に悲しみは半分になる 」
ニャンだか、ハートウォーミングな映画のようだけど?
「いやいや。
それがまさかまさかの映画。
ちょっと奥歯にものの挟まったような言い方をしちゃうけど、
この映画、
キャッチコピーはおろか、
邦題からして
なぜこんな至福に満ちたものになったのか分からない。
まず“庭”はあまり出てこない。
確かに、劇中で一度、みんなで集まることもあるけど…」

----えっ、そうニャの?
日本のキー・ビジュアルでは
夫婦で庭を耕しているみたいだけど…。
「そうなんだよね。
まずそれが間違った先入観を与えてしまう。
あそこは、休みの日とかに、そこに耕しに行くという
いわゆる市民農園。
さてこの物語は、ある初老の夫婦、トムとジェリーを軸に進んでいく。
トムとジェリーは、それぞれに打ち込める仕事を持ち、
休日は野菜作りを楽しみ、美味しい手料理とワインを味わう。
ふたりには、親思いの弁護士の息子ジョーがいる。
まあ、幸せいっぱいの曇り一点もなしの家族。
一方、そんな彼らの家を訪れる友人たちは、
それぞれに孤独を抱えている。
なかでもジェリーの同僚・メアリーは、
男運に恵まれない自分と幸福なジェリーを比べては落ち込み、
タバコとワインが手放せない」

----ニャるほど。
トムとジェリーは、
そのメアリーをやさしく“家族の庭”に迎え入れるってワケだね。
「いや、それがそうじゃないんだね。
初めこそ、彼女を歓待したものの、
メアリーはそれに甘えて、
徐々に図に乗り始める。
自分で男運のなさを嘆きながら、
彼女に気があるそぶりを見せる男には、
その見てくれや
スマートではない人との接し方に
嫌悪感をむき出しにし、
けんもほろろに冷たくあしらう。
一方で、自分より遥か年下のジョーには色目を使う」

----それは、かなりの自己中。
「そういうこと。
で、一回家に呼ばれたのをいいことに、
以後、トムとジェリー夫婦の都合も聞かずに、
自分がそうしたいという
強い思いだけで勝手に上がりこんじゃう。
そんなメアリーに、
トムとジェリーは、春、夏、秋、冬と
季節が進むにつれ、
次第次第に冷たい態度をとるようになる」

----ニャるほど。
それじゃあ、映画もヘビーになっていくニャ。
「そうなんだ。
映画は、次第にとげとげしい雰囲気を持ってくるんだ。
なかでも、ジェリーの彼女に対するそっけない態度は
メアリーが悪いとはいえ、あまりにもキツイ。
ぼくは、裏目読みで『家族の庭』というのは、そのことを自覚し、
そんなに気やすく足を踏み入れるな!
という意味のタイトルかと(笑)」

----それ、言いすぎ(笑)。
でも、そんな映画ってラストどうなるんだろう?
「そこが最大の見モノ。、
この映画、
いわゆる大人になれないまま歳を重ねたメアリーが
周囲の空気を読めず
自分の思いのままふるまって
最終的には観ているこちらが辛くなるほどの疎外感を味わう。
現実にこういう人いるよな…っていうか、
自分にもそういう部分が多々にあるだけに、
マイク・リーに叱られているような気になったね」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「なんか怖そうな映画だニャ」なにこれ?


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