葬送 なるほど 家族葬 八千代市の葬儀

一日/一生   「道順庵」のつれづれ草 水琴窟に癒されて

死体から見た葬儀社さん その⑩

2008-10-18 20:25:44 | お別れのエピソード
いよいよ葬儀のクライマックスが近づいてきました

頼んだお寺様は真言宗でした、実家がその宗派でしたから

頼んだのでしょう、戒名は「俗名」で頼んだようです、もし

田舎に埋葬になれば、そこのお寺さんから戒名をいただく

つもりが身内にはあったのでしょう、眠くなるようなお経でしたが

やはり真言宗のお経はなんかメリハリが弱いようです、

うとうとしたら、やたら台車が動きました、

とうにお経は終わり、お別れの刻が来たようです

「それではお別れでございます」

落ち着いた口調の葬儀社さんの手には、お別れ用の花が

お盆に添えられておりました、「ちゃんと供えた花から取ったのでしょうね」

などと余計な心配は無用でした、供えた花は全てお盆に載っており

各親戚に渡されておりました、

それぞれが花を持ち、私の顔を触りながら、花を入れております

涙の一滴が頬を伝わり・・私の頬に・・・

・・・

こんなに愛されていたのかと思うくらいに

ぽたぽたと滴りおちています・・・

あぁ~私は死んでしまったのだ・・・

客観的に柩の上から眺めていた私は

思わず、「ありがとう・・みんな・・」と囁き、

死体の私の目にも涙が溢れて止まりません・・

私の涙は皆さんの頭上から落ちているはずなのに・・

すう~と消えていきます、やはり魂の身からは物理的な雫になりません

「最後でございますから、今一度お顔をご覧下さい」

葬儀社さんにうながされ皆の顔が私をのぞきこみます

そのときお花の花粉が鼻の中に・・・・

ふっふっふぃっくしょん・・!

くしゃみをしてしまいました、もちろん外見には出ませんが・・

もし、鼻の近くの花が揺れたら、それは故人様のくしゃみかも

しれないのです・・

最後に身内の一人が言いました

「葬儀社のお前が死んで、誰が葬儀をするんだ」

・・・・

それを聞いた葬儀社さんは、「この人葬儀社さんだったの」と気がついた

ようです

外は、真っ青な秋の空

昼の陽の高さと比べても、胸を張って爽やかに死んで行ける私は

「生きていたから死ねること」

いい人生をありがとう・・・周りの全ての人にあたまを下げていました、

そして、いろいろ観察してしまった葬儀社さんにはゴメンナサイ

死体の私から御礼申し上げます

高いところから時々会いに来ますのでよろし・・・く・・・

すると、す~ぅ~と意識が薄れてきました

やはり向こうの世界に行かないといけないようです・・・

周りが照明を落としていくようにだんだん暗くなり・・

・・・・・・・やがてはるか向こうに明るい点が見えてきました

どうやら、川を越えたようです・・・



とりとめのない変な死体の話しを聞いて下さいまして
ありがとうございました、

葬儀社さんは、やはり死体から一番見られている職業なのです

合掌






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2008-10-18 11:28:18 | 道順庵の徒然草
何も無い空

高い雲は爽やかな風を纏い

しばし、見上げては 深呼吸・・・

いい天気だなぁ・・・・

平和で穏やかなひとときではあります


いつも悲しみと隣り合わせの職業ですから

晴れの秋空には、

他所の世界みたいな(笑)新鮮さを感じてしまいます

葬儀の中にも

この爽やかさを出すことができたら

いいと思いました

悲しみを 

超えた

爽やかさが・・・


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