ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『マネーボール』

2011-11-08 10:00:43 | 新作映画

(原題:Moneyball)




----これって、これまでの野球映画とはまったく違うって聞いたけど…?
「う~ん。
それほど違うとは思わなかったな。
基本は同じという気がする。
野球やアメフトなどのチームで戦うスポーツ・ムービーって、
コーチが弱いチームを一つ見まとめて建て直す、
あるいは、一人のプレイヤーの成長の記録。
このふたつに分けられることが多い。
そのいずれも、物語の流れは、
弱小球団が紆余曲折ありながらも
最後は強い球団に生まれ変わるというもの。
で、この映画の場合は、
そのコーチがゼネラルマネージャーに代わっただけ」

----じゃあ、どこが新しいと言われているの?
「そのチームの立て直しに
“マネーボール理論”というのがあるから。
お金持ちの球団相手に、いい戦いを繰り広げても
結果的に、その選手は高額で相手球団に奪われてしまう。
この繰り返しだったら、
いつまでたっても弱小球団は勝てない。
ならば、どうするか?」

----ほんとだ。
それって打開策はなさそうに見えるニャ。
「そう思えてもしかたないよね。
じゃあ、
映画のストーリーを…。
かつては、鳴り物入りでニューヨーク・メッツに入団したものの、
予想に反し、低迷の日々を送り、
ついにプロ生活に終止符を打ったビリー・ビーン(ブラッド・ピット)が
この映画の主人公。
以後、スカウトマンに転身した彼は、
オークランド・アスレチックスの若きGMに。
その年も、スター選手を競合軍団、及びその巨額の年棒に奪われた彼は、
野球界の外に目を向け、
イェール大学経済学部の秀才ピーター・ブランド(ジョナ・ヒル)を引き抜く。
ふたりは、これまで無視されてきたコンピュータによる統計分析を武器に、
後に“マネーボール理論”と呼ばれる
“低予算でいかに強いチームを作り上げるか”という独自の理論を展開。
“年棒が高い”“故障を抱えている”“トラブルメーカーである”といった理由で
他球団から解雇されたり、評価されていなかった選手たちを次々に集める。
分かりやすい例で言えば、出塁率の高い選手を起用。
なにはともあれ、出塁しなければ点には繋がらないわけだからね。
物語は、その前代未聞の手法に、
古いスカウトマンたちやメディア、ファンにバカにされながらも、
次第に勝ちを収めていくビリーとピーター、
そしてアスレチックスの姿を描く」

----それって、現場でも反発買うんじゃニャいの?
特に監督とか…。
「そう、そこも見どころの一つ。
アート・ハウ監督との衝突は、
フィリップ・シーモア・ホフマンの好演もあって
観る者を楽しませてくれる。
ホフマンは、この映画の監督ベネット・ミラー『カポーティ』で組み、
お互いをよく知りつくした仲。
アカデミー賞を始め、数々の男優賞を獲得している。
さて、映画のクライマックスは、
このアスレチックスが奇跡とも思える連勝を重ね、
ついに前人未到の20連勝へと王手をかける。
だが、その最後の一戦が、
これで夢はついえたかとも思えるほどの大苦戦。
事実は小説より…というけど、
このハラハラドキドキ感は、
やはり野球映画の伝統。
9回裏まで観客を引っ張っていく。
ここも、これまでの映画とはあまり違わないと感じたところ。
でも、もちろん、ぼくはそれを悪い意味で言っているんじゃない」

----うん、分かる。
野球理論は新しくても、
野球映画の作り方はオーソドックスで
逆に安心して楽しめたってことだね。


                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「最後は興奮しそうだニャ」身を乗り出す

※若き日のロバート・レッドフォード『ナチュラル』を思い出した度

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